2021/12/16(Thu)
クランク交換です。


少し前に105とsiクランクからフルデュラエースにして、疲れるのがはやくなったり脚が痛くなったりしたことで、クランクだけsiクランクに戻すことになりました。

自分の脚力レベルを大きく超えてハイエンド機材を選んだ時、硬さの反動が来てしまうことを「ドグマ病」と言います(私が勝手に名付けてます)

JPTやJCLクラスの選手でも、クランクアームだけアルテグラにして、チェーンリング以下をフルデュラエースで組む選手もいます。

それは趣味的な所有欲よりも競技力を優先したチョイスなわけです。



ドグマ病の代表は、

フレームならドグマ、クランクはデュラエース、ホイールはボーラです。
 
ドグマをデュラエースで組んでボーラを履かせたバイクは珍しくありませんが、これはドMの三冠王です。
 
ドグマ系機材の逆は、ルックやブリジストン、レコードクランク、ジッ プやマビックなどがしっとり穏やかなバイクになります。
   
初めてボーラを履いた時はあまりの速さに感動しますが、大抵は比べてるホイールがゾンダであり、ジップからボーラになったら疲れるのがはやくなって結果的に遅くなりがちなわけです。
 
 

フレームの硬い柔らかい、クランクの硬い柔らかい、ホイールの硬い柔らかい、それぞれの組み合わせには原則があります。
 
それはフレームよりホイールを硬くすること。
 
あるいはフレームを中心として末端に寄るほどに硬くしていくこと。
 
 
 
たとえば、全部柔らかいとか全部硬い組み合わせであれば、とてもわかりやすくバランスが取れますし失敗はしません。
※ただし後者はドM三冠王です。
 
そこで部分的に柔らかくしようとした場合、柔らかいフレームに硬いホイールは悪くなりませんが、硬いフレームに柔らかい車輪は非常にアンバランスな組み合わせになります。
  
 
また、乗り心地も同様です。
 
カーボンフレームは乗り心地が良いと言われますし、その通りですが、
カーボンフレームにデュラエースクランクとボーラを履かせるよりも、アルミフレームでかまわないからレコードクランクとジップがついてる方が快適です。
 
 
ボーラはみんなの憧れですし、ティアグラやアルテグラを使っている人がデュラエースを欲しがるのも分かります。
 
ハイエンドのバイクは性能も高いだけでなく見た目も良いから、所有欲は何倍も湧きます。 
 
 
逆に、カンパのコンポにアレルギーがある人も居るかもしれませんし、ジップを取り扱う店も限られるでしょうし、趣味としてミドルグレードで留めるのもヤキモキするでしょう。
 
  

しかし。
 
 
硬いハイエンドフレームにデュラエースのクランクを付けて、なんならスポークが太くて増えたディスクブレーキホイールがスルーアクスルによってがっちり固定されてる。
 
最新のバイクは乗り心地が岩のように硬いから、チューブレスを使って空気圧をウンと下げて乗る。
 
すると最後のタイヤのところだけが柔らかい腰砕け状態になるので、ギアが32Tあっても34Tあっても登っていかない。
 
ダウンヒルで速いバイクなのにダウンヒルまで辿り着かないなんて悲しすぎるので、残念ですが脚を鍛えまくって頑張ってください。
 
 
現時点ではワールドツアーの選手ですら、硬すぎるとダメ出ししてモデルチェンジさせてるくらいですから、いずれもっとしなやかなバイクが増えてくるとは思います。
 
しかしそれはまだ数年後の話です。
 
現状は少なくとも何処か1箇所、できれば2箇所、硬さに逃げをつくってやることを機材を選ぶ際に意識してみるといいと思います。


 


2021/12/14(Tue)
スキー屋さんに行こうと思ってググったら、無かった。

年に1〜2回行く人に聞いてみると、スキー用品はムラサキスポーツで買うといい、毎週群馬に通う人らはアマゾンで買うものだと言った。海外まで滑りに行くようなレベルの人に聞くと、都内まで買いに行ってるとのこと。

小規模な個人経営店は、やってるのかやってないのかわからない店が1軒だけグーグルマップにひっかかっただけであり、そこも行ってみたら無かった。

つまりもう、スキー屋さんは死んだんだね


その後調べてみるとスキーの市場規模は10年前から約20%減っており、競技人口はなんと45%ダウンと、ほぼ半減。

私は10年前のスキー業界のことに詳しくないけど、窓口がなくなれば新規顧客が減るのは当然のこと。

スキー業界でショップを残そうと考えた人は、最期になんて言って死んでいったんだろうか。



さて、では我らが自転車屋業界はどうか。

西の横綱シルベストしかり、東の横綱ナルシマフレンドしかり。10年前まで3店舗も4店舗もあった日本自転車界のトップofショップも、それぞれあと1店舗を残すのみ。

ワイズロードは過去最高益だというが、ここ数年来は店舗縮小傾向にあり、支えたのは通販部門。

これらをもって、店舗を構えて物販する時代に限界にきたのがわかる。



サイクルフリーダムはメーカー代理店の契約数が40社ほどある。東京から近いためか、毎週どこかしらの営業さん達が来てる。

その人達に「整備工賃だけで食べていけてる店はありますか?」と聞くと、あると答える人はいない。

それぞれの代理店スタッフが日本の全ての店を知ってるわけではないと思うが、30人も40人も集まって一様に無いというのだから、仮に有ったとしても相当少ないんだと思う。


そしてついに物販は限界を迎えた。

物販に頼らずに済んでる店がかなり少ないのであれば、アフターコロナで残る店もかなり少ないはずだから。



いったいこの先、どんな店が残るのか考えてみる。

例えばお金が大量にあれば絶対に潰れない。残そうと思うかぎり残すことができるだろう。

皆んなが皆んなそうじゃないけど、たとえば先代や先々代から続いて、すでに自社テナントで無借金経営の店なら、そうでない店より残りやすいはずだ。

でも物販がないと採算が取れないのであれば、単に寿命が長いというだけで遅かれ早かれ死ぬことは避けられない。



人件費がない、家賃もかかってない、物販しなくてもいい。他からの収入があって自転車屋として稼ぐ必要がない。

私はこれを「道楽ショップ」と名付けているが、これから私は道楽ショップを目指さないといけない。

フリーダムは整備だけで存続していけるようになり、アマゾンからの逃走はなんとか間に合ったとは思う。人件費も私1人しかいないからこそ最低限だし、自社テナントにも辿り着いた。
 
しかしテナントを作った際の借金がまだたくさん残ってる。
 
これをコロナと通販が業界を殺しきるまでに返済しきれるかどうかが、今後数年間の最大の焦点だと覚悟してる。
 
 
みんなフリーダムは大丈夫だと思ってるかもしれないけど、なぜか私の危機感は業界でもっとも大きい。
 
それは開業13年来まったく理解し難いことだったけど、つまりそれほど道楽ショップが多い業界だという裏返しだったのに気づいたのは最近だ。
 
 
 
ロードバイクは趣味的な乗り物だから、オートバイク業界は直接的な参考にできる。
 
機材スポーツという点からすればスキーも見るべきだと思ったし、おもちゃという側面もあるからヨドバシカメラやガンプラの販売変遷にも注目してる。
 
でもオートバイク屋もスキー屋も玩具屋も個人経営店は死に絶えた。そして自転車ショップも間もなく死ぬだろう。
 
 
自転車屋が他業界より長生きしてこれたのは間違いなく整備という副収入があったからだ。

他業界が鳴らしてくれた通販への警鐘に気付かず、その猶予期間で物販脱却が進んでいなかったとしたら、潰れる店は何故潰れるのかわからないまま死んでもらうしかない。
  
 
 
最後に…ショップが失くなることは残念なことなのか。
 
そうではなく、残念と思うこと自体がすでにショップ目線なのではないかと思う。
 
 
オートバイクだってスキーだってガンプラだって、ショップが無くなったのに趣味にしてる人はいる。だから自転車屋が無くなっても自転車に乗る人は残っていく。

ちょっとつらいことではあるけれど、ショップは無くなっちゃいけないと思うことそのものを、私は自分で否定していかなければいけない。

 
 
本当は自転車屋が成り立ってほしい。

モノは見て買いたいし、壊れたら直して使いたい。でもきっとそれは無理なんだろう。欲しいものはアマゾンでポチり、車体はテスラのように届き、壊れたら買い替えるだけ。
 
それの何が悪いのか。それが当たり前の時代が来ただけなのだ。
 
 
私はまだ35歳だけど、おそらく誰も、25年後にまだ物販実店舗があるとは思っていないだろう。
 
だからせめて、フリーダムは日本で最後まで残る個人経営店になろう。


 


2021/12/12(Sun)
全日本シクロ。お疲れ様&おかえり。


写真左上がシーラントの中に入ってるトリモチ。

あまりこの状態で見ることはおおくないんじゃないかと思う。

蜘蛛の巣を大量に巻き取った感じに近い。これが空気漏れのところに詰まって塞いでくれてるわけだけど...。
 
 
シーラントは基本は50ml。そしてパンク1回で15ml消費する。

今回は80ml入れて渡したので、つまりパンク2回分。

率直に言って、パンクしにいってるようなものだから。


2021/12/11(Sat)
日記の更新が滞っていますが、何かあったわけではありません。

いままで通り整備して販売して、特に変わっていません。

もちろん、日記の小ネタにしていた内容も量も変わっていません。
 
 

ただ、今の物販状況は、納期が長すぎてバックオーダーが溜まりすぎて、納期の確認や回答やその返信が多すぎて。

今まで日記に費やしていた時間をそちらに使わざるを得ない状況になっています。
 
 
 
少なくとも、年末年始はメーカーやユーザーとのメールのやり取りはいったん落ち着くと思います。

そこで溜まっているネタを日記にしましょう。


2021/11/30(Tue)
本日展示会。

ユーザーのみんなが自転車屋さんに行くような感じで展示会に行く。私にとっての自転車屋は代理店だからだ。

それもコロナによって中止が相次ぎ、すごく久しぶり。今日は2年ぶりの娯楽だった。

コロナの間にマジョーラやグラデーションが流行したけど、展示会が無いがために実物見たことないバイクが沢山増えた。

あんなカラーリングはネットの画像じゃわからない。接客でもわからないとしか言えない。



日本国内には60社ほどの代理店があり、うちフリーダムの契約は40社ほど。

これは個人経営店としてはかなり多い方。


私はフリーダムを特定のメーカーに偏ったコンセプトストア系にするのを避けていて、契約できるところは片っ端から契約している。
 
もちろんそれは、お客さんが欲しいものがなるべくフリーダムこら納品できるようにするために。
 
 
巷ではルック専門店みたいに思われてるかもしれないけど、私自身はそんな考えは毛頭無い。
 
もちろん私がルックに乗ってるからってお客さんにもルックを勧めるなんてことも一切無い。
 
お客さんが何を欲しがるかなんて私が知ることではないから、お客さんが何を求めてもフリーダムから納品出来るようにと、だから私は可能なかぎり契約社数は増やそうとしてきた(いる)。
 
 
 
先日、ワイズロードの社内展示会があったとシクロワイヤードにあった。
 
ワイズ専用展示会自体は毎年あるものの、しかしそれが記事になるなんてあったかな?
 
 
シクロワイヤードであれサイスポやバイクラであれ、展示会に行けばメディアの人達に低くない確率で会うし、展示会情報は後日各々のサイトに載る。
 
しかし、ワイズ専用展示会に行ってきたという記事はおよそ初めてみた。

それだけ今は実物見る機会が少ないってことだ、メディアにとっても。
 
 
 
単純にあれは羨ましいとしか言えない。
 
天地がひっくり返ってもフリーダム専用展示会なんてありえないから、むしろこちらからお願いして行かせて貰いたいくらいだった。
 
私は毎週の定休日を使って、各代理店の各展示会にチマチマと通ってるんだから。


 


2021/11/26(Fri)
整備。
 
 
新しいマビックはどうにも耐水性が悪い。
 
昔のFTSLではほとんど問題が起きないのに、現在のダイレクトドライブになってからは錆びてる個体が多い。
 
dtスイスとほとんど同じ構造なのにマビックの方が錆びやすいのはどうしてだろう。

リア車輪の一番左側のベアリングは交換。(写真左上)
 
 
 
あと…この自転車に限って言えば防錆目的で塗りたくったデュラエースグリスがベタベタに飛び散ってる。
 
紙コップの中に入ってるのはセラミックスピードのBBなんだけど、溶剤に漬けただけであまりに黒い。(写真右下)

これはBBアダプターにやクランクスピンドルに防錆用として塗ったデュラエースグリスが、ベアリング内部に逆流してたから。
 
もちろんセラミックの効果は無い。
 
 
 
セラミックベアリングの効力は、玉が硬くて耐熱性が強いから軽いグリスを使えるところにある。

さらにセラスピはシールドも甘いから、防錆グリスを考えないとベアリングの中に吸われてっちゃう。
 
 
 
別に何のグリス使ったって私は構わないけど、それなりに適材というのはあるし、適量に関しては最低限守った方がいい。

この子は防水防錆が全てデュラエースグリスでまかなわれてたため、吸い込んだ砂が研磨剤となって、良かれと思ってやった行為でかえってガリガリに削られてる。
 
 

ちなみになぜかフォークコラムにもデュラエースグリスがベタベタに塗りたくってあった。
 
きっとグリス塗るのが好きな人なんだろう。

ダメなことはないと思うけど、良いこともない。



 


2021/11/22(Mon)
明日は定休日。

特段忙しかったわけではないはずなんですが、なんだかすごく久しぶりの休みな気がします。
  

今は納期のやり取りが長くて、発注作業の1件1件に時間ががかります。

今までは「アレとコレちょうだい」「はーい。明日送りまーす」の一言で終わってたのですが、今は「すみません、アレとコレの納期いつごろになりますか?」「調べますね...折り返します。」「えーっと...アレの納期は〇ヶ月後で、コレは納期はちょっと未定ですね...」「わかりました、いったん先方に確認してきます。」「お世話になりますサイクルフリーダムです。パーツの納期は〇ヶ月後と...納期ついてないですね、どうしますか?」みたいな感じのやり取りが必要です。

折り返しの電話を待ったり、電話中に電話がきたりで、いろんな作業が中断しやすく、気が付いたら18時半とか19時半とかになってしまっています。

そしてこれは少なくとも2023年までは続きます。
 
 
 
 
今度フリーダムに酸素カプセルを導入します。
 
酸素カプセルというと上記写真みたいなものを連想しますが、もっと部屋全面に大きさを広げて、高酸素〝ハウス"を目指します。
  
 
この中でローラーが出来ればvo2maxを超えた領域でトレーニングが出来ますし、ベッドやマットをおいておけばマッサーを呼んだりストレッチも出来ます。

もちろんシンプルに座談会ができますし、メカニック講習はこの中でやってもいい。
 
パリルーベやツールのクイーンステージではパプリックビューイングもできるかもしれないし、レーシングチームのミーティングもこの中でやらせたいくらいです。
 
 
 
なんにせよ目指すのは自転車活動の拠点です。
 
自転車を買うことも修理することも実際にはそう多くあることではなく、乗る回数の方が遥かに多いはずです。だから売ることばっかり考えてると誰も集まりません。
 
この酸素カプセルにしても、本業の整備収入だけでまかなえるならば、みんなに無料で開放したいくらいです。


 


2021/11/22(Mon)
今日、おそらく過去最大級に硬いクリンチャータイヤ(新品)をはめた。

握力に負けて内出血しちゃうレベルのが稀にあるけど、その中でもカコイチの硬さ。

結局2本目はタイヤレバー使っちゃった。
 
 
クリンチャータイヤでレバー使ったのは、フリーダムを始めた13年間で4回目。
 
まだ数えられるほどだから、どれも記憶にある。
 
講習会では「タイヤはめるのにレバーを使おうと思った時点でやり方が間違ってる」と教えているけど、偉そうに言えたもんじゃないな。

 
今は私がお店だからやったけど、自分のだったら他のお店に任せたと思う。ちょっと硬いかもしれないけど、よろしく!ってな軽い感じで。
 
 
 
タイヤの寿命は、買う前にあらかじめお店に聞いといた方がいい。

3000kmなら3000kmで、そんなもんだとわかった上で走った方がいい。

タイヤの耐パンク性能は、メーカーや銘柄よりも、単純に新しいか古いかの方がよっぽど重要。

タイヤが古ければ何を使ったってパンクしやすいから、そこを分かっておかなくちゃいけない。

みんなパンクした時にすぐにタイヤのせいにするでしょう?ケチった自分がごめんなさいって反省しないでしょう? 
  
メディアは新品しか扱わないから寿命は語れないけど、インプレ読む前に大前提の知識を忘れちゃいけない。


  

整備の合間にコーヒータイム。

お菓子が枯渇してるのは週末に食べ尽くしちゃったから。
  
まだ関東はあったかいので、今整備に入ってきてるのは福島とか新潟とかの人達が多い。だからおやつも地方の銘菓が多くて、無くなるのもはやい。


でも今日の雨が終わったら、いよいよ関東にも冬が来る。

さぁ、整備のシーズンが始まる。

 
 


2021/11/16(Tue)
フリーダムには、他の店で買って他のチームに所属していてメンテだけ診てる人がいる。
 
それに関して私が何か言うことはない。

好きなバイクを買い、好きなジャージを着て、好きなチームで走るのが一番だからだ。

たとえ大阪からフリーダムに来ようとも、フリーダムの近くに住んでる人が大阪のショップに通おうとも、私は何も気にしない。
 
それぞれの好きなようにするのが一番だ。
 
  
 
メディアの取材では店長のこだわりを聞かれることがある。あるいはこだわりの詰まった店だと勝手に書かれることがある。

それは嘘だ。私にそんなものはない。
 
こだわりとはユーザーが持つものであって、ショップが持つものではない。
 
ショップは技術と知識を与えるだけであり、すべての選択肢はユーザーが持つ。それを弁えておかないと、ショップのこだわりはユーザーへの押し付けに変わる。
  
 
 
フリーダムのホームページのスタッフ紹介の項目には、28歳の頃に書いた文章と23歳の頃に書いた文章が残っている。
 
一方で新店舗を構えた34歳の時に書こうとした紹介文は、2年も経とうとしているのに未だに「執筆中」のままだ。これは以前書いた文章以上に付け加えたい何かが無いからに他ならない。

見方を変えると、これはこれでいいのだ。

フリーダムが成功するときは私がユーザーだった時の感覚を忘れなかったとき。フリーダムが失敗するときはショップの都合を優先するようになってしまったとき。そんなに遠くない過去に、そう書いた日記がある。
 
「好きなバイクを買い、好きなジャージを着て、好きなチームで走るのが一番。」
 
私がこれを思わなくなった時にフリーダムは失敗する。
 
  
 
私はフリーダムを日本で一番儲かっている店にしたい。
 
貧乏人が与えられるサービスなんてたかが知れてるからだ。逆説的には、フリーダムが最高に儲かればこそフリーダムのお客さん達は最高のサービスが得られるだろう。
 
フリーダムは工賃は安いし、他店購入も可だし、工具も貸し出しするうえにセルフ洗車は800円。ケータイもメーターも充電出来るし、トレーニングスペースもシャワールームもお金とってない。どうぞご自由に使ってもらって構わない。
  
 
他の店でバイクを受け入れ、他のチームのジャージを許し、他のチームで走らせる。
 
他店がやらないサービスを実現することで、他のショップらは自身のこだわりがユーザーへの押し付けとなっていることを認識し、いかに自分で自分の首を絞めてたかを反省するだろう。
 
それは日本全体のショップの質を上げる。だから絶対にフリーダムを成功させる。

 


2021/11/13(Sat)
C4・ジョーカー。

明確な年式はしらべきれませんでしたが、およそ25年くらい前の自転車になります。

こういうのは基本的にコレクター的な扱いで、クラシック的でミュージアム的な存在です。
 
 
 
久々に大変だったというか、自転車屋が必要だなって思いました。

最近の自転車って簡単でしょう?

電動コンポ繋げてスマホでポチポチして、ディスクブレーキは注射器でオイル流し込むだけ。

そのうち自転車屋なんか無くなって、車輪を直す人だけがひっそり残るだけなんじゃないかと思う時があります。
 
 
 
しかし新車は簡単でも、中古車は違います。

まして何十年も前のものであればなおさら。
 
 
こんなのは仮に工具を持ってたとしてもショップに任せて、工賃は保険代だと思って、壊れたらショップの責任にするのがいいと思います。

フレームもパーツもあまりに強度がなくて、やってる身からしても整備が怖かったです。


 


2021/11/6(Sat)
今日は千葉公園でマウンテンバイクの日本選手権。

その洗車場としてフリーダムを午前中から開けるため、5〜8時で朝練。

寒さが寒くて寒かった。

今冬初の味噌汁。コンビニの味噌汁より美味しい食べ物はなかなか無い。
 
 
 
帰りに大会の会場を見てきた。

ピスト6であれMTBであれ、イベントの出どころは同じ会社。

その理念は、自転車知らない人達にアピールすること。
 
 
悪い言い方をすれば、今自転車に乗ってる人は誰に言われずとも少なからず勝手に乗りつづけると思う。

でも今いる人たちは少しずつ減っていってしまうから、新規顧客を増やす活動をしていかなくちゃいけない。
 
  
 
ショップは、今の人が気持ちよく活動できるためのアシストしかやれない。店を構えて、どこかで勝手に興味を持った人が来るのを待ってるだけ。
 
イベントも同じ側面はあるけど、例えば修善寺でMTBの日本選手権やったところで関係者しか来ないだろう。

だから都市部で大会をやる意義は業界の外にある。ショップに出来ないことがイベンターには出来る。
  
 
 
昨年よりもメーカー協賛や他業種からの協賛が増えてた。

それは良いことだ。


今日はきっと暇だろうな…

私がお客さんだったらフリーダムじゃなくて千葉公園行くから。

すこしのんびりしょう。


  


2021/11/5(Fri)
ピスト6のイルミネーションライダーをやってきた。

普段から練習会は行なっているものの、木製バンク(45°)を低速で走れる人を揃えるのは難しい。特に平日の5時となれば。


基本的に私はお店があるため、どうしてもという時だけ声をかけて下さいと伝えてあった。個人的にはそれは「一生のお願い」に近いものだけど、あっさり出番が来た。



ピスト6は今日が初めての有観客レース。

招待されるのは業界関係者(社)や参加を見送った選手ばかりだから、どうしても人数を揃えて生放送したいという運営の願いだった。

フリーダムを休むには足らない報酬が出るが、額面の問題ではない。これは友人の頼みであり、何も私の仕事ではない。
 
 
 
何かを変えたいと思ったら新しいことにチャレンジするだけで足りず、チャレンジを成功させないといけない。
 
出る杭が叩かれるのは当たり前。既得権益を奪えた人しか次の時代に作れない。
 
 
世界的にも稀な都市近郊のベロドローム、100億円もかけたプロジェクトで自転車界を変えられないのならば、もはや誰も変えられない。
 
沈みゆく自転車界の中で、なんとしてでも成功してもらわねばならない。

 


2021/11/4(Thu)
最近は、グラベルロードと105以下エントリーグレードが統合するんじゃないかと言われるようになりました。

エンデュランスロードにブロックタイヤ履かせるのと、グラベルロードにスリックタイヤ履かせたのと、見分けがつかないからです。


クルマでも似たようなことがあります。

「え?この車格とこの車格って何が違うの?」みたいなやつ、それと似たようなことが自転車にも起こりつつあるのです。



基本的にロードバイクのトレンドはヨーロッパで生まれて、そこで話題になってから約1年後に日本に入ってきています。

これはオンロードオフロード問わず昔から同じであり、海外から日本に輸入される時差も、日本国内での浸透の時差も、どこで切ってもだいたい浸透するスピードは等倍なようです。

だから私達ショップは、英語で書かれた論文と海外のサイトを徘徊しまくるんです。

1年後に日本で最新の流行を求めてくる人に説明できるようになっておくために。
 
 
 
こないだトレック・エモンダSLRディスクをフルメカニカルで組む件がありました。
 
フレームもコンポもワイヤーも、現状で考えうる最高スペックのパーツを全部盛りましたが、最終的にフロントブレーキは動きませんでした。
※ディスクブレーキロードの場合、屈折箇所はフロントの方が1箇所多い。
 
 
ポジションは-17度のステムをベタ付けで、ワイヤーはステム内部ではなく下を沿わせる必要があったため、ワイヤーは90°以上に折れてしまいます。
※ステム内部よりステム下部の方がルーティングが厳しいです。

ノンスペーサーではまったく動きません。3mmでは動くか動かないかの瀬戸際で、5mmのスペーサーを1枚挟んでギリギリ安定したので、それで納品させてもらいましたが、最終的に当該ポジションに対応できるメカニカルコンポは世の中に無いという結論で終わりました。
 
 
 
ロードバイクの開発は、ハイエンドからミドルグレードを経てエントリーグレードにトップダウンしていきます。
 
現在のハイエンドバイクはハンドルからステムからフレームまで完全フル内装が当たり前になりました。
 
となるといずれはエントリーグレードまでそれが降りてくることを覚悟しておかなければいけません。
※ショップは整備スキルのことを、ユーザーは相応の工賃を支払うことを。
 
 
 
このとき下位グレードのメカニカルコンポには強いポジションに対応できる性能がないため、たとえエントリーグレードであっても油圧ブレーキと電動変速が要ります。
 
それこそが105とGRXの統合であり、あるいはティアグラのDi2化です。


そして前述した、エンデュランスロードとグラベルロードの見分けがつかないという点。
 
エンデュランスロードという言葉は約8年前、グラベルロードという言葉は約4年ほど前にそれぞれ誕生した、どちらもかなり若いカテゴリーです。
  
エンデュランスロードは日本だと「乗り心地が良いバイク」くらいに定着しましたが、もとはパリ〜ルーベ専用のスペシャル機材です。
 
グラベルロードは単に未舗装悪路用、くらいでしょうか。
 
 
パリルーベが未舗装悪路というレベルで済むかどうかは別として、少なくともシクロクロスは人為的に難しく作ったコースをクリアするための機材ですから、走破性は別格です。
 
オフロードの走破性能をロードバイクを0、シクロクロスを100とすると、エンデュランスロードは20〜30、グラベルロードは30〜60といったところでしょうか。
 
 
グラベルロードのジオメトリーが各社バラバラなのは想定している路面が違うからであり、シチュエーションでジオメトリーが変わるのはトラックバイクからMTBまですべて同じ理屈です。
 
そしてエンデュランスロードもグラベルロードも、やってることが大して変わらないから統合してしまえという内容です。
 
似てるのにわざわざ分かれたあと、やっぱり似てたから元に戻るだけなんですが、そこにロードバイクのエントリーグレードも加わろうとしています。
 
いずれ加速反応性を求めたロードレーサーはデュラエースとアルテグラだけになり、105やGRXとティアグラは28cや32cのタイヤを履かせたオフローダーへと分かたれていくのかもしれません。


 


2021/11/1(Mon)
10月31日をもってフリーダム12年目が終わりました。

今日から13期が始まります。
 
  
今年の成果としては、なんといっても別館が建ったことです。
 
2年前に移転、1年前に本館が建ち、今年は別館が。非常にはやいペースで増築が進みました。
  
 
 
現状では周囲に土地は残っていませんから、向こう何十年にわたって拡張の余地はありません。
 
千葉ベロドロームの真隣、77坪の土地に250㎡の床面積、自己資本100%、ひとりでやってる店としては全国最大級のひとつになったといって良いと思います。
 
2年前に戻り、今のこれが移転の最終着地点だと知れば、立地と規模ともに満点だと思います。
  
次の目標は繰上げ返済をどれだけはやく出来るかというところになりますが、まだ繰上げ返済出来ない時期なので、しばらくは自然に過ごすことと思います。
 
  
 
別館の融資作業をしていたのが昨年の5〜9月。建築そのものが始まったのは今期の1月〜4月で、引き渡された5月から7月にかけては外構工事や倉庫部分の改修工事でした。
 
この間非常に多くの人に助けてもらいまして、感謝の念が増えました。
 
 
フリーダムが10年以上も続いてこれたことの多くが、周囲の人間関係に恵まれたことと運が良かったことが占めます。
 
今までは他力65%くらいかなと思っていましたが、今では80%くらいに感じます。私自身の頑張りで生み出したのは35%くらいだと思っていましたがさらに減りまして、自力で何とかしたのはせいぜい20%くらいだと。
 
今あるフリーダムの多くは皆んなに助けてもらった、恩寵の塊なんだと思います。あるいは自分が頑張れば頑張るほど周囲の力が増えるのかもしれません。 
 
  
 
自転車界はこれから数年にわたり難局を迎えます。
 
数年前まで不況でダブついてた在庫はコロナ禍の需要で一掃され、ややバブル的に解消されました。
 
しかし現況は極度の品不足によって売上が作れず、経費に潰されるという新たなステージに移りました。
 
 
数少ない製品は大規模ショップにしか並ばず、小規模店にはほとんど製品が届きません。しかし大規模ショップとて店舗維持に必要な商品数には到底足りていません。
 
大小規模に関わらず自転車店は壊滅し、数年後にはお金持ちの道楽ショップしか生き残っていない可能性もあります。

そんな可能性を否定し、なんとか生き残らねばなりません。
 
定期的なメンテナンスが必要なスポーツサイクルにとって何より大事なのは、ユーザーの窓口の数だからです。
 
  
 
その足がけとして、昨年の本館と今年の別館は多いに手助けとなってくれるはずです。
 
お金と時間はかかりましたが、成果はありました。

引き続き頑張ります。


2021/10/27(Wed)
今日は事務室で棚卸の作業を進めているあいだに、お店の掃除をプロにやってもらいました。
 
 
 
自転車の洗車もそうですが、掃除のポイントの多くは道具とケミカルです。

道具の熟練度以前に、どんなの用具と溶剤使えば適切なのかというノウハウが圧倒的に違います。



アマチュア仕事であっても、ある程度綺麗になってれば、あとはワックスで誤魔化して、カッコいい角度で撮れた写真を修正すればインスタ映えは出来ます。

でも実物見て落胆するか感動するかの違いは出ると思うんです。
 
 
写真綺麗に撮ると売上あがるよって同業者から言われますが、「フリーダムって写真で見ると綺麗だけど実際はそうでもないねー」てグーグルの口コミで低評価付けられるのが嫌で、私は写真の練習はしてきませんでした。
 
でも今は、そんなことしなくても綺麗です。

本当は毎日やってほしいくらいです。
 
 
 
 
クリーニングは午前中で終わりましたが、その後しばらく店の中が臭いままなので、今日は臨時休業にして買い物に行ってきました。

そして棚を増設しました。水を置いとくところ。


ホームセンター行ったついでにL字金具と取っ手を買ってきて、倉庫に余ってる木材で。

10分もかからず…上達を感じる!



もともと焼き入れしてある木材なので、クリアを塗るとだいぶ濃いブラウンになります。

お店全体の色調が、ようやく合ってきました。
 
 
真ん中の大きい棚しかなくて、少しずつ増設してきました。だからクリアも真ん中の大きい板にしか塗ってなかったんです。


クリアを塗らないと水拭きが出来ない…というよりクリアを塗ると水拭き出来るようになります。

最初から加工された資材は高いしバリエーションも少ないので、DIYとしてはコレでいいでしょう。


だって最近はオシャレとコストカットが同義語なんだから。


 


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