2017/8/4(Fri)
仕事はヒマ。夏だからね。

基本は冬に整備をして、春夏秋に乗ってもらう。

フリーダムがこの周期で動いている以上、フリーダムの夏の整備はトラブル系の対処が多い。パンクしたからタイヤ貼り替えるーとか、チェーン使い切ったから張り替えるーとか。たまにボーナス出たからフレーム買うーとか。

私からみれば、ヒマなのが何より。みんな元気にトラブルなく乗ってる、なによりの証拠だ。

いやほんと、夏に消耗品のトラブルばっかりだと、フリーダムは冬になにやってんだ!ってなるからね。







ロードバイクにおいて、整備は1年に一度やっておけば、そうそう春夏秋でトラブルが起きることはないと思っている。

もちろんユーザーが無理な動作で壊しちゃうことはあるけれど、そんなのは私は知ったこっちゃなくて、つまり消耗品的な壊れ方はしないんだ。




基本的に自転車は金属とアブラとゴムの塊であり、そのうちのアブラとゴムのお手入れがオーバーホールだ。

ホームページに書いてある「1年に一度オーバーホールで3万円!」ってフリーダムでは言っているけど、あれはわかりやすく言ってるだけで本当は違う。

本当はヘッドベアリング5000円、BB5000円、フロントハブ5000円、リアハブ5000円、ワイヤーバーテープ交換で10000円、その合計が30000円なんだ。

しかし同じ回転系でもヘッドベアリングやフロントハブは1年に1度で済むかもしれないし、リアハブは1年に2回やらなきゃいけないかもしれない。選手クラスになればワイヤーは年3回交換する必要があるレベルの人もいる。

だから本当は自分自身でオーバーホールの周期を把握する必要があり、全部いっぺんに持ってくる必要はあまり無い。




でも、ユーザーが自分自身でバイクの状態を把握して、オーバーホールの周期に当てはめてチェックを依頼するというのは難しい。

だから、とりあえず1年に一度やっとけばなんとかなる、みたいな言い方をしてるんだ。

加えて、たとえば週末に100km走る人...土日で200km...月800km...年間9600km程度しか走らないサンデーライダーであれば、1年に一度だけの整備であっても、なんとか私が保証してあげられる範囲にまとまると思ってるんだよね。







まずはお客さん達に、①自転車は金属とアブラとゴムの塊なんだよ、それから②アブラとゴムは定期的な管理が必要なんだよ、③アブラとゴムの消耗度は時間的なものと使用頻度によるものの2つの軸があって、どちらのタイミングが先になって整備に入るのかは、本当は自分自身で把握しておく必要があるんだよ、の3つを理解してもらうところから始まる。




実際に消耗しているかどうかを判断するのは難しいし、それを判断するのは私の仕事。でもその3つのことをユーザーが理解してくれているだけで、自転車のトラブルはかなり減ると思っている。


2017/8/1(Tue)
ここ数ヶ月の自転車メディアの新型車特集をみて気づいただろうか?2018年の新型バイクは、全体的に細身のパイプが多いのだ。

これは2つの方向からアプローチがされていて、ひとつ目が空力。カムテールと涙滴形状の二つの方向性が争う中で、単純に細い事、物理的に小さい事が空力的に良いとされるようになった。
いや、小さく細い方が空気抵抗が低いのは最初からわかっていたが、それが素材的に許されるようになったということだ。

小さく細くした時、強度的にも強くするためには肉厚にする必要があったが、それは軽量化と相反していた。
また、軽くするために各チューブは太く丸くして剛性を確保するのだが、それは優れたエアロと相反していた。

それが素材の革新とともに、細く小さく扁平したパイプでも十分な横剛性と捻れ剛性が両立できるようなってきた。


今私が言ったことは、特にどこの文献等にまとめてあったわけではない。いろんなメーカーの主張や第三者研究を結論を、自分自身で大まかな流れとしてとりまとめ総括したものであり、皆の記憶の中にどれほど留めるべきかは定かではない。しばらく経ってこの話が事実的に本当だったとして、そういや昔そんな事を誰かが言っていたかもしれない、程度のものである。



細く小さく、扁平してるのに横剛性や捻れ剛性が高い。出来れば壊れにくく。およそロードバイクとして夢のような話が、素材の進化とともに実現化できるようになってきた。まだハイエンドに限った話であり、コスト的にトップダウンが出来る段階ではないけれど。

未来的に見て、その兆しは2018年であるかもしれないのだ。



2017/7/31(Mon)
ルック、ZED2クランク。

ZEDクランクは596の前期型についていたもの。695でなじみのあるZED2クランクは2009年度の596が初出。795からはZED3クランクになり、ZED2とZED3は併用されている。


右クランク~スピンドル~左クランクが一体成型のZEDクランクは、クランクの理想形態。BB65はキワモノ扱いされてるけれど、現状のホモロゲから理論を逆算して突き詰めていくとこんな形になる。

基本的にBBのベアリングは、①基本的に大きいほど良い。②出来るだけ外側にある方がいい。③フレームに直接圧入されている方が良い。の3つ。



シマノは右クランクから中央のスピンドルまでの剛性は高いものの、左クランクをハースカップリングで取り付けているところが弱点となっているのは広く(?)知られているところ。左右クランクからスピンドルをある程度一体で作り、中央でスプライン式に合体させるカンパクランクの方が最終的な剛性が高い。となると最終的に④クランクアームからスピンドルまでを完全に一体成型で作るのが一番良い。

①②③④をすべて実現させようとした結果がBB65とZEDであり、自転車の心臓が理想論で出来ているZED系クランク (あるいはZEDクランクが付いた自転車) が速くないわけないんだ。



ZED系クランクの弱点は変速性能とメンテ性といわれるけれど、実は変速性能に関しては全然悪くないんだ。

たしかに昔は確かにアレだったかもしれないけど、その昔でさえ走行性能を差し置いて差し替える必要性はあまりなかった。変速性能はどうにもシマノサイコー!という風潮があって、あたかもシマノのフルセットで揃えなきゃ変速性能は最悪だ!とか変速性能の悪い自転車=自転車全体の性能悪い!っていうかんじの風潮があるけど、別にそんなことないと思うんだよね。



というのも走っている最中は常に付きまとう回転性能に対して、変速頻度の低いフロント変速を優先する理由はほとんどないと思うからだ。

現在のZEDリングの変速性能は、シマノ・デュラエースを100だとすると95くらい。対してデュラクランクの走行性能を100とした場合、ZEDクランクのそれは130くらいだと思う。

だから変速性能においても大して変わらない変速性能のために走行性能の高いZEDクランクを採用しないというのは、理にそぐわないと思う。



695が発売直後のZED2クランクの純正チェーンリングの変速性能の悪さの解消法のひとつとして、写真のように7800系デュラエースのチェーンリングを使う事だった。わりと今でも通用する方法だと思っている。

私が店長選手権を勝ったその年は695にZED2クランクを使ってカンパのEPSで組んでいたけど、その時のチェーンリングは7800系デュラエースのユメヤリングだった。カンパのコンポに対してシマノのリングを大っぴらにアッセンブルするのは嫌だったけど、ニッチでマイナーなユメヤならバレないだろうということだった。おかげで当時は「使用してるチェーンリングは何ですか?」ってメールがかなりの数送られてきた。

2013年はまだホビーレースに出ていたこともあってか、年間で13戦9勝2位3回3位1回という成績だった。世間的にカンパのEPSはデュラエースより変速性能が悪いとされるけど、仮にスプリントレースであったとしても勝負の結果に影響するとは思っていない(少なくともホビーレースでは)。



メンテ性は確かに悪い。

しかし少なくとも自分でやらない人にとってはほとんど関係ない。あるいはメンテ性っていうのは、最終的に整備する人間の慣れによるところが大きいと思う。

だから機材を選ぶうえで整備性が最優先される必要は、プロチームでもない限りはあまりないんだ。


2017/7/31(Mon)
今週の水曜日はウィリエールの展示会だ。特に予定がないものだと思っていたけれど、服部産業の展示会があったか。



服部産業の展示会は火曜日から木曜日の3日間。

3日間の開催というのは展示会としては珍しくて、普通は火水か水木の2日間であることが多い。水曜日のみというのも珍しくない。

代理店の中の人は移動を含めて月曜から金曜日まで出払う事が多く、大阪の代理店が関東に来たり、関東の代理店が大阪に行ったりすると1週間まるまるコンタクトが取れないことも少なくない。

展示会シーズンでは代理店の主要スタッフは全国あっちこっちを巡っているから、ケータイに直接連絡が付く代理店と付かない代理店とで、かなりの差が出る。自転車業界はアナログなんだよね。



展示会は東京と大阪の2会場で行われることが多く、名古屋や福岡、仙台など3か所以上で行う代理店は限られている。スタッフ5~10人を3週間以上にわたって数か所移動させるコストを払えるような大規模な代理店は、自転車業界には限られているからだ。

最近は(関東地方から見ると)、大阪の代理店を中心に、神奈川で展示会を行うところも増えた。大阪から東名道で移動して首都圏で展示会を開こうとしたとき、都内までくれば移動費もかさむしは宿泊費も高いだろうし、会議場テナントや駐車場借りるのだって都内の方が高いだろう。それを横浜などで済ませてしまえば、都内で行うよりかなり安く済むはずだ。



スポーツサイクルはあまり儲かるシステムをしていない。定価、希望小売価格が値引きありきの価格設定ではないにもかかわらず、割引で売るのが当たり前となってしまったからだ。

小売店の利益率は基本的に、4割を超えるとぼったくり、3割を下回ると倒産レベルと言われている。単純計算、合格点は35%といったところだろうか。自転車業界も例外ではない。

スポーツサイクル業界の利益率から言えば、商品を定価で売って工賃もきっちり取ってギリギリ4割を超えるかどうかである。整備工賃が発生するタイプの小売店としてはかなりカツカツな数字だよね。仮にセールで15%も20%も値引いてしまえば、利益率30%というのは到底達成しえない業界なんだ。



バイクパーツはそれなりに単価も高いけど、展示面積もそれなりに必要だから、店舗面積あたりの家賃に対する商品単価はギリギリ。私はお客さん達に仕入れや利益率をしゃべるのをはばからないが、それはしゃべったところでぼったくりと思われてしまうような数字ではない(...それどころか同情すら受けるレベルだ...)からだ。

30%を守れないとなると、薄利多売を強いられる。薄利多売は言い換えるとアルバイトを採用しないと採算が合わなくなることなのだけど、整備業にとってアルバイト制は雇用側からもユーザー側からも一定の抵抗がある。



それで、製品を定価で売って工賃もきっちりとれているショップが多いかといえば、そうではない。日本人は工賃を払いたがらないという一般論は肌で感じるし、定価販売を実現できている店は首都圏では極少数だ。

商売は安く仕入れて高く売るのが理想だけど、あまり現実的ではない。自転車業界としては高く仕入れて高く売るのはダメ、高く買って安く売るのも当然ダメ。基本的に自転車業界は安く売るのが前提条件になってしまっているから、商売を存続するためには安く仕入れないといけない。昨今流行りのコンセプトストアの源流はここにある。とにかく徹底的に取扱いメーカーを絞って、大量購入大量仕入れに傾倒するんだ。

メーカーが展示受注会の時期を速めるのも、お店がコンセプトストア化するのも、原因は同じところにある。つまりは独占市場による囲い込み運動なんだね。





私は商売に対して古典的で、よく言えば理想主義をしている。

古典的な商売の考え方とはつまり、お客さんの数は最初から決まっていて、無理に増やそうとしても増えないし、無理に売ろうとしても売れないという考え方。

フリーダムでモノを買う人や年間売上高などは実は最初から決まっていて、経営者側はその理論値に近づける努力をするという事。セールをしても売れないものは売れないし、売れる商品は特に何もしなくても勝手に売れるというのが最初から決まっているという考え方だ。



理想主義と言われる理由は、ユーザーが欲しいと思ったものが他の何物にも邪魔をされずに購入できる点。店側に不良在庫として余ってしまったものはどうにか売って現金化しないといけないけど、理想主義的には店側の都合で不適合な製品を押し付けたり、セールで誘惑したりせずに、消費者が純粋に欲しいものを買わせてあげられることにある。

この”買わせてあげられる”というのが重要なポイントで、たとえばカンパニョーロが欲しい人に無理にマビックを売らなくて済むのだ。



特価品セールなどがこれの対極にあり、つまりセールってのは割り引くから不良在庫を解消してよ!って話だ。「お客さま感謝セール」なんてのは体のいい宣伝文句で、本当に良いものはセールをしなくても売れるし、セールは余ってしまってセールをしないと捌けない余りものである。 セールするにはセールされるだけの理由があるんだけど、それを感謝という言葉をつかってごまかしてるんだ。

カンパニョーロが欲しい人にマビックを売ったり、マビックを欲しがってる人にカンパニョーロを渡す理由は、常にお店側にある。 カンパニョーロが不良在庫として余っちゃったから現金化のためにマビック欲しがってる人にセールかけて押し付けたり、カンパニョーロよりマビックの方が利益率が高いから変にマビックを強く薦めたり。



つまり私は、ユーザーが欲しがっているものを店側の都合で捻じ曲げることを、最大に邪なことだと考えているんだ。



フリーダムが、可能な限り沢山のメーカーと契約したいと考えているのは、つまりお客さんたちが望んでいるものをフリーダムから提供できるようでありたいと思っているからだ。

自分が欲しいものが自分の贔屓にしている店で取り扱えない時、お客さんたちは葛藤するだろう。フリーダムで買いたいという想いと、自分が欲しいものを買いたいという想いとで。お客さんが欲しいと思っているものがフリーダムで買えるなら、そうした葛藤は産まれない。

その代償としてフリーダムは多数のメーカーと契約し、莫大なノルマを受ける。大量の不良在庫を抱えて、現金化の労力が多大なものになる。普通はそれを避けるためにメーカーを絞ってノルマを下げて、仕入れ値を下げて現金化をしやすく備えるんだけど、フリーダムは真逆をいっている。

その行動の根底は、基本的なお店の維持費や私の生計、あるいは在庫の仕入れ金額までの全てを整備工賃でまかなってしまい、どれほど大量の在庫を抱えたとしても、それを工賃からの収入でペイすることで、不良在庫の現金化の必要性そのものを無くしてしまおうというコンセプトである。



フリーダムを始めてから9年ほどになるが、まだそのコンセプトは100%達成できていない。

実は製品を一切飾らなくてもいいなら工賃だけでフリーダムが成り立つところまでは来ている。ただし、まったく物を売らなくても在庫展示が出来るところまでは来ていないのだ。

年々代理店のノルマが増える中で、取り扱いメーカーは増えたり減ったりしているものの、どちらかというとメーカー数は拡大傾向にはある。フリーダムと私の維持は工賃で捻出し、商品が売れた時の利益で在庫を拡大しているイメージであり、あと一歩ばかり足りない。





しかしこれは...夢半ばでついえることになりそうだ。おそらくもうすぐ出来なくなる。

物販は通販が主流になるからだ。

これから先、どんどん通販に抵抗のない世代が増えてきて、店は通販のショールームとなり、店頭展示は減るだろう。通販は増えこそすれ減らない。店を構えて家賃を払い、商品展示や代理店コストを請け負うセクションは無くなる。

一生懸命働いた結果が通販のショールームだなんて、バカバカしすぎてやってらんないからね。

実際に目に見えて小売店って減ったと思うんだ。商店街がシャッター街となって久しいけれど、商店街を潰したショッピングモールだって平日は閑古鳥だしテナントも空きが目立つ。当然の流れなんだよね。世の中の流れに自転車業界だけが逆らえるわけではないし、自転車業界の流れにフリーダムだけが逆らえるわけでもないんだ。



フリーダムでいえば...現段階で、工賃だけで生計が成り立つなら、リスクが高すぎる商品の展示や物販は切り離しにかかるだろうね。

商品は置かない、注文はすべて受注発注、店頭展示リスクは取らない。実際にそういう自転車ショップも増えただろう。「ウチはモノは置かねぇよ」って。でもホントは置かねぇんじゃなくて置けねぇんだ、金がないから。



毎年展示会シーズンが訪れるたびに、怖いんだ。

フリーダムから取り扱いメーカーが減ることは、時代の流れが目に見える、その第一歩だから。


2017/7/31(Mon)
ニセコクラシック

http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/07/10/082030


2017/7/31(Mon)
リデアの18-18Tデカプーリー。セラミックスピードの13-19Tと並んで市場最大級のデカプーリー。メガプーリーと呼ぶことにしよう。

一般的に偶数のプーリーは片減りするからあまりよくないとされたものだけど、ビッグプーリーの常としてチェーンを引っ張る力が弱く変速に支障をきたすのだが、リデアは歯丈を伸ばして対処するような設計になっている。高すぎる歯丈による歯離れの悪さを逆用した、逆転の発想だね。

しかしあくまで応急処置的な対処だから、別にビッグプーリーだけど変速がいい...という話ではなさそうだ。どっちかっていうと悪い方なんじゃないかな?

プーリー自体はデカければデカイほど駆動効率が良いというデータがはっきりしているから、リデアは18-18Tの最大級プーリーで駆動効率も最大級な代わりに、変速性能は最大級の悪さを我慢しないといけない...ということだろうか。



バーナーは15-15T、セラミックスピードは17-17Tや13-19T、そしてリデアは18-18T。

13-15Tや11-15Tから始まったデカプーリーの歴史は、リアカセットが巨大化したことで第2期を迎えた。

毎度おなじみ”ドイツの第三者機関”による、どのメガプーリーがベストのデータはまだ出ていない。でもそう遠くないうちに論文が上がるだろうから、注意深くチェックしていかないとね。


2017/7/31(Mon)
写真は、私が使っている工具のひとつ。

自転車整備では基本となるT型六角レンチでBETA tools の951QFシリーズ。

f:id:freedomtencho:20170703220900j:plain

951QFシリーズは何年も前に廃版になってしまったシリーズで、951シリーズの派生種。

951QFの方が少し重いので、早回しがしやすい分、若干疲れやすい。とはいえ私は男だし、握力が特筆して低いわけでもないため、951QFシリーズを愛用していた。



951QFが廃版品になってからというもの、4mmや5mmを中心に951シリーズに置き換わってきた。951QFシリーズで生き残っていたのは3mmと6mmの2サイズ。3mmはボルトの太さ的に工具が消耗するほどのトルクで締め付けることが少ないのと、6mmは単純にT型レンチの使用頻度が低いからだろう。

しかしとうとう、生き残っていた3mmが消耗し、951シリーズに置き換わる時期を迎えた。



フリーダム...もとい私の工具を手配してくれているのが、千葉県我孫子市にある原工具店。サポートではないがフリーダムの胸のロゴの1つになっていて、私が学生だった頃からお世話になっている。

f:id:freedomtencho:20170704014219j:plain

とはいえ951QFシリーズは1本4,000〜5,000円とかなり高額なレンチであり、学生の身分で一式揃える事は...少なくとも私は出来なかった。

4mmと5mmだけは951QFシリーズをかなり頑張って購入したのだが、3mm以下と6mm以上は安いL型レンチセットを使っていた。

951QFシリーズを一式セットで揃えられたのはフリーダムを始めてからのことであり、とても嬉しかった。

f:id:freedomtencho:20170703220928j:plain

基本となるT型六角レンチはBETA tools。

自分が愛用している工具でない限り整備力は落ちる。あるいは仕上がりは変わらないかもしれないが整備スピードは確実に落ちる。

自分の愛用工具でない限り、整備したくないとさえ思う。





少し寂しい話であるが、工具業界はすでに通販に駆逐されてしまっていて、店頭販売を行なう個人経営店はほとんど無くなってしまった。ユーザーが通販でポチるようになった結果、家賃を維持できる利益率で売れなくなっちゃったんだね。

アストロプロダクツやファクトリーギア、ワールドインポートツールズなどは、自転車業界でいえばセオサイクルやワイズロード、シルベストに当たるようなショップであり、原工具はサイクルフリーダムのような小規模単独の個人経営店だ。

原工具店は一応まだお店があるのだけど、よほど身近な顧客にしか対面販売を対応していなくて、通販専門店に移行してしまった。



原工具店は、ちょうどフリーダムくらいの店舗面積にガラスケースが全面に配置してあり、そこに贅沢なスペースをもって飾ってある。

ファクトリーギアやワールドインポートツールズなどの所狭しと工具が並んでいるのもまた良いけれど、ガラスケースの中に堂々と鎮座している原工具は超絶にカッコよかった。

カッコいいガラスケースの中に、高級工具がビシッ!っと飾ってある様は、男の子にとってあこがれの工具屋さんだった。





今回消耗した3mmの951QFのほかにもうひとつ、固着したネジにトルク負けしてねじ曲がってしまった細いトルクスレンチが欲しかったのだが、ひょんなことから近くのロイヤルホームセンターにBETAの工具が置いてあるという噂を耳にした。

正直言って、BETAはホームセンターに置かれるレベル(≒金額)の工具ではないため半信半疑だった。自転車でいえばスーパーレコードEPSがママチャリ量販店に置いてるような感じだろうか。

ベータは手配に1~2か月くらいかかるため、具体的に欲しい工具が店頭在庫にあるならばと、ホームセンターに赴いた。そこには確かにBETAがあった。

お目当ての工具も在庫していたため、ガラスケースから取り出してもらったのだが、一目......なんだかちょっと違う。

ベータ951は鏡面仕上げの工具なはずなのに、ホームセンターに置いてあった951(?)は梨地仕上げだった。工具の先っぽの焼き入れの仕方も違う。

仮にその辺にポンと置かれてる状態で951かどうか尋ねられたら、違うよって即答したレベルの違和感だった。



その場でググったが、BETA toolsには日本語サイトが無いためよくわからない。

最終的に、大規模なホームセンターが偽物など売っているとは考えられない、私が知らない間にマイナーチェンジしたのかもしれない、いつもはただの新聞紙にくるまれただけの状態で渡されるベータがオシャレな台紙に括りつけられていたのも時代の流れなのかなとか思い、半疑になりながらも購入した。

しかし店に帰ってパッケージを開けてみると、軸はガタガタだし、ソケットからはスライドどころかポロッと抜けちゃうしで、とてもじゃないけど使えない。別にホームセンターで買ったものを偽物だと言い張る気はないが、少なくとも本物であっても使用することは出来ないレベルだったので、結局のところ返品となった。

返品は出来た。

なぜ返品になったのかを説明するために、自分が持っている951や951QFを何本か持って行ったが、レジのおばちゃんにそこまでは問われなかった。





結局、いつも原工具店に手配してもらっていたのにもかかわらず、家から近いというだけの理由でロイヤルホームセンターに行き、ヘンテコな工具を返品するためにもういちど往復することになった。

その2往復には何の収穫もなくて、ただただホームセンターを2往復しただけ。ずいぶんな時間を無駄にした気になったし、原工具店を裏切ってしまったかのような後ろめたさを感じる結果となった。



返品して帰ってきた後、罪滅ぼしをするかのようにすぐに原工具店に電話をして、951-3とT97X-T10を手配してもらった。BETAの手配には1か月半くらいかかるのだが、二つ返事でOKした。

久しぶりに聞いた原工具のおじいちゃんの声は懐かしく、いつもと変わらない口調で応対してくれた。そして私は数時間前の自分の選択を恥ずかしく思う。

自分の大事にしているものは、自分が大事に想っている人から買う。そんなのは30歳にもなって気付くことではなく、20歳のうちに知ってるべき話なのに。


2017/7/31(Mon)
昨日入荷してきたバイブカーボンの新作、バイブエアロ。

何本かオーダーが入っているけれど、入荷はこの1本のみ。サイズも外々440mmの最大サイズ。



既存のエアロハンドルよりかなり細い。

他メーカーのエアロハンドルは上部がかなり太い。太くなればなるほどエアロ効果は高くなるのだけれど、そのかわり上ハンドルに手を置いてハンドルを握るということは出来ない。

つまり「下ハン握って頑張ってるときは速いんだから、上ハン持ちたいとか思っちゃうくらいのんびり走ってるときの文句は言うなよ」ってことなんだろう。


私はヒルクライムの時などに上ハンもって引っ張ったりはしないけど、時折握る上部が太いエアロハンドルは苦手。それでも795にエアロハンドルを採用しているのは、それだけエアロハンドルの効果が高いから。

速さのために快適さを諦めているところもあるけれど、速いことが快適さに直接つながっているところも多分にある。楽だから速いという話と同等量で速いから楽だという話が出来るため、少なくとも快適な機材ばかりを集めていても、実は快適なバイクにはならない。


2017/7/31(Mon)
全日本TT・ロード

移動日:http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/22/191350

TT:http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/23/215404

休息日:http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/24/203632

ロードレース
http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/28/015626


2017/7/31(Mon)
写真は手前から、ジップ・SLスプリント(140mm)、デダ・ゼロ100(130mm)、デダ・スーパーレジェーラ(110mm)、デダ・スーパーレジェーラのシートポスト。


基本在庫の補填分だけれど、ジップのSLスプリントの140mmはフリーダム初在庫。

海外通販では買うことが出来たけれど、国内販売ではおそらく初。ダートフリーク時代は不可であり、インターマックスにはかなり無理言って輸入してもらった。

別に誰が注文したというわけではないが国内初の正規品。国内正規品の140mmが欲しい人も日本に1人か2人はいるだろう。



デダのハンドルステムは、ゼロ100、スーパーゼロ、スーパーレジェーラの3種がある。

どれも値段はそれほど変わらないので、グレード違いというより設計違いと捉える方が適切だ。

スーパーレジェーラはかなり軽い反面、剛性は低くてプロシーンではほとんど使われない。ゼロ100では過剛性な人、つまり一般ライダー向け。

逆にゼロ100はプロ御用達の高剛性ステム。特に130mm以上になれば、剛性が無いとすぐにたわむから一般ライダーであっても130mm以上になる場合は剛性優先で買うのがオススメ。まぁ...130mmステムが使える人は一般ライダーの中でもかなり強い人でしょ...というのは矛盾してるかもしれないけど。



スーパーレジェーラは軽量性、ゼロ100は剛性、ではスーパーゼロはというと...実はフリーダムでは販売実績がないからわからない。シートピラーは、ハンドルステムにゼロ100を使う人が選ぶからチョコチョコ売れるんだけど、スーパーゼロのステムは全く売ったことが無い...。

スーパーゼロのハンドルは、上部に思いっきりデカデカと「SUPERZERO」って書いてあるんだけど、「R」の部分がもろにステムクランプで隠れてしまうため、デザイン的にピンとこない。つまりデザイン面でスーパーゼロのハンドルが選ばれないから、ステムもスーパーゼロがなかなか選ばれないんだと思う...。


...っていうふうに私が接客の時にしゃべってしまうから、お客さんも「あーたしかに...」とかなんとか言ってスーパーレジェーラにしたりゼロ100にしたり、あるいは別のメーカー買ったりする。スーパーゼロが良い理由よりも、スーパーレジェーラやゼロ100じゃダメな理由が希薄なんだよね。

メーカーが自由に選べる私たちアマチュアは、別にデダじゃないといけない理由はないし、スーパーゼロじゃなきゃいけない理由も薄いし、エアロハンドルというジャンルはジップがかなり強い。

デダそのものはブランド力が非常に高いから、どうしてもデダが良くて、かつエアロハンドルがいい!って人はスーパーゼロになるんだろう。どうしてもデダがいい!っていう理由は私もよくわかるけど、今のところそういう人はフリーダムに現れていないんだ。


2017/6/18(Sun)
ルックからサポート品が送られてきた。

ボトル4本と、ペダル、796のひじパット、795のステムのゴムカバー他。

来週の日本選手権でボトルを投げちゃうだろうけど、その時紛失したり破損したりする可能性があるから。自転車が2016年式なのでペダルも2016年式のもの。



サポートライダーであることは部分的には誇らしい事であるのだけど、一方で「自分には本当にサポートされるだけの価値があるのか?」という問いには常に悩まされ続ける。

今回のサポート品だって何万円もするわけだし、その宣伝広告に見合うだけの行動が果たして自分に出来るのかはほとほと疑問である。なぜなら宣伝広告というのは成果が数字で表せないから、客観的な評価が出来ないんだ。自分で自分を評価するとき、そしてそれがプラスの評価であるときは、かなりの自信が必要だ。

ルックからのサポートは今まで通算で何十万という金額になるわけだけど、「自分には何十万円分の宣伝広告費に見合うだけの価値があります!」と主張するには...なかなか自分からは言えないものだ。



レースで勝った報告をするときは良いけれど、たいていは負けているから、負けた時に報告をするのは申し訳なさが先行してアレ。もうね、レースで負けた日の翌日にする電話報告というのは、本当にアレ。「また今週も負けちゃった...あーぁ、ルックになんて言おう...」みたいなアレ。

E1だって速い人は速いからさ、そんなにポンポン勝てないもん。

だからせめて勝つときは美しく完璧に勝ち、負ける時は潔くかっこよく負けたい。勝てればなんでもいいとは思わないし、「勝利こそすべて」という風に考えるようになったのはサポートライダーになってからのこと。勝つことが最大の宣伝ではあるけれど、セコく勝ったらダメなんだ。

ちなみにフレームはサポートではない。確かに毎年買い替えてはいるけれど、あれは全て実費で買ってるもの。仮にルックがフレームくれると言ったとしても、私は断ってしまうだろうね。



昨年にサポートされていたヨネックス。

サポート期間が終わって、今年のカラーに塗り替えて、今はお店の展示車になった。


ちなみにサポートライダーのサポートされている製品のインプレは...あまり信じない方がいい。けなしちゃダメとか、悪い部分を言っちゃダメとか、メーカーに都合の悪いことは行っちゃダメとか、いろいろ誓約があることがほとんどだ。

例えばカヴェンディッシュって、かなり機材にうるさいって噂でしょう?ヨーロッパのトッププロシーンからはるか遠い島国の日本のアマチュアにも流れて来るくらいなんだからその噂は本当なんだと思う。

でもアイツのインプレは「このバイクは最高だ!」しか言わないよね。つまりカヴェンディッシュは...ちゃんとしたプロってことなんだ。



好きなことぶっちゃけてる様は、ぶっちゃけられてる人は面白いかもしれないが、プロではない。

とある代理店の人に「イワサ店長のインプレは他人として読む分には面白いけど、自分の会社で扱ってるメーカーをインプレしてもらうのは怖いね」って言われたことがある。

私が各メディアにインプレを載せる時は「私のインプレには一切の脚色は加えずに、私が提出した文言をそのまま載せる事」という条件をあらかじめ出している。だから最近はほとんどメディア媒体に呼ばれないし、昔サイスポの特集記事に使って貰っていたのは、常に岩田元編集長が私を守ってくれていたからなんだ。

機材や宣伝広告費をサポートされたら、思ったことを思ったように伝えることは難しくなる。だからサポートされない方がいい面も多分にある。大事な部分を伏せて、思ってもいないことを載せられて名前だけ使われるのなんてまっぴらゴメンだからね。

私がブログやHPで自由奔放にけなしているのは、自分でちゃんとお金払って買ってるからなんだ。



ダメなところはダメっていうからこそ、良いといったときに説得力がある。それこそ勝てば何でもいいわけではないように、載れば何でもいいというわけではない。

サポートされているルックやヨネックスは他社に比べても性能がかなり高いから...つまり本心でけなさずに済んで本当に良かったと思っているし、これから先はあまり機材サポートは受けないつもりでいる。




~裏ブログより転載~


2017/6/14(Wed)
【那須ロードレース】


朝起きて、体の調子がいい。昨日と打って変わって筋肉の力みも気持ちよく入るし、頭も冴えている。

朝風呂に入った後、おもむろに体重計に乗ると74kgとな。

「ハイッ?!」「そんななわけあるかいな!」「どんなにメシ食っても71kgじゃ!」「昨日そんなに食っとらんわ!」などと思いながらも、恐るおそる体の皮を摘まむ。

旅館の体重計はバネがダメになっていて体重が重く表示されることが多いが、この旅館の体重計も例にもれず…か。でももしホントに74kgだったら今年は終わったな…とか思いつつ、なんとなく自信を喪失しながら宿を発つ。これからは遠征先の体重計には乗らないようにしよう。



土曜日のクリテリウムは土砂降りの中で走ったため、シューズは最大限にウェット。部屋に備え付けのドライヤーや新聞紙もなかったため、昨日のまま。170g程度のジロ・エンパイアSLXがいつも履いている革靴並みに重く、こりゃけっこうマズいなとか思う。

ひねり出した苦肉の策「キャリアに乗ってるバイクにビンディングハメて、ブワァーーーっと走ればそれなりに渇くんじゃないか作戦」が結構うまくいった。宿から会場までがそれなりに距離があったのも幸いしたのかもしれない。



事前にコースを試走しなかったため、どんなコースかはわからない。2年前に日本選手権が行われたコースを一部使用…とあったのだけど、一部じゃわかんないし、しかもそこを登るのか下るのかとか、登りめっちゃキツイとかそうでもないとか、情報がかなり錯綜している。結局試走をしてみると、全日本と同じ下りを下りながら途中で左折し、まったく別のところを登ってゴールするコースだった。


試走して1つ目の感想は、スタート直後にポジションを上げるところが全然無いこと。

特にスタート直後の下りは踏まないと速度が伸び切らないような微妙な斜度であり、そこからの左折も先頭はブレーキ要らず、後続は要ガッツリ。スタート直後にみんな元気な状態でこんなコーナー突っ込んだら落車リスク高すぎじゃないか!というレイアウトだった。正直言って、今回ばかりは並んで先頭からスタートしようかと迷ったくらいだった。

2つ目は、最後の坂はおそらくかなりきつい、ということ。

最後の登坂は5%くらいでダラダラと登っているが、レースの最終局面でスピードが上がっている時に、私の体格ではちょっと大きすぎるんじゃないかと感じた。

前評判ではコース難易度は低いとか言われていたがそれは単に斜度が緩いだけであり、最終周の最後の緩斜面ではおそらく一列棒状でかなり高い速度で登坂しながら、そこから飛び出せるかどうかが問題となる。私よりもう少し体重の低い65kgくらいのパンチャー系スプリンターに分がありそうで、集団内ではかなり脚力順に比例した着順になりそうだ、などと。

試走による2つ直観は、今振り返ってみてもE1やP1の状況を観るに正解だったと思う。


緑イナーメのピットに用事があったので顔を出す。再来週の日本選手権は一人淋しく遠征するので補給サポートを頼みにいったんだけど、さらにそこでローラー台を借りてアップさせてもらった。

実は今回、クルマを止めた駐車場がスタート地点からすごく遠かった。イナーメピットでウォーミングアップをすることは予定になかったが、スタート地点からピットが遠ければ遠いほど不安になるので、ウォーミングアップ的にも精神的にもかなり助かった。本当にいつも良くしてくれて、長野に脚向けて寝れない。




レースは最後尾から。かなりはやい時間帯から列が出来ていたらしいが、そりゃ私がスタートに並ぶかどうかを迷うくらいだからな。

スタート最後尾の私の真後ろには、ディレクター、コミッセールカー、同伴バイクが集まっているので、「最初の下りからのコーナーカーブで落車事故が起きたら、おそらくそれだけで後続はレースが終わってしまう可能性が高いので、ニュートラル入れてください」と頼んで回る。

※実際にP1では1周目の下りからの左折で大落車があってレースが中断した。

「大丈夫です」という一言によって精神的に少しホッとした後に応援のイシダさんが寄ってきてくれて、いつもはレース後にくれるコーラをレース前に貰う(レース後にも貰った)。レース前に飲むコーラもいいな。

最後尾はけっこう目立つ位置なので、スタート前の声援も多い気がする。あとは行くのみ。



スタートしてからずっと下り。集団後方はブレーキを掛けながらのダウンヒルでありストレスフル。基本左回りなので右側に陣取って走る。コーナーで集団が左に寄った時に右から上がる。少し左に曲がるようなカーブで何人か抜けるかと思ったら、右側が砂利だらけでビビる。下り終わりからの左折までは、案の定ほとんどポジションが上げられなかった。

ダウンヒル左折後に少しだけ登るため、下りの勢い余って横いっぱいに広がった集団を前に、抜くスペースが無い。しかしその後緩く左に旋回しながら進む田んぼ道が向かい風だったことから集団が少しずつ縦長に形を変えながらイン側に寄っていき、ついにアウト側がバイク1台分開けた。

まさに神が導く標のごとく光輝いたラインが生まれ、レースの重要ポイントとなる坂の手前で先頭に出ることが出来た。チームメイトのダイゴが最右から2番目のラインを走っていた。最右ラインだったら先頭まで連れていってやれたので惜しかった。先頭まで上がるとサイトウさんもいて、同じジャージを着ているチームメイトと一緒にレースを出来ることが嬉しかった。

先頭に出たタイミングは登りセクションに入る直前で、坂でまだワチャワチャするはず。それに私はまだ突発的に先頭に出ただけなので、それまで先頭を走っていた選手にとって、いきなり現れたばかりの私は「なんだコイツ?」状態。くわえて登ってすぐ下るようなレイアウトだから、下り勾配がプラスに転じた時のポジションこそが真のポジション。まだ油断できない。

登って下って左折して、登り返してダンシングを初めて先頭から2番手。ここでようやくホッとする。さぁレースはここからだ。



コースは、スタートから2kmを一気に下ったあとに左折。左折後は2分ほど何もなし、左折してキュッとした登り、キュッと登ってキュッと下って左折後ダッシュ。最後はゴールまで1.2kmをダラダラ登る。

だからキュッとした登りでのポジションが、キュッと下ってダラダラ上った先にあるスタート地点を通過してダウンヒルが終わるまでずっと続く。下り後の左折の後にポジションを下げないようにしていれば、あとはジェットコースターのように安定した順番でずっと走り続けることができる。

キュッと上る坂の手前とゴール前のダラダラした坂がずっと向かい風なので、「何もない向かい風」の区間でポジションが埋もれないように気をつけるだけ。

向かい風でペースが上がらないという状況を知らない選手たちが、坂の入口を先頭付近で通過したいと上がってきてローテごとポジションをかぶせようとしたときだけ、ペースを上げる。

前で走っている人たちは、後ろから上がってくる人たちのことをよく見ているから、皆申し合わせたようにペースを上げる。



1~3周目は特に何もなく。

3周目が終わるゴール地点で、ローテの順番的に少し頑張って引き続ければスタートゴール地点を先頭で通過できそうだったので少し長めに踏んでいたのだが、湾岸ユナイテッドのひとりが先頭集団から5mくらい左前を一人で走ってきて2番手通過になってしまい、実況にフリーダムの名を呼んでもらえなかった。



レースが動いたのは4周目。キュット坂の手前で一気に速度が落ちる。

あーこれは坂でかかるな…という雰囲気とともに戦闘開始。対応が遅れないためには自分から真っ先に踏み込むこと。キュッと登ってキュッと下って左折してダッシュ。後ろは中切れ。前はダラダラと登る坂から吹き降ろす向かい風によって、少し踏み足が緩む。

後ろが中切れていて、飛び出た十数名が緩む中で、グイッと踏み込めば、けっこうな確率で逃げが出来そうだと思って、緩む先頭集団を横に飛び出す。ここだ!と思って踏み込んだのだが、ついてきたのは弱虫ペダルの1人とブラウの計2人だけ。

後ろの集団は特にアタックを見送ったわけではなく、単に坂頂点からの踏み遅れで出来た中切れなので、後続は鬼の形相で襲ってくる。結局そのスピードを超えて飛び出せなかったので、メイン集団(?)にゴッソリ飲み込まれてしまった。

決まると思って飛び出たわけだけど、中切れた集団が追ってきたペースを見るにこの飛び出しが決まる確率は低く、今思うとあまり冷静だったとは言えない。



4周目の速度の変化が大きかったので、5周目以降はピリピリとする。レース後半ということもあるし、先頭付近にも息切れしたりフォームが崩れ始めている選手が現れ始めた。

5周目のダウンヒルに入るまでの区間をアーティファクトレーシングの3名で先頭をローテーションしている。E1ではめったに見れない光景が非常にかっこいい。

アタックされないように集団をコントロール…とまではいかないが、それでも3名揃えて先頭にいられるチームは強い。私はアーティファクト3名の真後ろとなる4番手にいたのでスーパー安全地帯で下り区間に突入するとともに、いずれフリーダムジャージだけで先頭ローテーションをしたいなぁとか思う。

余談だがチームメイトのダイゴはこの那須ロードで上位3分の1までは上がってこれたらしい。上位6分の1くらいまでくれば先頭付近で展開出来るだろうから、もうちょっとだ。


5周目と6周目のダウンヒルは完全な先頭で坂を下る。後ろ選手がどんどん捲ってくるから、ぼやぼやしていると集団の中ほどまで引きずりこまれてしまう。逃げるためではなく下り終わりの左折に対する危険回避のため。74kgが坂をクラウチングポジションで下れば、漕がなくても勝手に集団から飛び出る。



6周目最終周。下って左折して1番手。平坦を左折して4~9番手。キュッと登って下って左折して9番手。

かなり番手を意識しながら作ったポジションだが、少しポジションが高すぎるなとは感じた。「残り1.2km程度で9番手」という部分だけ見れば素晴らしい位置なのだが、登り勾配であるとともに向かい風である。

前8人は思っていたより早い段階で崩壊し、残り500mの時点で先頭に露出してしまった時点で、私の優勝のチャンスはなかった。

まだまだスプリントが出来るような距離じゃないところで目の前のトレインの最後のひとりのパワーが下がる。そのまま一緒にパワーダウンするわけにいかないし、そんなことしたら次のレースから前を走らせてくれなくなっちゃうので、引けるところまで引いたところで今回の那須ロードは終了。




群馬はポジション取りが後方すぎてうまくいかず、那須は前方すぎて先頭の露出が速かった。う~ん…なかなか上手く嚙み合わないなぁ。

例えば私の前にサノチヒロがいれば私をスプリントまできっちり連れて行ってくれただろうし、私の後ろにカザマがいればラスト250m地点まで連れてけば勝ってくれただろう。3年前はそうやってフリーダムが勝っていた。


私が予定よりはやく集団先頭に露出してしまいそうなピンチを感じたダイゴやサイトウさんが、ポジションのシャッフルのためにアタックとかしてくれたらいいのになぁとか思いながら、まだまだ単騎で優勝を掴むのが難しいレベルであることを証明したレースとなった。

ただし、マツキさんやシマダさんなどは単騎で参戦しながらも1位や3位を獲っている。最後のスプリントに向けてポジション争いで集団がワチャワチャしている中で、かたや私がポジション取りに失敗し、かたや冷静に正解を見つけている2選手は、E1内において明確に私より格上なのを証明している。




レースの最終局面は上手くまとまらなかったが、レース全体としてはかなり余裕をもってこなしていたと思う。

昔は勝つのであれ負けるのであれ、足が攣ったり攣りそうな気配がしたり、パワーダウンしたり心肺が悲鳴を上げたりと満身創痍でレースを終えていたが、前回の群馬も今回の那須も余力はかなり残っていた。

ダウンがてらにローラー台に乗った瞬間「今日はダウン要らないや」って思ったし、「これからもう1回レースしようぜ!」とか「レースがあと4周あればな…」とか思うことができるようになったのは、全体的な力が上がっていると評価してよいと思う。仮にE1が評価基準であるとすれば、だけど。


次は青森での日本選手権。

ロードは広い下り坂をワァーっと下ってから、いきなりグイッとUターンして細い登りを登っていくコースレイアウトらしい。コンチネンタルチーム勢が前を固めてしまうので、正直瞬殺される気しかしないのだが、やれるだけやってみよう。





2017/6/12(Mon)
【那須クリテリウム】


ウォーミングアップはローラー台にて行う。20分ほどローラーに乗ると一気に踏めるようになるのが通例だが、今日はなかなかやる気やモチベーションが上がらずに眠気とだるさが解消せず、いつまでたっても体に軽さを感じない。


なかなか「よしやるぞ!」「勝ってやるぞ!」という気にならないので、とりあえずローラーをやめて自走によるウォーミングアップへと切り替える。あるいはクルマのスリップを使って第三者に引っ張られながら無理やり走ろうということで、先に検車と出走サインをしに大会本部まで行く。



検車とサインを終えると、レーススタートまでまだ1時間近くあるにもかかわらずスタート順番待ち待機で長蛇の列。とてもじゃないけど一緒に並んで体の準備をしないなんてありえない。

ちょうどよいところにパナマレッズのナカイ君とTEAM-GIROのヤマダさんを発見したのでウォーミングアップに誘って外へ出る。レーススタートまであと50分。余裕をもってもまだ30分のウォーミングアップが出来るため、公道にて片道15分ほどの自走にいく。


那須高原駅から西那須野塩原インターまで行き帰ってくる。

各自の好きな速度、好きな時間、好きな出力で先頭を引くこととしながらも、向かい風では42km/h、追い風では48km/hほどだったか。最後に少しだけ踏んでみようかなと思うまでに至ったが、赤信号に水を差されて、筋肉に喝を入れることも、心拍に刺激を入れることも、心のモチベーションを上げることも出来なかった。原因はどこにあるのだろうか。

付き合ってくれた2人には感謝する。一緒に行こうと誘いながらも、ほとんど自分のためだった。2人にも良いウォーミングアップをなってくれたことを祈って。



レースは最後尾から。並んでいないからね。

並べば前方からスタートできる代わりに、並ばなければリラックスしてウォーミングアップが出来る。

チームメイトに並んでもらったり代車を置いておいたりしている人もいるし、特にそれがダメだとは思っていないけど、自分ではやらないようにしている。



コースレイアウトとしては先頭では減速の必要がない90度コーナーが2つと、ほぼゼロ速度まで落ちる180度コーナーが3つあるため、先頭に出るまでにそれなりに時間がかかると想定。長く後続にいるとダメージを負うだろう。多少踏みながらも最々序盤のうちにしっかり先頭へ出ることを第一目標とし、2周回のうちに先頭へ上がることを心掛ける。

スタートして90度コーナーを過ぎ、180度コーナーからのダッシュ。その後の600mほどあるコース最長のストレートのうちの300mほどで、アウト側に寄っていった集団に対してイン側から先頭に出る。そのままイン側で180度コーナーに突っ込み、そのままローテにジョイン。



2周は必要かと思われた先頭までの道のりは、以外にもあっさりと半周で達成する。この時点では、「アレ、そんなに踏めてなくないのかな?」とか思う。

とりあえずウォーミングアップとして先頭付近に陣取ってダッシュを繰り返し、並行作業としてダッシュに必要な出力や、出力を上げている時間などの集団内の流れを把握しに行く。しかし2~3周するも一向に心拍が上がってこず、最終的にレース終了後まで上がることは無かった。


レースは基本的に弱虫ペダルチームを中心にちょっとした飛び出しが続いていた。とはいえ集団の速度は約55km/hほどで安定していて自力で逃げられる速度ではなく、かつ集団に逃げを容認するような雰囲気には感じられない。

弱虫ペダルの選手らもまともに逃げようとしているようには見えなくて、アタックしてから後方確認で振りかえるまでがはやく、本当にちょっとした小突きあい程度。だからローテーションの1~3番手で後方から飛び出されてもわざわざ出力を変えて対応しなければいけないようなものではない。シッティングによる巡行からダンシングダッシュへの移行は常に身構えるようにはしていたが、危険に見える動きはなかった。



3~4周もすると自分が勝てるイメージがほとんど浮かばなくなる。

基本的に逃げ集団とは、逃げたい逃げ集団と逃がしたいメイン集団の思惑が一致しなければ生まれない。例えば55km/hで走っているとしたら、逃げたいメンバーが60km/hに上げて、逃がしたいメイン集団が50km/hほどに落としてくれるとか、そういった速度の変化がないかぎり逃げは容認されない。

先頭付近において積極的な動きを見せているチームは弱虫ペダルが5枚で横綱。次点でアーティファクトレーシングが大関。今回のリンク東北は人数が少ないことから関脇クラス。半沢さんも自ら動く回数は決して多くなかった。

この3チームのうち最低でも2チームが入ってくれない限り、メイン集団から逃げ容認のサインは出ないと考えるのが自然。逃げ集団が形成される条件としては、有力な3チームが揃った逃げに、有力単騎勢が2~4名を加えた5~7名の逃げに対して、残された1チームが集団を統制して追う状況になること。そうでないと逃げ集団とメイン集団の速度が釣り合わない。


フリーダムからは私が単騎出走。仮に私が逃げ集団に加わろうとしたとき、①メイン集団内に私の逃げを容認するメンバーがいない、②カウンターに備えてくれるチームメイトがいない、という2点から主導的にアタック出来る立場にない...メイン集団に対して訴えかける条件を持っていない。

だからあらかじめ有力3チームから2~3枚が揃っている状態で、単騎選手を1~2枚連れて追走し、かつブリッジを成功させて4~5名の逃げを形成し、有力チームからメイン集団に対して逃げ集団を容認するよう促してもらわないといけない。



しかしなかなかそういうシチュエーションが生まれない。逃げを作るアタックに対してメイン集団がそれを潰しに行くまでがはやすぎて、とにかく「逃げはすべて潰す!」みたいな雰囲気がある。時には同チーム内での潰しあいすら散見されて「??」ということもあった。



自分が勝てるイメージが浮かばなかったというのはそういうこと。

自ら動ける条件があまりに少なく、逃げが容認されそうな動きも少なすぎた。中盤に弱虫ぺダルとアーティファクトレーシングの2枚が揃ったアタックが1回だけあったのだが、ギャップを作り切る前に集団に潰されてしまった。

あのアタックはダメ…このアタックはムリ…そんな小競り合いがずっと続き、残り周回ばかりがどんどん少なくなっていき、結局最初から最後まで何もないまま最終周回までもつれこんでしまった。

ストップ&ゴーの繰り返しで先頭集団は最終的に20名ほどまでに減っていたみたいだが、集団人数を正確に把握するまでの後方確認は出来ていなかった。しかしそれ自体はどうしても必要な重要な情報ではないので反省点とは言えない。



クリテリウムにおける最後のポジション争いがあまり好きではないのと、思ったようにブレーキコントロールが出来ていなかったため、着順争いは見送り。万が一、百万が一にも落車は避けたかった。

沿道にいるチームメイトにごめんなさいの合図をして、最後の半周は流してオシマイ。




レース中の考え方や、最後の着順争いの放棄を後から考えても、それほど反省する内容は少ないから良いのだが、残念なのはウォーミングアップを始めてからレースを終えるまで、ほとんど心肺に殺る気スイッチが入らなかったこと。

実はもともとウォーミングアップが得意ではなくて、自分で脚にスイッチを入れることが出来ない。

ちゃんと走れる、思ったように踏めるときは、朝から・自然に・勝手に・最初からスイッチが入っているときであり、今回のように最初から最後までスイッチが入らないままであることも少なくない。

レース活動を始めて5年ほどになるが、いまだにスイッチを自力でコントロール出来ないのはどうにかならないものか...。



那須ロードに続く...


2017/6/8(Thu)
バーテープを巻くときに大事なのはリズムを崩さないこと。

一つのバーテープを一定の強さで引っ張りながら一定の間隔で巻くときは、一定のリズムを守ることに注意していれば綺麗に巻けるようになると思う...たぶん。



バーテープを巻く時間を計ってみると、片側で37秒だった。

整備技術をあげようとしたら、時間を計っておくことが大事。

自転車で走るときには、例えば3km走るのに5分かかる...とか、例えば300ワットで5分持つ...とか、どんなレベルであれまずは自分の能力を把握するところか始まるように、整備もプロであれDIYであれ、何の作業で何を使って何分かかっているかを把握するところから始まる。

だって、自分がどんな風に動いているかわかっていない状態では、何をどう改善していけばいいかなんて考えられないだろう?

整備力ってのは、自分の立ち位置とか、バイクとの距離とか、目線の高さだとか、ちょっとしたところでずいぶん変わってくるもんなんだ。同じ工具を使っているのに仕上がりや作業時間に差が産まれてしまうのは、本当にちょっとした違いなんだよね...。


まずはゆっくりしっかり作れるようになること。その後に少しずつ整備のスピードを上げること。その時に、ゆっくり作った時とスピードを上げて作った時で仕上げに差が出来ないようにすること。

後はひたすらそれを繰り返す。DIYであれば100回も繰り返せば十分出来ると言えるだろうし、 1万回繰り返せばプロにだってなれるさ!


~裏ブログから転載~


2017/6/4(Sun)
お店のママチャリを新調した。

→「http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/04/194758


Page:[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21][22][23][24][25][26][27][28][29][30][31][32][33][34][35][36][37][38][39][40]

管理用
-Diary-