2017/6/18(Sun)
ルックからサポート品が送られてきた。

ボトル4本と、ペダル、796のひじパット、795のステムのゴムカバー他。

来週の日本選手権でボトルを投げちゃうだろうけど、その時紛失したり破損したりする可能性があるから。自転車が2016年式なのでペダルも2016年式のもの。



サポートライダーであることは部分的には誇らしい事であるのだけど、一方で「自分には本当にサポートされるだけの価値があるのか?」という問いには常に悩まされ続ける。

今回のサポート品だって何万円もするわけだし、その宣伝広告に見合うだけの行動が果たして自分に出来るのかはほとほと疑問である。なぜなら宣伝広告というのは成果が数字で表せないから、客観的な評価が出来ないんだ。自分で自分を評価するとき、そしてそれがプラスの評価であるときは、かなりの自信が必要だ。

ルックからのサポートは今まで通算で何十万という金額になるわけだけど、「自分には何十万円分の宣伝広告費に見合うだけの価値があります!」と主張するには...なかなか自分からは言えないものだ。



レースで勝った報告をするときは良いけれど、たいていは負けているから、負けた時に報告をするのは申し訳なさが先行してアレ。もうね、レースで負けた日の翌日にする電話報告というのは、本当にアレ。「また今週も負けちゃった...あーぁ、ルックになんて言おう...」みたいなアレ。

E1だって速い人は速いからさ、そんなにポンポン勝てないもん。

だからせめて勝つときは美しく完璧に勝ち、負ける時は潔くかっこよく負けたい。勝てればなんでもいいとは思わないし、「勝利こそすべて」という風に考えるようになったのはサポートライダーになってからのこと。勝つことが最大の宣伝ではあるけれど、セコく勝ったらダメなんだ。

ちなみにフレームはサポートではない。確かに毎年買い替えてはいるけれど、あれは全て実費で買ってるもの。仮にルックがフレームくれると言ったとしても、私は断ってしまうだろうね。



昨年にサポートされていたヨネックス。

サポート期間が終わって、今年のカラーに塗り替えて、今はお店の展示車になった。


ちなみにサポートライダーのサポートされている製品のインプレは...あまり信じない方がいい。けなしちゃダメとか、悪い部分を言っちゃダメとか、メーカーに都合の悪いことは行っちゃダメとか、いろいろ誓約があることがほとんどだ。

例えばカヴェンディッシュって、かなり機材にうるさいって噂でしょう?ヨーロッパのトッププロシーンからはるか遠い島国の日本のアマチュアにも流れて来るくらいなんだからその噂は本当なんだと思う。

でもアイツのインプレは「このバイクは最高だ!」しか言わないよね。つまりカヴェンディッシュは...ちゃんとしたプロってことなんだ。



好きなことぶっちゃけてる様は、ぶっちゃけられてる人は面白いかもしれないが、プロではない。

とある代理店の人に「イワサ店長のインプレは他人として読む分には面白いけど、自分の会社で扱ってるメーカーをインプレしてもらうのは怖いね」って言われたことがある。

私が各メディアにインプレを載せる時は「私のインプレには一切の脚色は加えずに、私が提出した文言をそのまま載せる事」という条件をあらかじめ出している。だから最近はほとんどメディア媒体に呼ばれないし、昔サイスポの特集記事に使って貰っていたのは、常に岩田元編集長が私を守ってくれていたからなんだ。

機材や宣伝広告費をサポートされたら、思ったことを思ったように伝えることは難しくなる。だからサポートされない方がいい面も多分にある。大事な部分を伏せて、思ってもいないことを載せられて名前だけ使われるのなんてまっぴらゴメンだからね。

私がブログやHPで自由奔放にけなしているのは、自分でちゃんとお金払って買ってるからなんだ。



ダメなところはダメっていうからこそ、良いといったときに説得力がある。それこそ勝てば何でもいいわけではないように、載れば何でもいいというわけではない。

サポートされているルックやヨネックスは他社に比べても性能がかなり高いから...つまり本心でけなさずに済んで本当に良かったと思っているし、これから先はあまり機材サポートは受けないつもりでいる。




~裏ブログより転載~


2017/6/14(Wed)
【那須ロードレース】


朝起きて、体の調子がいい。昨日と打って変わって筋肉の力みも気持ちよく入るし、頭も冴えている。

朝風呂に入った後、おもむろに体重計に乗ると74kgとな。

「ハイッ?!」「そんななわけあるかいな!」「どんなにメシ食っても71kgじゃ!」「昨日そんなに食っとらんわ!」などと思いながらも、恐るおそる体の皮を摘まむ。

旅館の体重計はバネがダメになっていて体重が重く表示されることが多いが、この旅館の体重計も例にもれず…か。でももしホントに74kgだったら今年は終わったな…とか思いつつ、なんとなく自信を喪失しながら宿を発つ。これからは遠征先の体重計には乗らないようにしよう。



土曜日のクリテリウムは土砂降りの中で走ったため、シューズは最大限にウェット。部屋に備え付けのドライヤーや新聞紙もなかったため、昨日のまま。170g程度のジロ・エンパイアSLXがいつも履いている革靴並みに重く、こりゃけっこうマズいなとか思う。

ひねり出した苦肉の策「キャリアに乗ってるバイクにビンディングハメて、ブワァーーーっと走ればそれなりに渇くんじゃないか作戦」が結構うまくいった。宿から会場までがそれなりに距離があったのも幸いしたのかもしれない。



事前にコースを試走しなかったため、どんなコースかはわからない。2年前に日本選手権が行われたコースを一部使用…とあったのだけど、一部じゃわかんないし、しかもそこを登るのか下るのかとか、登りめっちゃキツイとかそうでもないとか、情報がかなり錯綜している。結局試走をしてみると、全日本と同じ下りを下りながら途中で左折し、まったく別のところを登ってゴールするコースだった。


試走して1つ目の感想は、スタート直後にポジションを上げるところが全然無いこと。

特にスタート直後の下りは踏まないと速度が伸び切らないような微妙な斜度であり、そこからの左折も先頭はブレーキ要らず、後続は要ガッツリ。スタート直後にみんな元気な状態でこんなコーナー突っ込んだら落車リスク高すぎじゃないか!というレイアウトだった。正直言って、今回ばかりは並んで先頭からスタートしようかと迷ったくらいだった。

2つ目は、最後の坂はおそらくかなりきつい、ということ。

最後の登坂は5%くらいでダラダラと登っているが、レースの最終局面でスピードが上がっている時に、私の体格ではちょっと大きすぎるんじゃないかと感じた。

前評判ではコース難易度は低いとか言われていたがそれは単に斜度が緩いだけであり、最終周の最後の緩斜面ではおそらく一列棒状でかなり高い速度で登坂しながら、そこから飛び出せるかどうかが問題となる。私よりもう少し体重の低い65kgくらいのパンチャー系スプリンターに分がありそうで、集団内ではかなり脚力順に比例した着順になりそうだ、などと。

試走による2つ直観は、今振り返ってみてもE1やP1の状況を観るに正解だったと思う。


緑イナーメのピットに用事があったので顔を出す。再来週の日本選手権は一人淋しく遠征するので補給サポートを頼みにいったんだけど、さらにそこでローラー台を借りてアップさせてもらった。

実は今回、クルマを止めた駐車場がスタート地点からすごく遠かった。イナーメピットでウォーミングアップをすることは予定になかったが、スタート地点からピットが遠ければ遠いほど不安になるので、ウォーミングアップ的にも精神的にもかなり助かった。本当にいつも良くしてくれて、長野に脚向けて寝れない。




レースは最後尾から。かなりはやい時間帯から列が出来ていたらしいが、そりゃ私がスタートに並ぶかどうかを迷うくらいだからな。

スタート最後尾の私の真後ろには、ディレクター、コミッセールカー、同伴バイクが集まっているので、「最初の下りからのコーナーカーブで落車事故が起きたら、おそらくそれだけで後続はレースが終わってしまう可能性が高いので、ニュートラル入れてください」と頼んで回る。

※実際にP1では1周目の下りからの左折で大落車があってレースが中断した。

「大丈夫です」という一言によって精神的に少しホッとした後に応援のイシダさんが寄ってきてくれて、いつもはレース後にくれるコーラをレース前に貰う(レース後にも貰った)。レース前に飲むコーラもいいな。

最後尾はけっこう目立つ位置なので、スタート前の声援も多い気がする。あとは行くのみ。



スタートしてからずっと下り。集団後方はブレーキを掛けながらのダウンヒルでありストレスフル。基本左回りなので右側に陣取って走る。コーナーで集団が左に寄った時に右から上がる。少し左に曲がるようなカーブで何人か抜けるかと思ったら、右側が砂利だらけでビビる。下り終わりからの左折までは、案の定ほとんどポジションが上げられなかった。

ダウンヒル左折後に少しだけ登るため、下りの勢い余って横いっぱいに広がった集団を前に、抜くスペースが無い。しかしその後緩く左に旋回しながら進む田んぼ道が向かい風だったことから集団が少しずつ縦長に形を変えながらイン側に寄っていき、ついにアウト側がバイク1台分開けた。

まさに神が導く標のごとく光輝いたラインが生まれ、レースの重要ポイントとなる坂の手前で先頭に出ることが出来た。チームメイトのダイゴが最右から2番目のラインを走っていた。最右ラインだったら先頭まで連れていってやれたので惜しかった。先頭まで上がるとサイトウさんもいて、同じジャージを着ているチームメイトと一緒にレースを出来ることが嬉しかった。

先頭に出たタイミングは登りセクションに入る直前で、坂でまだワチャワチャするはず。それに私はまだ突発的に先頭に出ただけなので、それまで先頭を走っていた選手にとって、いきなり現れたばかりの私は「なんだコイツ?」状態。くわえて登ってすぐ下るようなレイアウトだから、下り勾配がプラスに転じた時のポジションこそが真のポジション。まだ油断できない。

登って下って左折して、登り返してダンシングを初めて先頭から2番手。ここでようやくホッとする。さぁレースはここからだ。



コースは、スタートから2kmを一気に下ったあとに左折。左折後は2分ほど何もなし、左折してキュッとした登り、キュッと登ってキュッと下って左折後ダッシュ。最後はゴールまで1.2kmをダラダラ登る。

だからキュッとした登りでのポジションが、キュッと下ってダラダラ上った先にあるスタート地点を通過してダウンヒルが終わるまでずっと続く。下り後の左折の後にポジションを下げないようにしていれば、あとはジェットコースターのように安定した順番でずっと走り続けることができる。

キュッと上る坂の手前とゴール前のダラダラした坂がずっと向かい風なので、「何もない向かい風」の区間でポジションが埋もれないように気をつけるだけ。

向かい風でペースが上がらないという状況を知らない選手たちが、坂の入口を先頭付近で通過したいと上がってきてローテごとポジションをかぶせようとしたときだけ、ペースを上げる。

前で走っている人たちは、後ろから上がってくる人たちのことをよく見ているから、皆申し合わせたようにペースを上げる。



1~3周目は特に何もなく。

3周目が終わるゴール地点で、ローテの順番的に少し頑張って引き続ければスタートゴール地点を先頭で通過できそうだったので少し長めに踏んでいたのだが、湾岸ユナイテッドのひとりが先頭集団から5mくらい左前を一人で走ってきて2番手通過になってしまい、実況にフリーダムの名を呼んでもらえなかった。



レースが動いたのは4周目。キュット坂の手前で一気に速度が落ちる。

あーこれは坂でかかるな…という雰囲気とともに戦闘開始。対応が遅れないためには自分から真っ先に踏み込むこと。キュッと登ってキュッと下って左折してダッシュ。後ろは中切れ。前はダラダラと登る坂から吹き降ろす向かい風によって、少し踏み足が緩む。

後ろが中切れていて、飛び出た十数名が緩む中で、グイッと踏み込めば、けっこうな確率で逃げが出来そうだと思って、緩む先頭集団を横に飛び出す。ここだ!と思って踏み込んだのだが、ついてきたのは弱虫ペダルの1人とブラウの計2人だけ。

後ろの集団は特にアタックを見送ったわけではなく、単に坂頂点からの踏み遅れで出来た中切れなので、後続は鬼の形相で襲ってくる。結局そのスピードを超えて飛び出せなかったので、メイン集団(?)にゴッソリ飲み込まれてしまった。

決まると思って飛び出たわけだけど、中切れた集団が追ってきたペースを見るにこの飛び出しが決まる確率は低く、今思うとあまり冷静だったとは言えない。



4周目の速度の変化が大きかったので、5周目以降はピリピリとする。レース後半ということもあるし、先頭付近にも息切れしたりフォームが崩れ始めている選手が現れ始めた。

5周目のダウンヒルに入るまでの区間をアーティファクトレーシングの3名で先頭をローテーションしている。E1ではめったに見れない光景が非常にかっこいい。

アタックされないように集団をコントロール…とまではいかないが、それでも3名揃えて先頭にいられるチームは強い。私はアーティファクト3名の真後ろとなる4番手にいたのでスーパー安全地帯で下り区間に突入するとともに、いずれフリーダムジャージだけで先頭ローテーションをしたいなぁとか思う。

余談だがチームメイトのダイゴはこの那須ロードで上位3分の1までは上がってこれたらしい。上位6分の1くらいまでくれば先頭付近で展開出来るだろうから、もうちょっとだ。


5周目と6周目のダウンヒルは完全な先頭で坂を下る。後ろ選手がどんどん捲ってくるから、ぼやぼやしていると集団の中ほどまで引きずりこまれてしまう。逃げるためではなく下り終わりの左折に対する危険回避のため。74kgが坂をクラウチングポジションで下れば、漕がなくても勝手に集団から飛び出る。



6周目最終周。下って左折して1番手。平坦を左折して4~9番手。キュッと登って下って左折して9番手。

かなり番手を意識しながら作ったポジションだが、少しポジションが高すぎるなとは感じた。「残り1.2km程度で9番手」という部分だけ見れば素晴らしい位置なのだが、登り勾配であるとともに向かい風である。

前8人は思っていたより早い段階で崩壊し、残り500mの時点で先頭に露出してしまった時点で、私の優勝のチャンスはなかった。

まだまだスプリントが出来るような距離じゃないところで目の前のトレインの最後のひとりのパワーが下がる。そのまま一緒にパワーダウンするわけにいかないし、そんなことしたら次のレースから前を走らせてくれなくなっちゃうので、引けるところまで引いたところで今回の那須ロードは終了。




群馬はポジション取りが後方すぎてうまくいかず、那須は前方すぎて先頭の露出が速かった。う~ん…なかなか上手く嚙み合わないなぁ。

例えば私の前にサノチヒロがいれば私をスプリントまできっちり連れて行ってくれただろうし、私の後ろにカザマがいればラスト250m地点まで連れてけば勝ってくれただろう。3年前はそうやってフリーダムが勝っていた。


私が予定よりはやく集団先頭に露出してしまいそうなピンチを感じたダイゴやサイトウさんが、ポジションのシャッフルのためにアタックとかしてくれたらいいのになぁとか思いながら、まだまだ単騎で優勝を掴むのが難しいレベルであることを証明したレースとなった。

ただし、マツキさんやシマダさんなどは単騎で参戦しながらも1位や3位を獲っている。最後のスプリントに向けてポジション争いで集団がワチャワチャしている中で、かたや私がポジション取りに失敗し、かたや冷静に正解を見つけている2選手は、E1内において明確に私より格上なのを証明している。




レースの最終局面は上手くまとまらなかったが、レース全体としてはかなり余裕をもってこなしていたと思う。

昔は勝つのであれ負けるのであれ、足が攣ったり攣りそうな気配がしたり、パワーダウンしたり心肺が悲鳴を上げたりと満身創痍でレースを終えていたが、前回の群馬も今回の那須も余力はかなり残っていた。

ダウンがてらにローラー台に乗った瞬間「今日はダウン要らないや」って思ったし、「これからもう1回レースしようぜ!」とか「レースがあと4周あればな…」とか思うことができるようになったのは、全体的な力が上がっていると評価してよいと思う。仮にE1が評価基準であるとすれば、だけど。


次は青森での日本選手権。

ロードは広い下り坂をワァーっと下ってから、いきなりグイッとUターンして細い登りを登っていくコースレイアウトらしい。コンチネンタルチーム勢が前を固めてしまうので、正直瞬殺される気しかしないのだが、やれるだけやってみよう。





2017/6/12(Mon)
【那須クリテリウム】


ウォーミングアップはローラー台にて行う。20分ほどローラーに乗ると一気に踏めるようになるのが通例だが、今日はなかなかやる気やモチベーションが上がらずに眠気とだるさが解消せず、いつまでたっても体に軽さを感じない。


なかなか「よしやるぞ!」「勝ってやるぞ!」という気にならないので、とりあえずローラーをやめて自走によるウォーミングアップへと切り替える。あるいはクルマのスリップを使って第三者に引っ張られながら無理やり走ろうということで、先に検車と出走サインをしに大会本部まで行く。



検車とサインを終えると、レーススタートまでまだ1時間近くあるにもかかわらずスタート順番待ち待機で長蛇の列。とてもじゃないけど一緒に並んで体の準備をしないなんてありえない。

ちょうどよいところにパナマレッズのナカイ君とTEAM-GIROのヤマダさんを発見したのでウォーミングアップに誘って外へ出る。レーススタートまであと50分。余裕をもってもまだ30分のウォーミングアップが出来るため、公道にて片道15分ほどの自走にいく。


那須高原駅から西那須野塩原インターまで行き帰ってくる。

各自の好きな速度、好きな時間、好きな出力で先頭を引くこととしながらも、向かい風では42km/h、追い風では48km/hほどだったか。最後に少しだけ踏んでみようかなと思うまでに至ったが、赤信号に水を差されて、筋肉に喝を入れることも、心拍に刺激を入れることも、心のモチベーションを上げることも出来なかった。原因はどこにあるのだろうか。

付き合ってくれた2人には感謝する。一緒に行こうと誘いながらも、ほとんど自分のためだった。2人にも良いウォーミングアップをなってくれたことを祈って。



レースは最後尾から。並んでいないからね。

並べば前方からスタートできる代わりに、並ばなければリラックスしてウォーミングアップが出来る。

チームメイトに並んでもらったり代車を置いておいたりしている人もいるし、特にそれがダメだとは思っていないけど、自分ではやらないようにしている。



コースレイアウトとしては先頭では減速の必要がない90度コーナーが2つと、ほぼゼロ速度まで落ちる180度コーナーが3つあるため、先頭に出るまでにそれなりに時間がかかると想定。長く後続にいるとダメージを負うだろう。多少踏みながらも最々序盤のうちにしっかり先頭へ出ることを第一目標とし、2周回のうちに先頭へ上がることを心掛ける。

スタートして90度コーナーを過ぎ、180度コーナーからのダッシュ。その後の600mほどあるコース最長のストレートのうちの300mほどで、アウト側に寄っていった集団に対してイン側から先頭に出る。そのままイン側で180度コーナーに突っ込み、そのままローテにジョイン。



2周は必要かと思われた先頭までの道のりは、以外にもあっさりと半周で達成する。この時点では、「アレ、そんなに踏めてなくないのかな?」とか思う。

とりあえずウォーミングアップとして先頭付近に陣取ってダッシュを繰り返し、並行作業としてダッシュに必要な出力や、出力を上げている時間などの集団内の流れを把握しに行く。しかし2~3周するも一向に心拍が上がってこず、最終的にレース終了後まで上がることは無かった。


レースは基本的に弱虫ペダルチームを中心にちょっとした飛び出しが続いていた。とはいえ集団の速度は約55km/hほどで安定していて自力で逃げられる速度ではなく、かつ集団に逃げを容認するような雰囲気には感じられない。

弱虫ペダルの選手らもまともに逃げようとしているようには見えなくて、アタックしてから後方確認で振りかえるまでがはやく、本当にちょっとした小突きあい程度。だからローテーションの1~3番手で後方から飛び出されてもわざわざ出力を変えて対応しなければいけないようなものではない。シッティングによる巡行からダンシングダッシュへの移行は常に身構えるようにはしていたが、危険に見える動きはなかった。



3~4周もすると自分が勝てるイメージがほとんど浮かばなくなる。

基本的に逃げ集団とは、逃げたい逃げ集団と逃がしたいメイン集団の思惑が一致しなければ生まれない。例えば55km/hで走っているとしたら、逃げたいメンバーが60km/hに上げて、逃がしたいメイン集団が50km/hほどに落としてくれるとか、そういった速度の変化がないかぎり逃げは容認されない。

先頭付近において積極的な動きを見せているチームは弱虫ペダルが5枚で横綱。次点でアーティファクトレーシングが大関。今回のリンク東北は人数が少ないことから関脇クラス。半沢さんも自ら動く回数は決して多くなかった。

この3チームのうち最低でも2チームが入ってくれない限り、メイン集団から逃げ容認のサインは出ないと考えるのが自然。逃げ集団が形成される条件としては、有力な3チームが揃った逃げに、有力単騎勢が2~4名を加えた5~7名の逃げに対して、残された1チームが集団を統制して追う状況になること。そうでないと逃げ集団とメイン集団の速度が釣り合わない。


フリーダムからは私が単騎出走。仮に私が逃げ集団に加わろうとしたとき、①メイン集団内に私の逃げを容認するメンバーがいない、②カウンターに備えてくれるチームメイトがいない、という2点から主導的にアタック出来る立場にない...メイン集団に対して訴えかける条件を持っていない。

だからあらかじめ有力3チームから2~3枚が揃っている状態で、単騎選手を1~2枚連れて追走し、かつブリッジを成功させて4~5名の逃げを形成し、有力チームからメイン集団に対して逃げ集団を容認するよう促してもらわないといけない。



しかしなかなかそういうシチュエーションが生まれない。逃げを作るアタックに対してメイン集団がそれを潰しに行くまでがはやすぎて、とにかく「逃げはすべて潰す!」みたいな雰囲気がある。時には同チーム内での潰しあいすら散見されて「??」ということもあった。



自分が勝てるイメージが浮かばなかったというのはそういうこと。

自ら動ける条件があまりに少なく、逃げが容認されそうな動きも少なすぎた。中盤に弱虫ぺダルとアーティファクトレーシングの2枚が揃ったアタックが1回だけあったのだが、ギャップを作り切る前に集団に潰されてしまった。

あのアタックはダメ…このアタックはムリ…そんな小競り合いがずっと続き、残り周回ばかりがどんどん少なくなっていき、結局最初から最後まで何もないまま最終周回までもつれこんでしまった。

ストップ&ゴーの繰り返しで先頭集団は最終的に20名ほどまでに減っていたみたいだが、集団人数を正確に把握するまでの後方確認は出来ていなかった。しかしそれ自体はどうしても必要な重要な情報ではないので反省点とは言えない。



クリテリウムにおける最後のポジション争いがあまり好きではないのと、思ったようにブレーキコントロールが出来ていなかったため、着順争いは見送り。万が一、百万が一にも落車は避けたかった。

沿道にいるチームメイトにごめんなさいの合図をして、最後の半周は流してオシマイ。




レース中の考え方や、最後の着順争いの放棄を後から考えても、それほど反省する内容は少ないから良いのだが、残念なのはウォーミングアップを始めてからレースを終えるまで、ほとんど心肺に殺る気スイッチが入らなかったこと。

実はもともとウォーミングアップが得意ではなくて、自分で脚にスイッチを入れることが出来ない。

ちゃんと走れる、思ったように踏めるときは、朝から・自然に・勝手に・最初からスイッチが入っているときであり、今回のように最初から最後までスイッチが入らないままであることも少なくない。

レース活動を始めて5年ほどになるが、いまだにスイッチを自力でコントロール出来ないのはどうにかならないものか...。



那須ロードに続く...


2017/6/8(Thu)
バーテープを巻くときに大事なのはリズムを崩さないこと。

一つのバーテープを一定の強さで引っ張りながら一定の間隔で巻くときは、一定のリズムを守ることに注意していれば綺麗に巻けるようになると思う...たぶん。



バーテープを巻く時間を計ってみると、片側で37秒だった。

整備技術をあげようとしたら、時間を計っておくことが大事。

自転車で走るときには、例えば3km走るのに5分かかる...とか、例えば300ワットで5分持つ...とか、どんなレベルであれまずは自分の能力を把握するところか始まるように、整備もプロであれDIYであれ、何の作業で何を使って何分かかっているかを把握するところから始まる。

だって、自分がどんな風に動いているかわかっていない状態では、何をどう改善していけばいいかなんて考えられないだろう?

整備力ってのは、自分の立ち位置とか、バイクとの距離とか、目線の高さだとか、ちょっとしたところでずいぶん変わってくるもんなんだ。同じ工具を使っているのに仕上がりや作業時間に差が産まれてしまうのは、本当にちょっとした違いなんだよね...。


まずはゆっくりしっかり作れるようになること。その後に少しずつ整備のスピードを上げること。その時に、ゆっくり作った時とスピードを上げて作った時で仕上げに差が出来ないようにすること。

後はひたすらそれを繰り返す。DIYであれば100回も繰り返せば十分出来ると言えるだろうし、 1万回繰り返せばプロにだってなれるさ!


~裏ブログから転載~


2017/6/4(Sun)
お店のママチャリを新調した。

→「http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2017/06/04/194758


2017/6/3(Sat)
飯島誠さんが女子トラックの日本代表監督を退任して、またアンカーの営業に帰ってきた。久しぶりに飯島さんと電話をしたら、今度時間つくってお店に来てくれるらしい。そしていま飯島さんは、「アマチュアライダーが限られた短い時間でどうやって強くなるか」ということを勉強しているらしい。

私の…過去5年間ほどの練習環境では、4時間以上の連続した練習時間はほとんど望めなくて、基本的には1~3時間の練習の積み重ねをしてきた。「限られた時間の中での効率的な練習」はアマチュアライダーの誰しもが興味ある内容だと思う。

飯島さんから情報や知識が入る前に、今私が考える「短い時間の中で強くなる方法」を書き出しておこう。そのうえで飯島さんが教えてくれた内容との差を抜き出してみようと思う。




短い時間の中で強くなる…つまり量は求められないから、どれだけ質を高めるかという問題になる。ではいったい質の基準とは何か。あるいは質を高めるために何をポイントにすればいいか。

1つ目のポイントは、頑張っている時間と休んでいる時間の割合を考えること。そして頑張っている時間と休んでいる時間では、休んでいる時間の方を短く設定すること。


例えばむかし私が住んでいた柏には、1周10kmの周回コースがあった。

10kmコースをAve.40km/hで走るとして約15分で1周する。そのコースには1分間登る坂があったから、つまり1分の坂を走って14分間平坦を走るわけだけど、その14分間は大いなる無駄だと考えている。3周すれば計42分間の無駄が生まれる。1時間走ってまともに走っているのは4分だけ…。


プロチームと違って脚力が揃わない人同士で走ることの多いアマチュアチームは「平坦≒休む」になりやすく、平坦路をチーム全員が同強度で練習するのは技術的な面においてもまず不可能だと言える。私は日曜の朝練の時などは、チームのローテーションには加わらずに集団から少し車間を開けてひとり後方で走ることで強度を保っている。

練習時間が1~2時間しか確保できない人にとって、「休んでいる時間≒サボっている時間」というのは決して増やしてはいけない時間。特に平坦は大人数で走れば走るほど休んでいる時間が長くなっていってしまう。平坦路が完全に無駄とは言いきれないが、登坂に比べると間違いなく無駄が多い。

でもほとんどの人のほとんどの練習で、頑張っている時間より休んでいる時間の方が多い...それもあまりに多すぎるんだ。


私が個人練習などで行なう九十九折の往復練習は3分登って1分下るわけだけど、現レベルにおいて頑張る時間と休む時間が3対1というのは、能率としてはほぼ限界に近い。

ローラーでやるときも、3min-3minレストや30sec-30secレストではなく、3min-1minレストや40sec-20secレストなどとし、常に頑張っている時間より休んでいる時間の方を短く設定している。

レースで休める時間は秒単位。頑張らなきゃいけない時間は分単位。頑張っている時間より休んでいる時間が長いというのは実戦的じゃない。

実戦であまり使わないことを練習していたって…それはクロール速くなりたいのにバタフライの練習をしちゃうくらい意味がないんだ。そういうのは時間が有り余っている人にだけ許される贅沢な練習方法だ。




二つ目のポイントは最高速を高める努力をすること。

加速力というのはロードバイクにおいて登坂と並ぶもっとも重要な要素の一つ。コーナーからの立ち上がりの加速は後続に対する強力な攻撃手段であるし、坂だって最高速だって基本的には加速の連続だからだ。加速力を磨くことでヒルクライムからクリテリウムまで幅広く対応できるようになる。

あるいは…一瞬の突発的な加速を身に着けることによって、ちょっとした中切れや落車から起こる集団分裂からのリタイアを避けられるようになる。


例えばエンデューロレースに参加していたとして、目の前の人が中切れを起こしたとする。仕方ないから自分で詰めようとしたけど、結局中切れを埋めきれずに離れてチギれてしまった…そんな経験がある人もいるだろう。

高速で走っている集団に対してジワジワ詰められる人は、集団の中でもかなり高い脚力を持っている人だ。だからそもそも中切れをしない位置にいる。あるいはジワジワ詰める必要がないレベル、数十m程度の車間など中切れだと認識しないで済むレベルの人だ。

中切れというのは、ある程度の短い時間の中で瞬間的に埋めないといけない。なぜなら前方は複数人でストレスなく統一的な意思をもってローテーションしているわけだからね。

それを一人の力で解決するには莫大なエネルギーがいる。だから…仮に50kmで走っている集団から中切れたとき、51km/hで何分もかけてジワジワ詰めるのではなく、55km/hを超えて数十秒でパッと詰め終わらないと、追い付く前にバテテしまう。

“あの時中切れさえなければ…”、“中切れさえ埋められれば…”と思う気持ちは私もすごくよくわかる。けれど実際には中切れをジワジワと詰めることしかできない、瞬間的にパッと詰めることが出来ないようでは、実はどんなに上手に走ろうとも最初から無理なのだ。まずはそれに気づくところから始まる。“運悪く中切れに逢ってしまった”…わけではないということを。

そして加速力を突き詰めることは、そういった中切れをパッと詰められるようになることにつながる。ちょっとした車間からレースが終わってしまうのを防いで、レースの寿命を延ばしてくれるんだ。



ではどうやって突発的な加速力を身に着けるか。その糸口が「最高速の引き上げ」にある。

最高速(≒速度域)を高めようとしたとき、パワーを出すことよりも、出したパワーを効率よく速度に変換することを大事としなければいけない。いうなれば“コスパの良い”パワー/速度。

しかして最高速を突き詰める真意は、速さの限界を求めるものにあらず、速度が遅くなった時に、周りよりも楽に走るためのものだ。


あまりに空気抵抗の大きい速度域になると、パワーを出せば速くなる…という話が成り立たなくなってくるのはイメージが作れるだろう。

地面にトルクを伝えて推進力に変えられること、空気抵抗の少ないフォームをとること、あるいはその両方。高い速度域では…と書いたけれど、空気抵抗との戦いは、本当は30km/hくらいから始まっているのだ。


技術力が向上したかどうかの判断は、メーターに映る最高速度にフォーカスすることで代替できる。ダンシングでのエアロフォームであれ、ペダリングからタイヤ接地のトルク伝達効率であれ、最終的に大事なのは高い速度が出ていること。

自分が走らなければいけない速度域が高くなってくると、出来るようにならないといけない事柄がものすごく増える。あるいはシビアになってくる。

40km/hでなら許されていたフォームやペダリングの甘さが、50km/hを超えると許されなくなってくる。本当に高い速度域になってくると、たった0.1m/h伸ばすのが本当に本当に難しくなってくるけれど、その0.1km/hを意味がないとバカにしないこと。


ロングライドをする時は30km/hとか、JBCFでいえばE3レベルで47km/h、E1だと52km/h、P1だと61km/hくらいの集団速度に対応できないといけない。自分が走らなきゃいけない速度域というのは実は最初から決まっていて、そのうえで自分が出せる最高速が高ければ高いほど、速度が遅くなった時に割合的に楽をすることができる。

例えば40km/hで走れる時間を1hから2hに伸ばそうとしたとき、40km/hで延々と走り続けるよりも、突発的な瞬間最高速を60km/hから61km/hに引き上げるような練習の方が、最終的に40km/hで走れる時間は長くなる。要求される40km/hそのもので練習するのではなく、自分が持っている限界速度域をより高めようとすることで上達するものだ。



最初はおそらく50km/h出すのも大変だろう。50km/hの次は50.1km/h、50.1km/hの次は50.2km/h…。たった0.1km/h上げようとするだけでうんざりするような壁の高さだと思う。しかし50km/hや60km/hを超えてからの0.1km/hを伸ばす努力は、最終的に30km/hや40km/hで巡行するときに、ものすごい技術の差になって返ってくる。

だから最高速を突き詰めることが、ロングライドであれレースであれ(そもそも両者に差はないのだが)、上手に走ることにつながってくる。自力で到達できる速度が59km/hの人と60km/hの人では、技術力の差は歴然としている。

高い速度が出せるようになっていれば、それだけの技術が身についている。高い速度が出せたとき、技術は自然と身についている。そうやって知らぬ間に勝手に身についた最高速から巡航速度に技術を落とし込むことで、逆算的に答えを見いだせる。

たとえレースをしない、ロングライドしかやらない人も、最高速を高めることは価値のあることなんだ。




長くなってしまったから今回はポイント2つでまとめる。

私はうぐいすラインというところで練習している。練習場所であるうぐいすラインまでは自宅から1時間かかる。

練習時間の中では、練習場所へたどり着く1時間の間に最高速を高める練習をし、練習場所では休む時間より頑張る時間の方が長いインターバル練を行なう。そして帰ってくるときはまた最高速を高めることを考える。

それが、今の環境で私が出来る、もっとも時間を無駄にしない練習方法だ。



2017/5/26(Fri)
イオを買った。なんだかバトンホイールが欲しくなったからだ。

今行われているジロデイタリアをはじめ、プロ界ではすでに「バトンホイールを使わない≒TTでは勝てない」くらいの認識になっている。それに感化された。

何年も前から、一部の有力TT選手らが契約外のバトンホイールを使用しているのが散見されたが、1年前にシマノがデュラエースグレードで新型3バトンホイールを発売したころから、その風潮が加速したように思う。
今年のジロでは契約にうるさいあのカンパニョーロのカスタマーチームでさえ、HEDのバトンホイールを履いている姿が見受けられた。カンパニョーロが見逃すはずはないだろうが、フットワークの軽いカンパニョーロはそのうちバトンホイールを出してもおかしくない気さえする。


マビック・イオにおいては、昔はイオ・ロードとイオ・トラックに分かれていたが、旧型モデル(中期×2~後期)からイオ・トラックのみとなり、チームや選手が自己責任においてロードバイクに組み込んでいる。ブレーキシュー面の処理をしていないので制動力はぜい弱だが、マビックはイオがロードレースに使われることを黙認している状況だ。
※実際にはイオの中はウレタンがぎっしり詰まっていて強度は並みのスポークホイールよりはるかに高く、強い。

UCIのルールブックには「クイックシャフトを使用しなければいけない」というルールがある。それをどれほど見込んでいるかはわからないが、イオはクイックシャフトが使えるようになっている。それは新型になっても変わらなかった。



私が今使用している2016年式の795と796にマビックを使用しているのは、プロチームカラーにマビックの黄色が似合う…からではなく、元をたどれば「イオ」が使いたかったからに他ならない。

イオを使う…後輪もコメットにする…当然ロードバイクでもマビックホイールを使う、という流れで、当時愛用していたジップやカンパニョーロから鞍替えした。


というのも、2011年くらいのフェルトのカタログの裏表紙において、新型DA(当時)が風洞実験をしている時の写真だったのだが、その写真のなかでDAが履いていたホイールが、何を隠そうイオだった。

2010年代前半当時は、まだハンドルフレーム一体型のTTバイクは非常に少なく、新型DAはS-WORKS・SHIVと並んで超々新鋭的なマシンだった。今でこそハンドル~ステム~トップチューブが完全ツライチのTTバイクは珍しくないが、一般的なコラムに一般的なステムを通してTTハンドルを付けるのが主流だった当時に、新型DAは最高にカッコよく、それについていたイオは半ば様式美として脳裏に焼き付いた。

それから数年が過ぎ、「イオを買う」ということを現実として考えるようになり、とうとう我慢できなくなって購入する。“ルック車”に乗っていた学生時代にロードバイクが憧れであったのと同様に、ロードバイクを始めてからの機材遊びの最終到達点は“イオを履かせたTTバイク”だった。



2015年、イオはとにかく速かった。
スポークの風切り音が全くしない無音の世界、タイヤと路面の接地音すら聞こえてくるくらいスムーズなマシンにおいて、
速度) イオ(1.5km/h)>>CVR80(+0.3km/h)>CXR60(基準値)
くらいの体感だった。
たかだか45~50km/hではイオ≒その他バトンホールでしかないかもしれないが、とにかくイオを履いた時と履かない時でギアが1枚は違っていた。


その代り横風にめっぽう弱く、
横風イオ>>CXR80≧CXR60≒ロープロリム
くらい。横風の影響はロープロと80mmディープの差より、80mmディープとイオの方が差が大きい。

イオをロードTTレースで使おうとしたとき、かなり天候に左右される。何年か前に中村選手(イナーメ信濃山形JPT)が全日本タイトルを獲得した時にイオを使っていたが、あの土砂降りの中でイオを選択したのは、度胸だけでは済まないだろう。私はとてもじゃないが、雨風降りしきる中でイオを使おうとは思わない。

それどころか、湖畔や川沿い、高所で行なわれることが多い日本のTTレースでは滅多に選択することが出来なかかった。イオを買ったときの最大の不満は、とにかく使用頻度が極端に少ないことだ。それは手放す理由のひとつであったし、買い替えるとき最後まで悩んだ理由のひとつでもあった。

それでもイオはTTバイクを持つ、TTバイクに乗るモチベーションの最大の功労者であったのは、手放した後しばらく経つまで気付かなかった。




イオを手放した理由のひとつに、TTバイクが新しくなったことが挙げられる。

ノーマルキャリパーだったルック・596からワイヤー完全内装の796になり、前輪交換にかなりの手間のかかるバイクになった。
イオを購入したことで、その他のホイールもコメット・CXR60・CXR80となったが、CXR60やCXR80リムのブレーキ接地幅が約27.6mmであるのに対しイオは21.6mmであり、互換性は全くない。

596など旧型TTバイクにみられる通常のブレーキキャリパーであれば6mmのズレはアジャスターのみで対応できたが、796よろしく最新のTTバイクのメンテ性の低さでは、ブレーキシューの交換も引き白の調整にもかなりの時間を要する。私はたしかにプロのメカニックだが、それでも5つの工具と8分間が必要となる796のブレーキ調整をレーススタート直前にやる気は起きなかった。いかにメカニックといえどレース前はレースのことだけ考えていたいのだ。

だからシマノプロは羨ましかった。

新型3スポークバトンとDA-WH9100のリム幅はほぼ同じであり、スタート直前ですらホイールのポン替えが出来る。40mmディープ、60mmディープ、最新最強のバトンホイール、フルカーボンの軽量ディスクホイールを兼ね備えたシマノは、それだけで選択する価値があるように見えた。

一方でマビックは、イオがレースに使用できるかどうかもわからないのに、レースに使用できたとしてもメンテにリスクが生じる。イオを最新TTバイクに実装するのは実戦的ではなかい。だから全てのマビックを投げ出してシマノに鞍替えしようかとも悩んだ。




結局それをせず、「イオ」にしたのは、それが「イオ」だからだ。
世界最速のホイールは間違いなくイオであり、私の憧れの機材だから。どれほどメンテ性が悪くても、どれほど横風に弱くて実戦で使える機会が少なくても、やはり「イオ」を持っていること自体に価値があった。

別にワイドリムに懸念がなかったわけでもない。ルックのデザインとマビックのカラーの組み合わせが気に入っていたのもあるだろう。それでも決定的な理由は「イオを持っている」ことそのものにあった。


それに、たいして数のないTTレースのことばかり考えていても仕方ない。“TTバイクはレースが少ないから買う気にならない”という理由もよく聞くが、別にサイクリングであっても街乗りであってもTTバイクで行けばいいのだ。昼飯買いに行く足にしてもかまわない。好きな時に好きな自転車に乗るのがい一番幸せだ。

CXR60にもCXR80にもタイヤが貼って準備させてあるが、肝心の796のメンテ性がそれに対応していない。しかしレースに限らなければTTバイクに乗る機会もイオを使う回数もぐっと増えるし、出動しなくてもイオをつけっぱなしにして飾っておけばいい。走っていなくても見て楽しむことができる。実際にイオを所有していた時はそうだった。それが趣味というものだ。


TTバイクとは速く走ることこそが至高。そのためにはイオを履いていることが大事なのだ。最速のマシンは美術品でもある。変に効率ばかり求めていても仕方なく、速くあるために強要してくる雑多コストは受け入れなければならない。

めんどくさいことも楽しめるように、自分から相手に合わせていけるようにならねば、今の時代に「イオ」は持てない。一度手放したイオを再度所有したのは、精神幼くして離婚した我侭な人間が成長した証ではないか。

 


2017/4/24(Mon)
群馬2DAYS、2日目


今週は奥さんと詩織が実家でアレコレするらしいということで、お家にいても独身。
なので群馬は宿泊して両日参戦できた。普段の生活ではありえない22時就寝の後、夜中1時に目が覚める。そのまま寝付けず、2日目のレースを脳内シミュレーションしていた。


心臓破りの坂手前で抜け出す、心臓破りの坂で抜け出す、最後スプリントをする、最後の坂を5番手くらいでクリアする、10番手くらいでクリアする、あれこれ考えてみるのだが勝てるイメージがまったく浮かばない。

なぜならE1には私より格上の選手が何人もいて、正直言って自分の力だけではどうにもならなさそうだから。もちろん自分より強い選手が何十人もいるとは言わないが、けして集団内2番手3番手でもないのは弁えている。


自分より格上の選手に勝てる可能性があるというのが自転車競技の面白いところかもしれないが、私はあまり他人の選択によって自分の結果が決まるというのが好きではない。どうにか勝つ…可能性が高くなる…シチュエーションをイメージしておかなければいけないのだが…。

やや興奮しながら2時就寝。




1日目のレースは3周目の坂の途中でリタイアしてしまったから、現在のE1の強さがどれほどのものなのかはピンとこなかった。

初日に2回だけ坂を登ったかぎりでは自分の登坂力が乏しいとは感じなかったが、そうはいっても序盤そうそうであるだけに判断材料に事欠く。自分が楽でも周りがもっと楽であれば意味がないからだ。登坂力は自転車レースにおける先手後手を決めるだけに、正確に把握しておきたいところ。



レースは1日目と同様、最後尾から。並ぶのヤダ。

先頭付近には有力選手が集まっているのと、レースにおけるリーダー格であるリンク東北勢が集まっているのとで、そこでにぎやかに談笑しながらコースインまでの時間を待つ。

そのまま先頭に紛れるようなことはしないで、ちゃんと最後尾でスタートする。強くてマナーが悪い選手より弱くてもマナーが良い選手の方が価値がある。レースの外でも良い関係でいるためにも大事なことだと思う。

コース整列時での最後尾はフラフラと動けるスペースが広いので、近場にいたイナーメ陣らやチームメイトらと談笑し、そこでは「 勝てたらいいですね 」「 なんとか勝たないですかね 」などと。



2日目のレースはローリングスタート中に先頭まで上がることが出来なかった。

ちょうど目の前の選手が車間を開けたがる人だったのでポジションをあげにくかったのだが、1回目のアップダウン…連絡橋付近…を超えるまでには先頭へ。

スタート直後にポジションアップで使う力は、レース全体で使う力からいえば1%以下だと思うので、多少ブレーキを掛けたり加速したりすることは嫌がらずに行なう。

スタート時に先頭であれば要らない力だが、序盤でサクッと上がれないようではレース中にポジションをキープしたり勝負に絡んだりするなんて絶対無理。だからどこからスタートしてもレースの結果にはほとんど関係ないと思っている。



1周目の登りはダンシングで、2周目の登りはシッティングでの先頭メンバーの様子見。登坂力の序列は絶対に違えて把握してはいけない。自分より強い人が何人いるか、レース後半でペースを上げるメインパーソンが誰になりそうかを把握しておく。

1日目のレースでは、リンク東北が主導権を握ろうと逃げ集団に送り込む動きが明白だった。特にハンザワさんとワタナベさんを前にしてタカハシさんなどに飛び出されるとレース終盤が厳しすぎるので、リンク東北が逃げに乗ろうとしたら必ず自分から同行するようには心がけていた。そのうえでもし逃げられれば、レース展開においても落車リスク回避においても最高。


それでもハンザワさんやワタナベさんらが自ら動くこともあり、リンク東北の波状攻撃にはかなり厳しいイメージを持っていた。あんなに強い人が強いチームメイト達とチーム戦をして、自分もイケイケなんてヒドすぎるよ!

レース終盤で逃げを捕まえるためにリンクのエースを背負って走るなんて絶対に作ってはいけないシチュエーションなので、その見極めだけはしっかりするようにと。逆にリンクが入っていない逃げであれば多少リンクの力を頼って走れることになる。それでもずいぶん後手ではあるのだけど、リンクの力が敵対するか協調するかという点では雲泥の差だ。



レース距離が非常に短いのでみんな元気。1日目も2周目が終わった時点で逃げはまず決まらないと感じていたため、2日目ではアタックはある程度は最初から無視する方向でいた。

もし自ら捕まえにいくような状況であっても、集団のペースを落とさないくらいの出力であれば脚にダメージは入らなさそうだったから、逃げが自然と潰れるようなペースを保たせつつ、それに乗っかっていくイメージで走る。


それでも3~4周目になると先頭付近にいるメンバーがかなり固定化されてくる。リンク東北は周囲に常に4名、スピードエースも3名がいる。元プロのテラサキ選手、シマダ選手らは直接の面識はないが、前情報無しに走り方見てるだけでも私よりはるか格上なのは間違いない。VCヴェローチェのマツキさんとVCfukuokaのミノハラ君、フィンズの人からもなるべく目を離さないようでいたい。

関係ないけどバルバさんのユニフォームは目立っていいな。





5周目で20秒程度の3名逃げが出来ているが、リンクが入っていないのである程度放置。それが1人逃げに変わっても放置。もし自分からも動くならハンザワさんやマツキさんを背負って踏む覚悟はしておかないといけない。



最終周。

このレースで優勝したウォークライドのタカハシ選手は1周まるまる単独で逃げて勝ち、素晴らしい強さを披露した。聞くと前日にE2で勝って昇格したばかりであり、正直言って私は全く見てなかった。

群馬で逃げるのはドーピングを疑われてしまうくらい難しいため、とんでもない強さをもっているのだろう。レース後にホンダ栃木のコバヤシさんとしゃべっていた時に、どこだかのエンデューロでこのタカハシ選手にボコボコにされたらしい。先に言ってよウルフ。



最後のS字ダウンヒルを抜けて先頭との差がすこし開きすぎているのが気持ち悪かったため、おそらく同じように感じていたっぽいハンザワさんとペースをあげて同調し、20秒差から5~7秒差まで縮まったところでちょっと並走して睨めっこ。

ここで捕まえたつもりになってグダってしまったのは良くなかった。数秒差だしあとは坂で自然吸収されるでしょ、的な感じだった。

後ろを確認するとワタナベさんがいる。左にはハンザワさん。金剛力士に挟まれて気分は地獄門。嗚呼、もしタイムマシーンに乗ってもう一度同じ状況でやり直したとしても、同じように脚を止めてしまうだろうな。



心臓破りの坂は最初にペースアップ。でもそれは抜け出そうとしたわけではなく、前方で待ち構えながら後ろからくる選手の番手を選ぶための動き。この人たち相手に抜け出せるイメージは無かった。

ピークからスプリントまでが近いので強くは踏まず、シャカシャカと回して踏み足を溜めるような感じで坂をクリアしていく。マツキさんの番手を取って4~7番手でピークを超える。勝てる可能性のある番手なので、上手く自分寄りにまとまってくれるかどうかドキドキしはじめる。



結局最後は埋もれてスプリントが発射出来なかったのだが、ここでミスったのはリンクのワタナベさん含めてアウト側にいた人たちが伸びたこと。群馬の最終コーナーは緩いカーブなので、アウト側の人たちの方がかなり長くペダリングできるっぽい。

どうしてもイン側に切れ込んでってしまうから最後に埋もれてしまうことが多いグンマー。私が勝ったときはバックストレート側がゴールだった時だから、ホームストレートゴールでは逆側にいないといけないんだね。


ラスト250mの看板の時点ではすでにポジション的に諦めモードになっていて、スプリントはせず。ここで最後まで踏むかどうかは性格によるかな。

いまだに群馬はどのポジションでコーナーを回ったら勝てるのか掴めてない。今度ハンさんやみんなにアンケート取ってみようかな(笑。




今回群馬で走ってみて、E1で勝つには脚力が足りてないと感じた。私がやってた頃より格段に速いな。入賞くらいならそのうち出来るかもしれないけど、勝つイメージまでは浮かんでこない。

1からとは言わないが、6くらいからのやり直しが必要みたいだ。


 




2017/4/17(Mon)
新しいアルティメイト、めっちゃ速そうだよね...

ボーラ買わないでこっち買えばよかったかな。



アルティメイトとボーラの線引きは...

●ボーラの方が巡行が良い。アルティメイトの方が加速がいい。

だから、長距離レースなんかでシャーッと気持ちよく流したいならボーラ。バババババッ!って強い加速が欲しいならアルティメイト。

●アルティメイトとライトウェイトはよく比較になるけれど、400w~700wくらいのミドルパワーでぐいぐい行くときはライトウェイト。700w以上のハイパワーでオリャッ!っと行くのがアルティメイト。



アルティメイトは集団からパワーで無理やり引きちぎって逃げ始めるときにが強い。つまり強いのは~40秒。ライトウェイトは抜け出した後にハイペースでじわじわ集団内をやっつけるときに強い。だから強いのは40秒~3分。

集団からするするっと抜け出すことが出来ればライトウェイトに分があり、集団が逃げさせてくれないときに無理やりパワーで飛び出そうとするときはアルティメイトが強い。



ちょっと雑な選択方法だけど、実際に自分の機材が得意なシチュエーションばかりじゃないから、わりと購入時の迷い方も雑でいいと思う。




アルティメイトは今年のモデルチェンジでとうとうワイドリムの波に乗ってしまったけど、ワイドリムとナローリムが併売されているわけじゃないから、迷ったところでしかたがない。アルティメイトが欲しければ、今売ってるものを買うしかないんだ。



ワイドリムには太いタイヤを乗せるという大義の他に、空力を良くするという効果がある。それはアルティメイトの弱点でもあるから、補えたと言えなくもない。

しかし真正面からの空気抵抗だけに限って見ればナローリムの方が空気抵抗は少ない((らしい))から、スピードが上がれば上がるほど弱点は小さくなっていくはず。それにカーボンスポークやアルミスポークのように大幅に扁平したスポークのものはしょせん横風に弱いから、ヨー角のことまでを考えたら使えないし。

アマチュアレースでは巡行速度で60km/hを超えることは少ないけれど、ラストスプリントなどではE1でも余裕で超えてくるから、リムの剛性と相まってアルティメイトが最強に見える。



リム形状でいえば、真ん中が太いボーラのような卵型のものもあれば、ジップやイーストンのようなタイヤとニップルまでお弁当箱のように四角いものもある。空力的にはお弁当箱型の方がいいんだけど、剛性が強くなるのは卵型。新型アルティメイトはちょうど中間くらいかな。

巡行は加速してから入るものだし、巡行力が高くないと加速力は鈍るから、鶏と卵みたいなイメージで、卵と弁当箱のどちらが優れてるかは言えない。



~裏ブログより転載~


2017/4/13(Thu)
シマノ・デュラエースC40-TU。

前にちょびっとだけ使ったことがあって非常に印象が良かった。

明日は山で行ってこれで走るんだ。




最近流行りのワイドリム。具体的には20~22mmが標準だったリム幅が、いろいろな理由をもって25~28mmへと幅広になってきた。今では28mmに到達したものも少なくなくて、25Cのタイヤと合わせてワイド化が進められてきた。


ではこれが今後も際限なく広がっていくかと言えば実はそうではなくて、実はすでに縮小傾向になりつつある。まだそれは市場には出てきてはないんだけど、「 ワイドが良いっていうからどんどんワイドにしてみたけど、ちょっとやりすぎちゃったよ、てへぺろ 」みたいな感じになってきている。

リムがワイド化した理由はホイールの空力とタイヤの25C化の両面から、やや空力が先行して、しかしほぼ同時期に起こったものなんだけど、断続的にリムがワイド化していく中でデメリットも浮き彫りになってきて、さっき言ったようなてへぺろ感が出てきている。


メーカーらはとりあえずもう作っちゃったから、しばらくはワイドリムを末端市場で売り続けるだろうけど、もしかしたら2023年頃には「 いやぁ~2016-17年頃は頭がオカシくなってたんだよー。あそこまでワイドにして良いわけないよねー!」 って感じで、手のひら返してるかもしれない。


競技機材ってのは所詮そんなもんで、私たち消費者はそうやって翻弄されることを楽しめないといけない。




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デュラエースは、良かった。

具体的にはハブ剛性が高くスポークテンションも高め。軽くてそこそこ柔らかいリムでしっとり穏やかに仕立ててある。

マニアックなたとえだと、ザイロンスポークのスピナジーに似ていて、かつそれのリムがすごく軽くなった感じ。そんなこと言ったらスピナジーが売れなくなっちゃうんだけど。



だから実業団みたいな狭い周回コースをグルグルして、アップダウンで延々インターバルをするようなレースにはあまり合わないだろう。そういうレースはコスミックアルティメイトやCC40T、フルクラム全般が合うし、シンプルにボーラでもいいと思う。

一方でエンデューロみたいな平坦を延々走るイベントではジップやゴキソに分があるだろう。しっとり穏やかな乗り心地の良さも、サーキットならではのきれいな路面では長所がうやむやになってしまいがちだろう。


なのでデュラエースが良いと思われるシチュエーションは、前提として公道レース(田舎道の路面)であること。序盤でしっかり楽をしてラストのために力を溜めておきたいような、そういうレース。

あるいは単純にレースではなくて一般のロングライドのようなものが適合する。レースじゃなくてロングライド向けに作られたような素養があるから、挙動が軽くて乗り心地が良く、しっとりおだやかで足に優しいホイールというのは、レースをしないすべての人が求める性能なんじゃないかな。


それに基本的にレースをしている人だって、加速のために快適さを諦めているだけであって、けして快適さが要らないってわけじゃないからね。


空力に関する幅広リムと25Cに関してはわからなかった。別に60km/h以上で平地を巡行したわけじゃないし、レンガ畳のターンアラウンドを高速旋回したわけでもないし。



~裏ブログより転載~


2017/4/10(Mon)
 
 
 
シーズン中のことですが、岩佐が

所属するVCfukuoka・サイクルフリーダムから、サイクルフリーダム・レーシングへ移籍することとなりました。


JBCFエリートツアー第7-8戦の群馬2DAYSより走ります。
 
 
 
 


2017/4/4(Tue)
季節が進んで温かくなり、春から夏にかけて、「これから自転車始めてみようと思うんです」という人が増える時期である。

そういう人たちはみな一葉にして、「レースしたいわけじゃないんですけど…」という枕詞を使う。



フリーダムは巷でレース系ショップとして知られている。

正直言って、雑誌、WEB、HP、日記、ブログ、すべてにおいて、フリーダムはレースに傾倒したショップですと言ったことは一度も無いし、自分で自分の店をレース系ショップだと思っているわけでもない。

初めてスポーツサイクルをやろうとする人で、レースしたいと言ってくる人はほとんどいない。もちろん私からレースやりましょうと誘うことも無い。フリーダムでレース活動をしているお客さんの割合は全体の5%程度しかいない。

それでも、ショップとして実業団チームを抱えていることと、ショップに私しかいないにもかかわらず私自身はレース活動をしていることから、今のイメージを払拭するのが難しいということくらいはわきまえている。



レースはしないからロングライドに長けたバイクが欲しいと思ったとき、昨今ではエンデュランスロードというジャンルを紹介することが多い。…少なくとも世間一般では。

エンデュランスロードの主な特徴は、
●ホイールベースが長い
●サドル交代幅が大きい
●ハンドルが高い
●ハンドルが近い
●太いタイヤ
●ディスクブレーキ
といったところだろうか。

エンデュランスロードがロングライド向けとして売られる最たる理由は乗り心地が良いことに他ならないが、ならばここはひとつ、エンデュランスロードがロングライドに向かない理由を挙げてみたいと思う。



ロングライドでは街を抜けて山を走に行き、時には電車で輪行したりしながら長時間走るわけだが、つまり信号の多い街中を通過して山でヒィヒィ言いながら良い景色を求めて山を登る。それが終わればビールを飲みながら電車で帰ってくるわけだ。その時…

●ホイールベースが長いと…
直進安定性が良くなる。
半面、加速性能は悪くなる。ダンシングもしにくく反応もモッサリとした味付けとなりやすく、総じて登坂能力に欠ける。

●サドル交代幅が大きいと…
ハンドルの荷重は抜きやすく、ニュートラルにしやすい。
エンデュランスロードのジオメトリーの意図は石畳の激坂をクリアするときに後輪のグリップを稼ぐためのものだが、反面ペダルから遠のき荷重が乗せにくくなり、全体的に脚先だけでペダリングをしてしまいがちになる。身体全体を使って走ることが難しく、総じてバテやすい走り方になりがちである。

●ハンドルが高い、近いと…
姿勢が楽で呼吸がしやすい。
ポジションの基本概念として、ハンドルは基本的に遠くて低いと力が入りやすく使える筋肉も増える。前傾姿勢がキツく体幹が足りないと耐えられないいえるが、使うべき筋肉が使えなくなるともいえる。

また、自転車に覆いかぶさって振動を上から吸収するということができない。極端に高いハンドルは重心を低く抑えることができないため、体幹を使って大きくペダリングをし、自転車を操る技術が身に付きにくい。結果的にサドルを後退させすぎたポジションと同様、脚先だけで漕いでしまい、バテやすい走りに繋がってしまう。

●太いタイヤになると…
太いタイヤは安定感が高い。エアーボリュームが大きいのは、乗り心地を良くする点においては劇的に効果が高い。23Cから25Cになると、空気量は170%アップといったところ。

本当に安定しているかといえば、グリップアウトギリギリまでバイクを倒せる人はほとんどいない。

カーブもコーナーもダウンヒルも怖いものだ。しかしその怖さはたいていグリップの限界から来ているものではなく、単純なスピードへの恐怖心や落下物や陥没穴などの路面の情報が認識しきれないこと、バイクが倒れて目と地面までの距離が近づいていくことで怖さを感じていることが多い。
太いタイヤで本当に安定を買っている人は少なく、たいていは安心感を買っているといえる。

●ディスクブレーキ…
先進的でカッコいいところ。
悪いところは…かもしれないところ。


●上記の点から長所を打ち消し合う面として…
高くて近いハンドルは姿勢が楽になる反面、バイクの重心が上がり制御も難しくなるので、タイヤの安定感が増したからといってコーナリング性能が上がるかといえばそうではない。

余談だが、重たい自転車で輪行なんて自殺行為だ。




エンデュランスロードが乗り心地が良いバイクだとして、乗り心地が良いバイクがロングライド向きのバイクだとして、それは正しい。乗り心地がいい事は快適なロングライドにつながるし、たとえレースバイクとて無視できない項目である。


しかしエンデュランスロードがロングライドに向かない点も、ざっと挙げてみるだけでも結構な数のデメリットがある。

乗り心地が良いバイクはロングライドに向くという事が部分的に正しいということと同じくらい、加速性能に劣るエンデュランスロードがロングライドに向かないというのも部分的に正しいんじゃないかな?



私は…ロングライドにエンデュランスロードが適切になる人と同じくらい、ロングライドでエンデュランスロードを選ばない方が良い人もいると思っている。

バイク選びとは、売る側が良い面と悪い面をきっちり説明して、あとはお客さんが選ぶのがベストだと考えている。逆にワーストは、悪い面を説明せずに部分的に良いところだけ説明して、売る側がバイクを決めてしまう事だと思う。

それは今の自転車業界の、ディスクブレーキやエンデュランスロードに対する批判的批評だと捉えているんだ。それは誰かが言わないといけないんだ。



2017/4/3(Mon)
写真はフランドルでボーネンが使ったバイクのステム周り。(参照はbikeraderより)

ステムはOS-115というステムで約10年前から存在するが、いまだにトップクラスの性能を誇るプロ御用達のスーパーステム。アルミステムにもかかわらず2万円くらいするステムで、写真の±17°のバージョンは一般市販されることは無かった。

日本代理店での取り扱いは極少数だったが、今でもお店を探せば見つけられるだろうか。



フランドルの記者会見でトム・ボーネンが新型ルーベに対する問答をしていた時に、

「10分も乗ればバイクのシステム(フューチャーショックのこと)なんか気にならないよ。でも例えばカペルミュールやターインベルグ、パテルベルグのような厳しい坂を走った時に、なんだかサドルから離れやすいように感じるんだ。

ふつうのバイクではシッティングじゃないと走れないから、後方に傾き、後輪にプレッシャーがかかる。 でもルーベはなんだかペダルに過重を乗せやすいんだよね。日曜日に試してみて、それがどんな風だったか教えてあげるよ」

みたいなことを言ったんだけど、 いや~衝撃を受けたね。



紙媒体であれweb媒体であれ、この10年間におけるメジャーな宣伝媒体のインプレはほとんど読んできたと思うのだけど、これほど明確に、一発で、劇的に乗ってみたいと思ったインプレは久しぶりだった。



国内の自転車ライターさんはたいてい知り合いであり、脚力も嗜好も出力もそれなりに知っているように思う。でも...申し訳ないが...ボーネンがポロッと口にしたいくつかの言葉に、どんなに深く考えて構成したインプレも全く太刀打ち出来ないんだ。



今私たちが乗っている自転車、私たち小売店が売っている自転車のほとんどは、競技から生まれたもの、あるいはそれを元に味付けしたものなのに、日本のメディアインプレでは現役の選手がインプレしてくれることはほとんど無い。

だからインプレ文章ではシステムや理論のウンチク話がほとんどで、実際に使ってみたときの感覚を書いた文章の文字数が非常に少ない。

‟ ×××で〇〇〇というシステムは△△△という理論から◇◇◇でアル。アーでもナいコーでもなイ、くぁwせdrftgyふじこlp...(長々) → 実際に乗ってみたけどシステムの通りだったよ、以上! ” というインプレばかり。

ロードバイクって本当にそんな理論上通り働くモノばかりなのかな?人間の感覚はそんなに素直なものなのかな?って、懐疑的になってしまうんだけど...。



~裏ブログより転載~


2017/4/1(Sat)
コスミックカーボン40T。ハブがアップデートされた最新モデルがようやく入荷。

とはいえ流行はキシリウムカーボンの方か....。


今は35~40mmのミディアムハイトを中心に、ロープロをラインナップするのかディープリムをラインナップするのか各メーカーは微妙なところかもしれないが、総じてミディアムリム1本で済ませる時代かもしれない。

それはプロの世界の話だけれども、少なくとも50~60mmハイトはドバイツアーやアブダビツアーなどの超高速レースなどでしか使用率が上がっていない。プロの世界ではレースが高速になりすぎて、集団から飛び出すことがおよそ不可能に近くなってきたかららしい。

そして集団で過ごすならリムハイトは低い方が都合がよく、結果的に50~80mmハイトの必要性がなくなってしまったとのこと。レースが速くなりすぎた結果ディープリムが減ったというのは、世間一般のイメージとは逆の現象で面白いね。



また、ヒルクライムでも...およそロープロファイルでは剛性不足がたたるらしい。つまりプロは35~40mmハイトをロープロの代わりに使っているということだなんだけど....500wで登坂する人たちの感覚は私なんかにはわからない。

となるとアマチュア世界では、サーキットエンデューロ等で40~50km/hで走っている人たちの方は依然としてが50~60mmハイトが有効だし、ヒルクライムで300wを基準に走るときは20~30mmのロープロファイルの需要が高いはず。

ラインレースを走るプロにとってはオールマイティーさが重要視され、サーキットコースやヒルクライムがメインとなるアマチュアにとってはディープリムとロープロリムにステータスを極振りするのは、私たちが持っているイメージの通りだと思う。



~裏ブログより転載~


2017/3/30(Thu)
3月は別れの季節。

お客さん達が転勤で千葉を離れる...それを伝えにお店に来るとき、やはり寂しい。転勤先でよい出会いがあって欲しい。


逆に4月は出会いの季節。

メールや電話などで、4月から転勤なんですけどフリーダム通ってよいですか?という問い合わせが増える。フリーダムはHPで明確に他店受け入れ可と書いてあるからね。その時はフリーダムが良い出会いだったと思ってもらえるようでありたい。




自転車は趣味。だから何物にも縛られることなく自由に遊べるのが一番よい。

ルールや規約、しきたり、マナー、そんなのは社会人としてあるべき最低限に抑えるべきであり、自転車業界独自の規制は可能な限り少なくなっていってほしい。


だから「自分の店で買った自転車以外は受け付けない」「そのお店と付き合うにはそのお店で自転車を買わないといけない」みたいなのはどんどん無くなっていって欲しい。私はそんなところでお客さんを選別する必要性は感じないし、結局自分たちの首を絞めるだけだと思うんだ。




世の中には白黒はっきりつけちゃいけない部分がある。

趣味にきっちりみっちりルールを作ったら窮屈だ。大事なのは楽しめること。ルールを作って秩序を守ろうとするのではなく、ルールを作らずに済むよう譲り合うことが大事なんだ。

ロードバイクは無いと困るものではない。ロードバイクが無くなってサイクルフリーダムが無くなって困る人は私くらいだ。

だからこそ私は分をわきまえて、誰かの何かを制限しないように努める必要があるんだ。





~裏ブログより転載~


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