2018/8/11(Sat)
セールをやっているからかフレームサイズの適正を聞かれることが増えているので、私のフレームサイズとステムサイズ、考え方の推移のまとめです。
フレームサイズはトップチューブ長のC-C、ステムの角度に関してはオミットします。
一年に複数台使っていた年もありますが、その年にメインで乗っていたバイクを選びます。


【2008年】

フェルト・F5、フレーム580mm+ステム90mm

私の初めてのロードバイクは事故車を安く買い取るというものでした。
今考えると(悪い意味で)スゴイ話だなと思いましたが、当時は自分の家にロードバイクがあるというだけで幸せでした。
当時すでにロードバイクショップにいたため、いろんな自転車に乗っていました。その中で、ハンドルが高い自転車はバイクコントロールに難あり、リーチよりもドロップの方が優先順位が高く、融通が利きにくいであるという考えがありました。


【2009年】

ピナレロ・Mgドグマ。フレーム550mm+ステム120mm

自分のバイクは明らかにハンドルが高すぎると感じていたので、フレームサイズを3サイズ下げてステムを3サイズ上げて、その時トップチューブの差だけハンドルを下げることができると考えました。
当時はまだステム角-17度などはメジャーでなく、その後登場してもステアリングがナチュラルでないとして、現在に至るまで-6~12.5度までに抑えるようにしています。


【2010年】

ルック・595&586。フレーム545mm+ステム130mm

ルックはMサイズとLサイズでトップチューブが15mmも変わってしまうので、消去法的にMサイズに。このころには身長184cm=トップチューブ550mm以下。ステムは120mm以上で旋回角を大きくするという図式が出来上がっています
姿勢が下がってハンドル荷重が増えていったときにはステムが長いほど安定する。つまり姿勢を低くしたいと思ったときはステムを長くしないといけないという考えです。
もちろん人間がハンドルに近づくため、相対的に長くなるのは当然ですが、ハンドルは上ハンでなく下ハンを基準にして組むべきという考えはすでに持っていました。


【2011年】

ルック・695。フレームサイズ545mm+ステム130mm

695純正のCステムが-9度になり、ハンドルが下がります。


【2012年】

ルック・695。フレームサイズ545mm+ステム140mm

ルック・Cステムを止めて、3Tアークスステムに変更。ステム角は-6度。


【2013年】

ルック・695。フレームサイズ530mm+ステム130mm

フレームが1サイズ下がります。
695のリーチはMサイズからSサイズで4mm差しかありませんが、名目的にはとうとうトップチューブで530mmまで下がりました。
2011年から2012年度にかけてステムが130mm×-9度から140mm×-6度になり、ふたたびハンドルの高さが鬼門となっていたため、ステムサイズを基準としてフレームを1サイズ下げることにしました。
2013年のレース成績は13戦9勝、2位2回、3位1回というもので、このフレームサイズが過去最高勝率(草レース~E1)。この後はカテゴリーが上がってしまって、勝つことは少なくなりました。


【2014年】

ルック・695。530mm+130mm

前年度と同じ。


【2015年】

ヨネックス・カーボネックス 535mm+140mm

ヨネックスのSサイズとルック695のSサイズではヨネックスの方が約6mm大きく、140mm×-6度のステムを使ったときにハンドルが約1.5cm低くなります。
この年がジャパンカップとチャレンジロードで最高成績です。単にヨネックスの登坂力が高かっただけな気もしますが、795になってからはサドルからハンドルまでが窮屈すぎて苦労しています。


【2016年】

コルナゴ・C60 フレーム540mm+ステム140mm。

795やヨネックスに比べてハンドルが2cm以上高く、クリテリウムで落車が続きます。
高すぎるハンドルに対して人間本体が前にかがんで対処しなくてはならず、苦労しました。


【2017年】

ルック・795。フレーム527mm+ステム130mm

695→795からは、トップチューブ-3mm(リーチは+4mm)、ヘッド-2mm、ステム角-9度→-13度。695から795の変更は、ハンドルがさらに下がるというところです。
また、795でハンドルが登場してからはハンドルリーチの短さで窮屈さが出てしまい、リーチを考えるとMサイズ、ドロップを考えるとSサイズ、Sサイズは窮屈すぎて乗れないけどMサイズはハンドル高すぎて乗れないという、あべこべなジレンマが嫌です。


【2018年】

ルック・785。フレーム534mm+ステム130mm

795と785はジオメトリーがほとんど変わりません。
795のCステムも130mm×13度、785に使用しているジップ・SLスプリントが-12度でほとんど変わりません。
しかし使用しているルックのエアロハンドルのリーチが非常に短く窮屈なのに対して、785に使用しているジップ・SLバーはリラックスして乗れるため785を好んで使っています。




2018/7/31(Tue)
ツールドフランスが終わった。


自分なりに機材の統計をとっていたけど、今年のツールで活躍が顕著だったのはシマノのホイールだと思う。

シマノのホイールは全体的にしっとりしていて、軽く柔らかく扱いやすさが先行する。



例えば、巷でよく見る組み合わせとして、Sワークスにデュラエースのクランクにボーラ。これらはそれぞれのセクションにおいてライバル製品より硬めのチョイスといえる。

元気な時はシャキシャキ走って楽しいんだけど、疲れてぺダリングが雑になってくると途端に進まなくなってしまう。叩くようなペダリングでは全て自分に跳ね返ってきてしまい、ちっとも速度が上がらない。経験ある人もいるだろう。

私がカンパのクランクを好む最たる理由であり、デュラエースもまたそういうのを防いでくれる。


特筆してシャキシャキキビキビとは動かないので、ちょい乗り試乗会では評価が高くならないけど、自分の感覚を捨ててログを取ると、結果的に速い。

実際には遅いけど感覚的には速くて楽しいのか、遅い感覚するけど実際にデータとしては速いのか、どちらが大事かはここでは問わないが、デュラエースとはそういうホイール。

これだけの能力を持つホイールが売れないのはシマノにブランド力が無いからだ。




そして今年のツールで、ディスクブレーキは不要だとの考えが強まった。

私の手元に全てのデータがまとまっているわけではないが、全体的な傾向としては、①エースは使わない。そして各選手らで②自身が勝てそうなステージでも使わない。この2点は明白だ。

自分にチャンスがないステージに限定して使われるディスクブレーキは、やはりメーカーの販促目的以外で選ばれているとは言い難い。最終日のシャンゼリゼに限ってはディスクロード率が高かったのは露骨である。


ロードバイクにおいてディスクブレーキを採用した時、制動距離が上がらないことは十分に知られている。制動距離を短くするにはタイヤのグリップ限界の方がはるかに手前の課題であり、ディスクローターだとかリムブレーキだとかいうレベルに達していない。

ディスクブレーキはあくまで、ウェットコンディションで挟力が落ちにくいというだけであり、制動距離の絶対的な縮小につながるわけではない。



そのほかに2つネガがある。

ひとつがスポークが大きく張り出していることによる空気抵抗の増加。

自転車の空気抵抗の大部分はスポークによるものであり、それはヘッドチューブ周りのワイヤーの露出の比ではない。

スポークの空気抵抗を減らそうとしたとき、より太く深いリムを使って、スポークを細く、短く、少なくなるように努力してきた。それがディープリムの歴史だ。

しかしディスクローターの存在によって、スポークは太く、多く、リムの全面投影面積から大きくはみ出してしまうことになった。

エアロロードの優位性もディープリムの優位性も確定的なのに、ディスクブレーキはそれを台無しにしてしまう。



そしてもうひとつのネガティブは、ローターが左側についていることで、ブレーキをかけたときに左側に引っ張られてしまうこと。

平たく言うと、右にカーブするときに自転車が立ってしまう事。左右対称に曲がることが出来ず、高速になればなるほど顕著になっていく。

これがスポークのテンションやパターンで解消できないことは、オートバイクの歴史が証明している。解決するにはスーパースポーツバイクのようにダブルローターにするしかない。

では果たしてロードバイクがダブルローターになるのか。それはまだわからない。



ディスクブレーキを部分的に捉えれば、ウェットコンディションでの制動力は上がるだろう。

しかし自転車全体で走る、止まる、曲がる、の基本性能を整理していったとき、ディスクブレーキのロードバイクは、マイナス、イーブン、マイナスとなり、ポジティブな部分はとても少ない。

シマノと蜜月の関係であったジャイアントが、フルモデルチェンジしたプロペルでディスクブレーキのみの展開とした時、あるいは個人的に懇意にしているルックが2019年に795系でディスクブレーキモデルを登場させた時、これにて私も来年はディスクを保有しなければいけないかと観念した。


しかし今年のツールを見るに、やはりディスクブレーキは不要だと確信した。




2018/7/26(Thu)
シマノの電動コンポ、ジャンクションAの話。

ハンドルエンド部に差し込むタイプ(※ビルトインタイプEW-RS910)が発売されましたが、アレどうなんでしょうね。

落車時にもっともダメージを受けやすい場所にコンピューターの基盤を配置するというのは、個人的にはちょっと疑問です。


もともとレバーやリアディレイラーの基盤が落車でダメになるケースは「普通」のことで、ましてそれだけダメージヲ受けやすいものがハンドルエンドに来るというのは、理解しがたいものがあります。

スマートなのはわかるのですが、スポーツ機材とかレーシング機材としては、それだけじゃダメだと思うんです。

ペダル式パワーメーターが普及しにくい理論が、ジャンクションAにも当てはまるんです。ペダル式パワーメーターが理論上最適であるのに対して、ジャンクションAはどうしてもハンドルエンドに来る必要が無いのは、想像に難くないはず。



実はこのビルトインタイプはフリーダムでは一切使用してこなくて、少なくともエンドユーザーが1年以上使い続けて、その経過を見て採用するかどうかを決めようと思っています。

もちろん第一感ダメなので、1年後に「落車でジャンクションA壊した」「ハンドルエンドにジャンクションAもってきちゃダメだ」っていう意見が多発するんじゃないかと思っています。


ビルドインタイプ自体はコンパクトで使い勝手も良いため、各メーカーがフレームに内蔵する目的で専用に開発されてきていますが、どれもダウンチューブやシートポストなど、ダメージが至りにくい場所を選んでいます。

「充電ポートとして使い勝手がいい位置」だけではハンドルエンドよりダウンチューブが良いとは思えないので、やはりジャンクションAの位置にハンドルエンドを配置しないのは落車リスクのためと考えられます。


もともとステム下に巻き付ける案は初期の段階で発見されていた位置なので、やはりこの位置を採用することが多いです。



2018/7/14(Sat)
ステム一体型ハンドル。

個人的には幅太のチューブレスタイヤや、ディスクブレーキよりもよほど定着すると思っている。


ステム一体型ハンドルは既存の別体型に比べて、圧倒的に軽く、硬い。そして高い剛性と圧倒的な軽さは楽さを生む。

モノコックフレームであれフルカーボンホイールであれ、一体成型というのは重量剛性比において圧倒的にアドバンテージがある。そしてカーボンは剛性のコントロールに秀でた素材である。

だから様々なメーカーがこのメトロン5Dを採用することを前提に開発し、あるいはデダやシマノプロ、あるいはトレックやピナレロ、スコットら数々のブランドが着手している。

それだけのポテンシャルがあるステム一体型ハンドルがネガティブに敬遠されているのは、ひとえに「ポジションが取れ無さそうだから」という理由であると思う。



このネガティブなイメージを乗り越えるには2つの方法がある。

ひとつめは、「ポジションなんて取れなくていい」と割り切ってしまう事。元来ハンドルのポジションなんて、サドルやペダルに比べれば在って無いようなもの。シッティングやダンシングの違いに比べればあまりに細かなことであり、曖昧である。

サイクリングしてるときのポジション、エアロポジション、山でシッティングしている時のポジション、ダンシングで握っていたいポジション…etc。

それぞれがあまりに違い過ぎて、ハンドルの位置は100%決まることのない妥協の産物だ。その妥協の産物に対して、「メトロン5Dのステム角って10度なんでしょう?今使ってるステムは6度なんだよね…」と敬遠する。

いいじゃないかそれくらい。

ステムが6度から10度になったって、たかだか3mmくらいしか変わらないでしょう?

下ハンと上ハンなんて140mmくらい離れているのに、3mmくらいでギャーギャー騒いでいたら、ドロップハンドル自体が持てないでしょう?いいじゃない、3mmくらいスペーサー詰めば、と割り切っちゃう。

ハンドルのチェンジなんて、シューズが合わないとかサドルが痛いなどと同レベルの深刻さで捉える必要はない。ハンドルのポジションが数mmズレることなんて、メトロン5Dが使えるメリットと比べれば、あまりに些細なことであり、検討に値しない。



もう一つ。あまり深刻に捉えなくても意外とポジションが出ちゃうこと。

コンパクトハンドルやナチュラル形状というのが登場したのは2007年頃であり、FSAが先鞭をつけたわけだけど、当時からFSAのコンパクトハンドル…ウィングシリーズ…は群を抜いて使いやすかった。

ハンドル形状がアナトミック形状や丸ハンであれば一つの懸念になるかもしれないが、FSAのコンパクトハンドルだという事に甘んじて適当につけてみても、メトロン5Dはそれほど問題なく使える可能性が高い。



やってみると意外と何とかなるもの。ハンドルポジションなんて大して重要ではないし、重要だと思ったところでFSAの優れた設計が補ってくれる。救いは2重にある。

マルハンじゃないとダメなんだっていうのも思い込みに近いものだと思うし、ハンドル形状だって7割がた慣れからくるものだ。ここで9割と言わないところを察してもらい、でも7割は慣れだと主張する。


ステム一体型ハンドルはワンピースのウェアやエアロヘルメットと同じく、とりあえず付けるだけで速くなれる類のパーツ。

ディスクブレーキや極太タイヤと違って、ほぼ失敗のないジャンルだと思う。



2018/7/9(Mon)
マビックの展示会があった。

最近のホイールメーカーのトピックとしては、チューブレス化が進んでいることがある。マビックであれば事あるごとにU・S・T・! U・S・T・!と連呼している。

これは、走行抵抗とパワーに伝達率が、クリンチャー、チューブレス、チューブラーの3種の中でチューブレスが最も優秀だったという実験結果が明確に発表されたからに他ならない。実際にマビックが出しているチューブレスチューブラーは速い。



これからはチューブレスがファーストチョイスとなる可能性を秘めている。

数年前に潜り始めたカーボンクリンチャーという暗いトンネルを抜けて、本当の目的地であったカーボンチューブレスが実用化できそうな時代が来た。2019年のマビックは既存のモデルをすべてチューブレスホイールにして、マーケット的にもだいぶ攻勢をかけてきた印象だ。



ただし、チューブレスには現時点でひとつ、懸念がある。

というのも、ワールドツアーにおいて、マビックを供給されていたプロチームが今年の4月前後にチューブレスホイールをテストしていて、結局1~1.5か月ほどでチューブラーに戻ったという部分。

それは保守的とか安全性とか端的に切り捨てられていることも多いが、ワールドツアーの人たちは速さのためなら他の要素をあきらめる傾向にある人種というか、速さとその他の要素で明確に優先順位に差がある人達なので、その人がチューブラーを使用していて(させれられていて)、しかしそれなりに短い期間でチューブラー戻ってしまったという事実は覚えておかなければいけない。



データ上で優秀なのはチューブレス。しかし最もデータに敏感であるはずの人達が使用しているのはチューブラー。このちぐはぐを理解するためには、かなり深い部分まで自分で試す必要がある。

自転車に限らずプロスポーツには基本的に、スポンサードされている製品のネガティブな部分を発言してはいけないという契約があることがほとんどだ。

マビックの商品構成がすべてチューブレスに一本化されたことからも、これから先、チューブレスのネガティブな意見がメーカーやプロチームから聞こえてくることはありえない。



だから自分の経験を通して、自分の経験だけを頼りに、ポジティブな情報とネガティブな情報を整理、淘汰、変換しておく必要がある。

2019年は、同メーカーの同グレード、同年式同時代同ホイールにおけるチューブラータイプとチューブレスタイプが直接的に比較出来る、最初で最後の年になるかもしれない。

最終的にチューブレスになるかチューブラーのままなのかは数年後に結果が出るだろう。しかしこの機(期)を逃すと、メーカーの宣伝文句を鵜呑みにした、いいところばかりアピールする情けない業界人に成り下がる。

それは私の存在価値を失くす。



もうひとつ、最新機材の流れであるディスクブレーキ。これも賛否両論、いろんな議論がされている部分。

夏になり、翌年度モデルの発表が進みはじめた中で、一部のメーカーではすでに、プロはリムブレーキで一般販売はディスクブレーキ、という形態に分かれ始めている。

これは一般ユーザーに対してディスクブレーキの購入を強要していると捉えても過言ではなく、それは自転車の良いところのひとつであった、プロと同じ機材が使えるという面が失われつつあることを示す。

いずれ、プロはリムブレーキでチューブラー、一般ユーザーはディスクブレーキでチューブレスという境界が確立するかもしれない。あと2~3年経ってそれが明確になったとき、2018年がターニングポイントであったと覚えておかなければいけない。

そしていつの日かディスクブレーキを買うことが当たり前になった頃、「プロ仕様のキャリパーブレーキモデルを限定発売!」なんてことも起こりうるかもしれない。


2018/6/18(Mon)
チームメイトから、本実業団連盟の連絡事項の通達があった。

この1、2年落車が増加し、最近深刻な状況が目立つようになった。
これら状況を踏まえJBCF側より以下連絡がありました。

・監督会議をおろそかにしているチームが落車の原因となっていることが多い。
・今までは甘く裁定していたが、これからは監督会議に出席しないチームはスタートさせない。真面目に取り組んでいる選手を巻き込む恐れがあるので、レースから除外する。
・次レースからオンボードカメラによる撮影を行う。正確にはJBCF側からチームを指定して装着を依頼する。
・今年のオンボードカメラについては試行期間で、来年からはJETでも正式にルール化する方向で検討を進める。

とのことだった。


落車は社会人レーサー失格。

別に落車したら今後一切レースをするなと言っているわけでもないが、自己責任で通るのは学生まで。それを学生のうちに理解しておかないといけない。



日本のアマチュアレースでも海外のトッププロのレースでも落車は無くならないが、やはりアマチュア草レースの方が事故は多い気がする。

なぜそう感じるのだろうか。


自分のチームで練習を行う場合は、知り合いだし、仲間だし、これから先もずっと一緒に走っていく人達である。だから、下手な動きや失礼な言動はあまりしないだろう。

これが、違うチームの人と一緒に走るとき、相手を思いやる精神が消えてしまうように思う。レースであれば、ほとんどの人が他人であり、知らない人であり、極端に言えば落車で死んじゃっても他人事で済んでしまうからだ。

昇格や降格を繰り返すトップカテゴリーは、基本的にはいつも同じメンバーで戦っていると言える。下手なことをやれば汚名は集団内に一瞬で広まり、次のレース以降も支障が出てしまう。

だからマナーとか暗黙の了解を絶対に軽視しない。



しかし下のカテゴリーや草レースではどうか。

強い選手、レースを作っている選手は昇格してどんどんいなくなり、自分が戦っていたとおもっていた人が減っていく。草レースであれば一期一会ですらある。

この時思いやりの精神を忘れてしまうのも、わからんでもない。


しかし自転車レースは他の球技スポーツ等とは違い、選手が密着して競技している集団の中に審判がいない。だからペナルティーが十分ではない。

レースの規律はおよそ選手個々人のモラルで成り立っている。一緒にレースをやっている人達は、ただそれだけの事に対して仲間意識が必要になる。自分も落車をしないし、相手にも落車をさせない事。他人に対して優しく走ることが、最終的に自分を守ってくれることになる。

その、”ただ一緒に走っているだけ”のことに対して、仲間意識を持つことが難しいからプロレースよりアマチュアレースの方が落車がり多く発生するのだ。



因果応報である。

他人に対して厳しく走る人は、他人から厳しくされても仕方ない。

落車が多い人は落車をさせることも多い人のように思う。




2018/6/15(Fri)
お店の散らかっていた段ボールを片付けた。

今までグリスがあったところにアレコレを、アレコレが置いてあったところにドレソレを、ドレソレが置いてあったところにグリスを持ってきた。


今までは工具キャビネットの隣の隣のテーブルにグリス関係が置いてあったが、これで工具キャビネットの隣にグリスが来た。

これで少し作業効率が上がって、整備時間の短縮につながってくれればと思う。


2018/6/12(Tue)
来月のサイスポ。

前乗り云々の話。



私は2013年から「日本で一般的な適正サイズ」から1~2サイズ落として乗っていて、それがたびたびインターネットで話題になっているは知っている。

もちろんけなされる方向で。

もっと”まともなサイズ”に乗ればフリーダム店長ももう少し速く走れるんじゃない?みたいな。



前乗りが時代の最先端化といえば、その”最先端”は3年ほど前からすでに出来上がっているので「型落ち感」があるが、ポジションは時代によっても流行り廃りによっても変遷があり、それは常に論文でちゃんと発表されている。

それが広まらないのは、そういった論文を日本語化してくれるショップやスタッフがあまりに少ないのと、苦労して読み説いた論文をホームページの無料記事なんかには載せないだけで。



日本ではいまだにクロモリ時代のポジションが”崇拝”されている。

クロモリ時代...エディ・メルクスの時代は35km/hで走る集団から45km/hで飛び出す時代だった。

それが現代では55km/hで走る集団から65km/hで飛び出す時代となり、当然乗り手に求められるものも変わってきている。

もちろん55km/hとか65km/hとかいう速度域はサンデーライダーのアマチュアサイクリストには非現実的な数字かもしれないが、しかし45km/h程度であれば練習量の少ないオジサンであっても、ボーラ履いて草レースの集団で走るだけで出てしまう数字だろう。



この時、自分が45km/hで走ってるにもかかわらず35km/hで走ってた時代の理論を採用している、このことには疑問を感じた方がいい。

いつの時代のバイクに、いつの時代の理論で乗っているのか。そこに整合性はあるのか。

速度が上がれば上がるほど、コントロールやフォーム、ペダリングはシビアになっていく中で、なぜかポジションの基礎理論だけが変わっていかない。

そういう時代が日本の自転車界に蔓延していた(る)。



なぜか?

スタッフが古いからだ。



競輪を主とした選手がロードバイクを教えていた時代が終わり、かわりに現れ始めた元ロードのプロ選手が引退後にショップスタッフになる時代になった。

そしてすこしずつではあるが、ショップに通うアマチュアサイクリストらが、ロードバイクとピストバイクのギャップについて注目し始めた。

私がどれほどロードバイクにピストバイクの理論を持ち込むなと主張しても見向きもされなかったが、これで少し風穴があくかな?




2018/6/4(Mon)
お店を休んで浮浪してきた。

目的もなく、どこ行く当てもなく、泊まる宿も行き当たりばったりで決めては、何かをするわけでもない。

日本最大の観光都市である京都に行って何もしない、それこそが日本最大の贅沢だというのに気付いたのは、旅の最後の方だった。



きっかけは遠方での仕事が続いた事ではあったものの、どんな理由であれ9日間も店舗が開かないというのは、年末年始やお盆を含め、創業以来初めてのことだった。

開業してからこれほど休まなかったのはとてもシンプルな理由であり、売上が落ちないか、お客さん達に不便なお店と思われないか、などの不安や恐怖に近い感情から来るものだった。

ただ、私自身が、年齢的な理由からか気力体力ともに落ちていくのをこの数年で強く感じるようになっていたなかで、自転車に関係しない理由で休暇が取れるようになるというのは、長らくのフリーダムの課題であったとともに、これから先に経営のモチベーションを保つために必要な事でもあった。


肉体が出力装置としたら、気力こそ入力装置であり、モチベーションを保つことが店を維持していくうえで根源的な課題となっている。

この面でいえば、店の経営とはスポーツにも似たものだ。



今、私の頭の中には、通販の台頭と小売店の困窮という問題がグルグルとうずを巻いている。

正直に言って、私は地代を伴う実店舗型の小売店は、もはや10年を持たないと考えている。

これはフリーダムの経営努力云々という話ではなく、小売店というシステム全体の流れから絶滅すべくして絶するものであり、フリーダムとてその例外ではないという話である。

街のおもちゃ屋や電気屋を壊滅させたトイザらスやヤマダ電機が、ネット通販に殺されようとしている事実をもってして、小規模な個人経営の自転車屋ごときがネット通販に対抗できるわけがない。そう考えている。


長期的に見て先がない中で、どうやって短期的なモチベーションを保つかは、現状の小売店個人経営店の課題だと思う。

ネット通販の問題から受けるストレスは強烈なものであり、経営破綻のプレッシャーはだんだんと背負いきれるものでなくなってくるはずだ。



例えば自転車屋においては、一昔前ならばフレームもホイールも、タイヤもウェアもヘルメットも、もちろんメンテナンスにおいても、みんなみんな店舗で買ってくれていた。

それが今ではどうも、「フレームとメンテナンスはお店でやるけど、その他の用品はネットで買うよ」に移行した。

ユーザーから見ればネットは便利だし安価だし、私とて店を持っていなければ、あらゆるジャンルにおいて通販にドブ漬けになっていたかもしれない。しかし店からの視点では、間違いなく売上げの一部がごっそりと失われたのだ。通販を利用した新たなビジネスモデルは、先んじて失われた部分の一部を若干回収しているに過ぎない。


この時、副作用的に生じた問題点として、情報面において「モノを買ってるんだから、かわりに有益な情報を安価(無料)で欲しい」「モノを買って貰ったから有益な情報を提供してあげよう」という、双方向から成り立っていたバランスが失われた。

整合性で考えれば「モノを買ってくれなくなったのだから、重要な情報も提供しない」となるが、「フレームとメンテナンスしか頼まないけれど、引き続き情報は安価(無料)で提供してね」となった。

店側からすると、売上げの一部が消失しているにもかかわらず、情報面では引き続き安価(無料)を要求されている事態になっている。それはユーザーの傲慢さから来ているのではなく、情報が溢れすぎたことで価値や有意性が上手く判断できなくなっているのだ。


近頃流行の「パワーメーターちょっと見て」問題。

データを“ちょっと”見ただけでパパッと分析して、短時間で簡潔に説明できる能力を得るのに、どれほど膨大な時間と金をかけて勉強しているのか。企業が持っている情報や知識は、与える側と受ける側で判断基準のギャップが広がっている。

通販の台頭によってモノを売るというハード面がネガティブになっていくのに並行して、情報提供というソフト面でもまたつまらない方向に動いていく。通販が暗躍し、表面ではユーザーと小売店との間で情報戦争が始まっていく。


現時点では、それが大きくなることはあっても、少なくなることは、どうにも考えにくい。

経営、売り上げ、通販との付き合いから考えても、お客さんとの付き合い方や情報発信の方法から考えても、どちらの面から見ても、小売りの楽しさが消えていく傾向は払拭できないだろう。



その中で、どうやってモチベーションを保つか。そのひとつが、全く関係ないことでリフレッシュをすること。

長期的に見て嫌なことから目をそらし、一時的な対処療法で良しとするのだ。


そう遠くない未来で、どれほど自身が実店舗型の物販をやりたいと願っても、もはや社会がそれを許さなくなる。今いる個人経営者はいなくなり、新しい世代も新規参入しない。

若い世代の将来の希望職業が公務員である時点で、ある程度それは間違いない。望もうが望むまいが個の力でどうにかなる流れではない。


長期的に見ればフリーダムでどうにもできない部分も、短期的に見れば、定期的なリフレッシュ休暇で現実逃避をすることで、多少の延命をすることは出来るかもしれない。

落ちゆく体力と気力、迫りくるインターネットのプレッシャーに耐えきれず、休養が増える。

きっとフリーダムにも夏休みが訪れるようになる。それは私の願った夏休みではない。



2018/5/16(Wed)
先週日曜日の朝練はレーシングチームが不在とあって、サイクリングチームの人たちばかり。

ダンシング教えてくださいと頼まれたので、「ダンシング苦手な人ー?」って聞いてみると4人手を挙げた。


ダンシングって苦手な人が多いと思う。私もそんなに得意じゃない。

ダンシングのポイントは、重心の位置を覚えることと重心移動のタイミングを覚えることの2つだと思う。

それがわからないと踏み込んだパワーが伝わらないか、パワーそのものが出ないかのどちらかになってしまう。どちらにせよ、と言ったところか。



ダンシングは理論的に紐解いていくことが出来る、そして覚えるまでのプロセスを段階に分けて掴んでいくことが出来ると考えている。

どうにも感覚で語られてしまうことの多いダンシングも、メカニズムを数学的に順を追って、足し算→掛け算→割り算...というふうに覚えていけばいい。

重心の位置を覚える→踏み足と引き足のタイミングを覚える→重心移動のタイミングを覚える→重心移動と引き足のタイミングを合わせる(→踏む力を加える)、というふうに。


これら順序は、3本ローラーみたく、本人の乗り方よりもサポートする側の乗せ方がしっかりしてればアッサリ乗れるのと同様、ダンシングにおいても重心の位置や重心移動のタイミングなどは、サポート側にある一定の覚えさせ方があるのだと思う。

いわば数学ドリルのような段階式の方法で、反復練習の順番を提示してあげる。



2018/5/13(Sun)
785、めっちゃいいバイク。普通。いたって普通の良いバイク。



たとえば、C60みたいなバイクを例えると、ものすごく分厚いゴム板をバットでバコーンッ!って叩くと、すこし沈んでからブヨンって跳ね返ってくる感じ。

一方の785は木の板って感じ。同じようにバットで叩くと、インパクトの瞬間にパーンッ!って跳ね返される感じ。



そういう、しなりなくパンッ!って跳ね返される、いわゆる硬くて軽い系バイクが世の中にはいくつかあるわけだけど、硬くて軽い系バイクの中では硬くない。

だから鉄板とか石とか一枚岩とか言われるレベルではなく、木の板くらい。すごく軽くてかなり硬いのではなく、そこそこ硬くてめっちゃ軽い。

フルクラムとカンパの差も感じられるし、ライトウェイトとかゴキソなんかは属性がブーストされる感じかな。

自分の感覚が鋭くなった感じがする。


2018/5/13(Sun)
レースをしない人たちも、レースをしないからと言って、多少は頑張った方がいいと思う。

だって、オッサンが体をほっといたら、どんどん衰えていってしまうから。



10代や20代は上昇志向も強いし、やれば体の反応も良いけど、40代50代になってくるとそうじゃない。

世の中のおじさん達だって、ドグマとかSワークスとかデュラエースとか使ってサイクリングしているわけで、機構も機材も使い方も同じなんだから、乗り方が違うなんてことは無い。

多分だけど、ロードバイクを乗るにあたっては、レースとかサイクリングとか変に意識して区別しない方がいい。

なんでかって、やってることが変わらないから。レースとサイクリングの違いなんて最期に順番が付くか付かないかだけであって、どこまで目をそらしてもロードバイクがスポーツなのは確かなんだ。



だからサイクリング派の人たちも、速くなろうとは思わずとも上達志向は持っておいた方がいい。

ただ筋力にかまけて乗っているだけでは、60歳を超えて乗れなくなっちゃう。50歳では元気に乗れてたとしても、パタッとね。

そういう人を、何人か見てきた。



自転車よりも長生きできるスポーツはおそらく無い。だから自転車だけは乗れるようでいなくちゃいけないという危機感も欲しい。

私も右ひざの前十字靭帯を断裂しているから、自転車辞めるとたぶん老後に歩けなくなっちゃうんだよね。一生乗り続けないと、そのうち寝た切りになってしまう。



努力しないと維持できない、という意識。

とりあえず今は乗れてるし大丈夫....というのは、ダメになりかけた時にはもう手遅れ。人間の肉体ってそういうもんだと思う。


2018/5/13(Sun)
595と596の洗車。

フレームだけの状態ではあるけれど、埃はかぶっちゃうから。


フレームを拭くだけだと、埃が研磨剤になって塗装が削れていく。

一回いっかいは大したことないかもしれないが、何年も経つとカサカサになってしまう。

「自転車の塗装って弱いんだよね」というなら尚更、ユーザーが塗装を守るような手入れをしないといけない。




2018/5/13(Sun)
木金で仕上げる5台の自転車に加えて、お店の展示車両も洗車。

とは言ってもフリーダムには現在、展示車が2台しかないし、チェーンやリアカセットも付けてないからボディしか洗わないけれど。




クランクが無いのは、パワーメーターの供給不足から。

展示用アンカー2台のうち、ひとつはメカニカルのデュラエースが、もうひとつには電動デュラエースが組み付けられていて、さらに電動デュラエースの自転車にはシマノのパワーメーターが刺さってる...

はずなんだけど、あまりの供給不足にクランク不在の時間の方が長い。







今年は105のモデルチェンジ年度ということで、フリーダムは今年は105完成車を一切仕入れていない。

というのも105のモデルチェンジって、スポーツサイクル店によっては致命傷になる可能性があるからだ。




4月先日にモデルチェンジが発表された105だけど、そもそも105の単価ったら6万円くらいしかない。1度買ってしまえば3年は持つであろうコンポは、趣味品としてはじつはすごく安い部類。

上代定価6万円しかないものを値引いたところで値引き額は1万円程度しか落ちないわけだが、1万円の違いで新旧が違ってしまうなら、ここの1万円はお客さんにとってケチらない1万円になってしまう。

コンポの新旧ってフレームの新旧よりはるかに影響が大きいからね。




4月に発表された105だけど、実際のデリバリーは2ヶ月ほど先。

だからお店にとってはこの2ヶ月間の買い控えをどうにかやり過ごさないといけない。

コンポの利益額からなけなしの1万円を値引くだけじゃお客さんは買ってくれないわけだから、店としてはフレーム含めた自転車全体の利益から値引かないと現金化出来ない。




スポーツサイクルは仕入れ掛け率がすごく高いから、1台売れ残ると2〜3台分の利益が相殺されてしまう。

サイズとカラー展開がある以上は在庫から売れてくれるばかりではなく、事実上は不良在庫がゼロというわけには行かない。

自転車業界は取引金額の見た目以上に利益が出にくい構造になってるんだ。




このときバリューゾーンである105完成車において、現金化できるかどうかもわからないし、現金化したとしても上手くいかないのであれば、いったい何のために売ってるかわからなくなってしまう。

だったら最初から仕入れない!

それこそが防衛専守となる。




105のモデルチェンジ周期が3〜4年に1度ということは、自転車屋も3〜4年に1度、こういう年があるということだ。

あげくの果てにメーカーから情報を抑えられたり、デリバリーの何ヶ月も前から情報出された日には、そりゃ品物置かない自転車屋が増えるわけでしょ。


2018/4/9(Mon)
火曜日の講習塾は、とりあえず1ヶ月経過し、4人+αを見た。

自転車を乗るに当たっては、練習段階は3つあると思う。

①ペダルを踏む位置を覚える

②ペダルの踏み方を覚える

③ペダルを踏むパワーを強くする

レースは③まで必要になるが、サイクリングであっても①や②は必須事項だ。というかサイクリングであっても③が無いと坂とか登れないと思う。



そして①が出来ているから②が出来るのであり、①②が出来ていないのに③やってもあまり意味がない。

ペダルを踏むパワーがどれほど強くても、踏む位置がズレてれば踏めてないのと一緒だから、①②③の順番がひっくり返るとうまくいかない。



この1ヶ月で6名見たわけだが、①の段階だった人が2名、②の段階だった人が3名。③の段階まで来ていた人は6名中1名だけだった。

私は、出来ているようで出来ていないというのを実感してもらうのと同時に、出来るようになるためには何をすればいいのかを具体的に示してあげればいいだけだった。




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