2015/12/14(Mon)
【当たり前のことが出来ない】


11月28日の、某イベントでのこと。

メリダのロードバイクが、汚い状態で飾られていた。


その個体は直前の24日までフリーダムの店舗内で展示をしていて、25日に返却した時にも再度洗ってきれいな状態で返した。26日にはメリダのメカニックとも電話連絡をしていたのだが、2日後の28日には真っ黒のウエスでこすったような汚れをまとって飾られていた。

あまりにみすぼらしく置かれているメリダのフラッグシップバイクを見ながら、代理店営業担当者に何かあったんですか?と尋ねたところ、実は前日にまた違うところに貸し出したところ、そのまま返されてしまって洗う間もなく今日持ってこざるを得なかった、と嘆かれた。




試乗車を借りたら洗って返す。それが出来ない人が自転車業界にいる。


確かに世の中のショップで、洗車をする環境が無いショップは多い。しかし、だからと言ってソレがなんだ。洗う環境が無ければパーツクリーナー何本使ってでも綺麗にして返すのが礼儀ではないのか。それが出来ないのならば、そもそも試乗車なんか借りるべきではないのだ。



フリーダムの営業担当者は私よりも年上の方なのだが、メリダにも少し怒った。

そういう会社と付き合ってメリダのイメージが良くなることはない。私がメリダだったら相手を怒るし、取引を辞めることも辞さないかもしれない。他人のモノを大切に扱わない人に、自転車の価値がわからない人に、自社の大切な商品を卸すべきではない、と。

ビジネスパートナーだから言葉は選ばないといけないけれど、だからと言って甘え甘やかすのではなく、お互いに注意しあっていくことが必要だ。


(自転車を洗って返すのが当たり前なんて)そんなことを言ってくれるのは岩佐さんだけですよ、と営業担当者はうなだれていたが、それがそもそもおかしい。

おもえば、フリーダムが借りる時もひどい状態だった。2台借りたメリダのハイエンドバイクは、泥にまみれてチェーンは錆びつき、マットホワイトのフレームには油膜がビッシリ。1台は1度の洗車では落ち切らず、2回洗った。

ハッキリ言って、どのメーカーの試乗車や展示車を借りても、それがきれいな状態で来ることは滅多にない。試乗会は毎週のようにどこかで行われているから、スポーツサイクル業界とは、まだそういうレベルの業界なのだ。その証拠が全国各地を巡っている。



メリダにまったく非が無いわけでもない。

仮にそういう会社と取引をせざるを得ないのだとしても、次のイベントに汚れたまま持っていくのは、メリダブランドにとっても良くない。

どこのヤナセにベンツが泥つけて置いてあるだろうか。ハイエンドバイクのダウンチューブのメーカーロゴが黒く汚れていたら、それはSクラスのスリーポインテッド・スターが白くくすんでいるのと同じじゃないのか。

せっかくホームセンターのイメージから脱却し始め、ツールを走る世界のトップメーカーとして認知度も売上も伸びてきたメリダなのに、代理店が汚れた状態でイベントに持って来てユーザーに見せてしまうのはいけない。そこは借り手を恨みながらでもイベントが始まる前に自分たちで綺麗にするべきだった。





最近のイベント会場では、和光ケミカルが洗車サービスをしてくれているのをよく目にする。日記を読んでいる人の中には、和光ケミカルのブースで洗ってもらったことがある人もいるだろう。

活動を始めてから活動を始めてから約5年が経ち、しかしイベント会場に来るバイクの洗車状況が改善してきたかと言えば、おそらくそうではない。



和光ケミカルがなぜあの活動を始めたかといえば、もちろんビジネス的な側面から、「自転車を綺麗にすることは難しくないから、ぜひここで体験していって、今後は自分自身で自転車を洗えるようになってくださいね。」と啓蒙し、以後はショップでケミカルを買って自立してもらうためだ。

しかし現実はどうだろう。イベント会場ブースで和光ケミカルで洗ってもらう人は、「今日も和光ケミカルが来ている、ラッキー!洗ってもらおう!」程度の感覚になってしまってはいないだろうか。

和光ケミカルがいったい何のために今の活動をしてくれているか、今一度考えなおす段階だと感じる。


和光ケミカルの営業担当者が先日フリーダムに来た時に、「イベント会場で無料洗車をすればユーザーが洗車に興味を持ち、小売店店頭でケミカルを売ってくれるようになる…という当初の目論見は外れ、ユーザーが無料サービスに甘え始めていると思った方がいい」と言いきった。


和光ケミカルの営業人数は5人。平日はバンセールスに奔走し、週末は朝早くからイベント会場で設営し、丸一日中バイクを洗い続ける。それは相当な労力だろう。和光ケミカルの無料洗車は本来有料に値するサービスだし、ビジネス的にもユーザーに自立していってもらう必要があるはずだ。


そのためにはまず小売店を教育していかなければいけない。


というのも、現状は洗車が出来る小売店が少ないという問題があるように感じるからだ。今はまだ、イベント会場で和光ケミカルの洗車を見ても、いざ製品を買いに小売店に行った時にケミカルの使い方を教えてくれる人がいない、という段階でストップしてしまっているのではないか。

実際に和光ケミカルは、イベント会場でユーザーに対して洗車を説明しても、小売店に対しての講習会を開いてはいない。つまり小売店は和光ケミカルを使った洗車のやり方をわかってない。


誰しもイベント会場で一度洗車してもらっただけでは覚えきれないから、イベント会場で洗車サービスを受けたユーザーに対して再度ショップに行くように促し、ショップの講習会を経て、最終的に自立していってもらえるようなシステムを作らなければ、今やっている和光ケミカルの活動は実を結ばない。

そう、少し厳しい口調で伝えておいた。



小売店窓口という生々しい接客商売を始めてから6年、世の中は“やってあげている”という考え方では上手くいかないのを身をもって感じてきた。逆に、“やってもらっている”という姿勢を貫いていれば、案外上手くいくのもよくわかった。

そして自転車業界は特に、オレがメーカーから自転車を買ってあげている、オレがユーザーに売ってやっているんだという意識が強いようだ。


『試乗会をやってあげたんだから、洗わずに返したって文句言うなよ』

とでも言うのだろうか。


2015/12/5(Sat)
12月に入り、冬季練習を始めました。

沖縄以来3週間ぶりだろうか、もっと言えばジャパンカップの落車以来だろうか、少しモチベーションが上がらない時期が続いたので、自然と自転車に乗りたくなるまで放っておきました。

それでもまだ午前中のジョギングと、仕事後に30分のローラーと30分の体幹トレーニングで1か月ほど過ごす予定です。



なぜ練習するかと言えば、それはもちろん自転車で速く走れるようになりたいからです。

だから、練習をする前にまず、自転車で速く走るためにはどうすればいいか、を考えなくてはいけません。


速く走るには??と問うた時に世間的に返ってくる答えは、重たいギアを踏むこととケイデンスを上げることの2つですが、もっともっと源流を辿ると、姿勢を下げる、という事に辿りつきます。

速度が上がっていったときに、どこかで空気抵抗に抗うために必要なパワーやケイデンスが追い付かなくなってきますが、姿勢が下がっていないとものすごく低い段階でその限界点を迎えてしまいます。

だからある程度の速度域まで来ると、姿勢を下げた状態でパワーを出すか、姿勢を下げた状態でケイデンスを上げるかの、どちらかが課題になってきます。ただしそれは非常に難しい課題です。



例えばそれが、姿勢を下げることがジャンケンのグーだとして、パワーを上げることがパーだとして、姿勢を下げながらパワーを出すのは、グーを出しながらパーも出しなさい、という事になります。

グーもパーも、それ単品で行うのは簡単ですが、グーを出しながらパーを出すというのは、矛盾していてわけがわからない。


ただ、最近は少しそれが出来るようになってきた気がして、低姿勢でパワーが出せるようになれば48~52km/hに対応が出来るようになる、という事がわかりました。

あくまで私の経験からくる数字ですが、

ケイデンスだけだと、27~33km/h
パワーだけだと、35~38km/h
低姿勢だけだと、38~41km/h

くらいがクリアできます。それが

グーとパーを同時に出せるようになると、48~52km/hまで対応してきます。2つ以上を掛け合わせた時の伸び率は飛躍的ですね。プロ選手やトップアマチュアのベース速度はだいたい47km/h前後ですが、それはつまりグーとパーを同時に出せるようになった人、という意味合いになります。

そして中には54km/hくらいで巡航できる人が存在します。世の中にはグーとパーを出しながら、さらにチョキ(ケイデンス)まで一緒に出せる人がいるんです。最たる例はカンチェラーラですね。



低姿勢とパワーを掛けあわせていったとして、どんなにギアを挙げようとしても、基本的には53×11Tまでしかありません。

48km/hの世界から54km/hの世界に入っていこうとすると、グーとパーだけでは辿りつけないと感じています。低姿勢と大パワーに加えて、さらにケイデンスが必要になります。


私はグーと一緒にパーは出せても、グーと一緒にチョキを一緒に出すことができません。

というよりそもそもチョキ自体が苦手なんです。

レース中にパワーでサボってしまうこと多くありますし、長距離レースやヒルクライムに対応できないのは、ケイデンスで走ることが苦手だからでしょう。ピストバイクの練習をした方がいい言われることが多いのも的確な指摘です。



ですから、この冬のトレーニングのノルマは、低姿勢でケイデンス走が出来るようになることです。私は周りの選手よりも体が大きいので、低い姿勢を崩してはいけないのは常に付いて回ります。

難しい要求ですが、要求が多いという事は、それがクリアできた時に超えられるハードルが高いという事でもあります。

低い姿勢でパワーを出さずにケイデンスを上げる。冬は寒いので、パワーを上げるとケガにもつながるでしょうから、そういった点でも、冬季に低姿勢でケイデンスを上げる練習をするのは理にかなっているかもしれません。

晴れてグーとチョキとパーをが全て一緒に出せるようになった暁には、私は50km/hの壁と長距離レースの壁が両方とも突破できている…はず!!



この冬の本当の課題は低燃費走行が出来るようになることですが、その副産物がいくつか見込めます。ひとつのことをして、いろんな部分に効果があらわれるのは間違いなく、速い事と楽な事が同じだからです。

やりたい事はペダルを漕ぐ事だけなのに、出来ない事が多すぎますね。


2015/12/3(Thu)
昨日は工具屋さんに行ってきました。

新型のプラスドライバーの新規購入と、ハサミを新しくしました。


実はフリーダムの近くに刃物の砥ぎ師さんがいて、ハサミの手入れはその人に任せているのですが、3年使っていよいよ寿命を迎えました。

工具を捨てるのはすごく抵抗があって、私は実は捨てません。基本となる六角レンチの5番が1本完全に折れて使えなくなってしまったのですが、情が移って捨てられません。工具の供養をしている神社もあるくらいですからね。

また、消耗したといっても、あくまでお店レベルで使用に難があるだけで、そういったものはお客さんに上げてしまうことも多いです。



今回のハサミも、油ものや粘着物さえ避ければまだまだ使えるので、車の中にでも積んでおく予定です。

フリーダムで使っているハサミは3000円くらい。計測器につかうインシュロックくらいならサクッと切れるモノです。もちろんビニールテープや紙を切る程度なら100均のハサミでも十分ですが、良いものを使うに越したことはありません

工具も視覚的なパフォーマンスのうちですし、自分の愛車がどういう工具で整備されているのかというのは、お客さんも気になるところだと思います。仮に手入れをしていない工具があれば、そういうのはちゃんと見られているはずです。


だからと言って高級なばかり揃えているわけではありません。スナップオンやネプロスといった高級工具じゃダメなんてことはなく、KTCで十分すぎると正直に思っています。



ただ、ロードバイクを始めたばかりの人に、携帯工具の購入を薦める本とかありますね。

個人的にそれだけはおススメ出来ません。

それは例えば誰かに、携帯工具だけで自転車を組み立ててくれって言われたときに、同じクオリティーで出来る気がしないんです。



先にKTCで十分だという話をしましたが、仮に1つのバイクを、全てKTCの工具だけで組み立てたバイクと、自分の好きな工具で組み立てたバイクでは、おそらく差は出ません。

出てくる差としては、1時間で組めるはずのバイクが1時間10分かかってしまったとか、そういう差であって、納品時の品質に差が付くことは無い…と思います(想像)。

ただ、携帯工具だけで自転車を組み立てろと言われたら、おそらく性能差は…出てしまうんじゃないかと思います…たぶん。もしかしたら出ないかもしれないけど、100%ととは言い切れない…かもしれません。




いちおうですが、私もお金をもらう立場として、自転車を1万5千台くらい作ってきました。まがりなりにもお店は6年間黒字で存続していますし、その間にお店に来た自転車は全て1人で診てきました。

ただ、それだけ自転車を組み立てて来た人間であっても、いまだに携帯工具の危うさは拭えていないという事を知ってほしい。携帯工具はあくまで、出来なくはないというレベルであって、携帯工具でも出来るよなんていう言葉づかいは、とてもじゃないけど出来ません。



私の考えがプロの総意とは言えない(かもしれません)が、

『プロは携帯工具で組み立てたバイクでお金を取る気が起きない』

というのはぜひ覚えておいて欲しい。

まして自転車を始めたばかりのお客さんに対して、念のため携帯工具も持っておいた方がいいよ、なんて意見は私には無く、自転車を始めたばかりの人が携帯工具を持っても何の念にもならないと思っています。

所詮チャリだろ、ってナメてる人がい~っぱいいるのはわかっていますけど、たとえそうだとしても、携帯工具を最初から持っていても、そんなの『形から入った』なんて絶対言いません。



自分の自転車を自分で整備するという点にあたって、最初に買うであろうドライバーや六角レンチという基本の工具は、絶対にちゃんとした工具を先に買うべき。たとえそれが2度手間であっても。

サドルバッグにもツール缶にも、普通の工具はちゃんと収まるから、その工具でしっかり整備が出来るようになって初めて、携帯工具の有用性が出てくるのだと思います。

でもちょっとだけなんだからねッ!!




今度、携帯工具だけで一度ロードバイクを組み立ててみようと思います。

そしてその時に感じたことを日記に書いてみようかな。


『795を携帯工具だけで組み立ててみた』なんて事を雑誌の特集にしてみたら、各種工具の選択基準や、整備のポイントとして良い紹介記事になるんじゃないかなァ…。



2015/11/30(Mon)
11月19日の日記で、


使用に差し支えない程度にわざとネジを緩めておくことで、落車時のダメージを吸収してもらうように仕向ける。

落車があった時に、より安いパーツや交換しやすいパーツに対してダメージが行くように組み立てておくことが実践的


という内容を書きました。

先週末のイベントでフリーダムのお客さんが落車をし...((それ自体は良くない事ですが))…その自転車の壊れ方について紹介しておきます。



写真を見ると、ハンドルに対して左右の両レバーが内側に曲がっています。

この曲がり方は落車時の衝撃吸収として理想的。こういうレバーの曲がり方をした場合、ダメージはレバーのクランプ部でだけでとどまっているケースが多く、ハンドル本体やレバー本体、コラムチューブにまで被害が及んでいることが滅多にありません。

仮にレバーを強烈に締め付けていた場合、およそレバー本体の割れ、バーテープの巻き終わり部分あたりでハンドル本体の割れ、コラムチューブやフォーククラウン周辺の割れのいずれかになってきます。


前日記では、MAXトルクと固定するために必要なトルクは違うから緩まなければMAXトルクまで締める必要が無いとありますが、つまりMAXトルクから固定に必要なトルクを引いた余剰分が、対衝撃においての吸収力に回っているという事です。



一方でフロントホイールは被害が甚大です。

リムが左右両側で剥離しており、これはパンクして静止するまでにリムで走っていたことを示しています。


ホイールの購入時において、しばしばチューブラーリムはタイヤの維持コストが高い事がネガティブな面として挙げられていることが多いです。クリンチャーならばチューブ代だけで済むから、と。

しかしそれは本当でしょうか。

チューブラータイヤのパンクでは、パンクしてからも、しばらくの間空気が抜けきらないことが多いです。また、もし一気に抜けたとしても、最悪タイヤがリムに貼ってあるため、ホイールにまでダメージが及ぶリスクがほとんどありません。

対してクリンチャーのパンクでは、パンク直後に空気が一気に抜けてしまいます。仮に下り坂でパンクした場合はどうでしょうか。タイヤがつぶれてトレッドが破け、タイヤがよれてリムで直接走ってしまう事も十分に考えられるでしょう。

実際に今回の件でもそうなってしまっています。タイヤは使用不可能になり、リムも復元できるかどうかかなり微妙なところまで傷ついてしまいました。チューブラーであれば、パンクしてもタイヤがリムを守ってくれている、ということをどれほどの人が理解しているか疑問です。



また、ブレーキシュー面がカーボン繊維でささくれ立ってしまった場合、チューブラーリムであれば使用に差し支えない程度まで復元することが、そう難しくありません。程度にもよりますが、かなりの場合で助かっていることが多いのです。

しかし、タイヤをリムにひっかけているだけのクリンチャーリムの場合、外側がささくれただけなので補修しました、という事が強度的に難しい場合が出てきます。アルミですら使用不可能になる場合があるのに、それがカーボンだったらどうでしょうか。

クリンチャーホイールのパンクが安く済むと思っている人は、パンクしてもタイヤやリムが傷つく事は無いと思ってはいませんか?




私たち小売店やメディアは、商売として良いところを褒めるのは簡単です。逆に自分が売りたいと思っている商品に対してネガティブな側面を伝えるのは難しい事かもしれません。

今業界が流行らせようとしているカーボンクリンチャーホイールにしても、パンク時のリスクがカーボンチューブラーやアルミクリンチャーよりもはるかにシビアな事を、誰が伝えてきたでしょうか。



流行というのは必ずどこかに仕掛け人がいて、私たち“売り手側”は、それに則ったポジティブな意見しか言いません。

だからこそネガティブな面は、ユーザー自身で見つけるしかないんです。


わかりやすいメリットと、わかりにくいデメリットも、天秤にかければ等量であることは少なくありません。



2015/11/27(Fri)
以前日記で、「試乗会やる時は送料が高くて…」と書いたのですが、今回のヨネックスの試乗会は、ヨネックスの方に自転車を持って来てもらった上に取りにも来ていただきました。

嘘ついて、すみません。

そんな至れり尽くせりのヨネックスの展示会が終わり、そして何を飾ろうか…。



最近は業務の合間を縫って、ストア・エキスプレスを見ています。

ストア・エキスプレスとは、店舗装飾用のシステム什器やディスプレー用品などを扱う会社で、インテリアショップとかインテリア雑貨のお店版…そのカタログです。


私は自転車に宝石っぽいところを感じています。すくなくともインテリアの置物として十分成り立つ素質があります。

“お店を作る”という事にあたって、その基準にしているのは、「家感」を出すことです。内装が白いのも、柱が木目調なのも、その1つです。

家にロードバイクが飾ってある…お店の展示にはそんなイメージを持っています。



同じものを同じ値段出して買うとしても、高級感を感じながら買った時の方が、「買い物」としての満足度は絶対に高いはずです。

私は趣味としてミニカーを集めているのですが、ミニカーも飾るケースによって中身の高級感が変わってきます。プラスチックケースからアクリルケースに、アクリルケースからガラスケースになるたびに、たとえ中身が変わらずとも高級感が上がっていきます。

自転車のパーツにも似たようなところがあって、飾るにも高級感を持って飾りたい。ましてロードバイクのパーツは高級感があるだけじゃなく実際に本当に高いので、お店側もそれにふさわしい飾り方をしなきゃいけないと思っています。



インテリアの小物を箱ごと飾るというのはあまりないですから、自転車のパーツもダンボールやビニールを避けることで、劇的に「家感」が増してきます。

フリーダムでは基本的にパーツは箱から出して飾っているので、あまりケース棚は使いませんが、棚本体は必要です。ロードバイクのパーツは基本的に金属かカーボンですから、木と合わせるとギャップ萌えして映えます。

ミニカー用のコレクションケースも、高級なものはみんな木製ベースですし。



木はいいな…

そんなことを思いながらストア・エキスプレスのカタログを眺めているのですが、木製ラックはステンレスラックの3倍も高いんです。

ごっそり入れ替えるとしたら100万円くらい必要なのですが、とてもじゃないけどそんなお金は出ません。直接売上に結びつかないものに対してお金を使うのは非常に難しいものです。


まだ書いてる途中ですが…つづく。

嘘です、続きません。


2015/11/24(Tue)
レーシングゼロカーボンとレーシングクワトロカーボンのインプレッション。


比較の参考として、ノーマルのレーシングゼロと、ジップ・303も追加。

基準にしたホイールは9000系デュラエースC24クリンチャー。各ホイールに履き替えるたびに、必ずデュラエースで感覚をリセットしながら3時間ほど比較した。

コメントは簡易的で、点数がほぼすべて。



ただし車体は共通でも、タイヤが全てバラバラ。各タイヤの差を考慮しながら私の脳内で整えただけのものなので、どこまで参考になるか疑わしい。



●デュラエース・WH9000-C24-CL
タイヤはマキシス・コロンビア―レ。23Cで7.8bar

軽さ 100
硬さ 100
加速 100
自転車を振った時の軽さ 100
安定感 100

今回の基準をこれとして、これより優れていれば点数が増え、減っていれば劣っているものとする。


●フルクラム・レーシングゼロ
タイヤはエクステンザR1G。23Cで7.8bar

軽さ 110
硬さ 140
加速 120
自転車を振った時の軽さ 150
安定感 70


●フルクラム・レーシングクワトロカーボン
タイヤはコンチネンタルGP4000S2。23Cで7.8bar

軽さ 70
硬さ 95
加速 80
自転車を振った時の軽さ 80
安定感 70


●フルクラム・レーシングゼロカーボン
タイヤはコンチネンタルGP4000S2。25Cで8.2bar

軽さ 95
硬さ 120
加速 105
自転車を振った時の軽さ 95
安定感 90


●ジップ・303
タイヤはヴェロフレックス・エクストリーム。22Cで7.8bar

軽さ 150
硬さ 105
加速 300
自転車を振った時の軽さ 350
安定感 95




まずはレーシングゼロ(ノーマル)のにおいて。デュラエースから乗り換えた時に、まっさきに感じるのは剛性と腰高感。特に剛性においてはたわませることが不可能だと思うくらい硬い。ただ良く進む。「走っている」から「進んでいる」に昇華する区切りとして、個人的にアルミホイールで敵うものなしと思う。


それに比べると、レーシングクワトロカーボンは、雑誌などのインプレ記事で何か書かなければならなくなった時にコメント内容に困るレベル。お店の日記でもあまり言及しない方がいいだろう。以前マビックで、キシリウムSLRとCC40Cを比べた時も似たような差を感じたことがあるが、アルミクリンチャーとカーボンクリンチャーの差ってこのくらいのものだと思う。


レーシングゼロカーボンとレーシングゼロアルミと比べると、カーボンの方が安定感が優れていることがわかった。リムがカーボンになると安定感が増すのだろうか。そのかわり軽さも硬さも低くなった。全体的な性能は半額のデュラエースとトントン。


そんな比較をして行った時に、303は上記のホイールに比べるともはや青天井とさえいえる。今回の比較対象としては絶対に不適切だったと反省しているが、レーシングゼロカーボンとレーシングクワトロカーボンの価格が26万円と21万円であることを受けて。


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カーボンクリンチャーにとっては厳しい結果だと思う。重ね重ね、チョイノリ程度なので、乗り込んでいった時に良さが発見できることを願いたい。

デュラエースのC24-CLは比較対象としてよく使用するけれど、使うたびに出来の良さを再認識させられている気がする。主役がフルクラムだったこともあり、圧倒的な安定感と安心感が際立っていた。



2015/11/19(Thu)
ヨネックスの自転車が届き、全体的に手直しをしました。どう使っても良いですよとお墨付きをもらったので、レバーやハンドル、サドルの角度等のシルエットの修正をば。


また各部ボルトの締め直しをしました。

代理店の営業さんが組み付けることの多い試乗車にはよくあることですが、ヨネックスの試乗車のボルトも非常に硬く締まっていました。

例えばハンドル回りは、レバー+ハンドル、ステム+ハンドル、ステム+コラムの3か所がボルトで止まっています。それぞれにMAXトルクが記載されていますが、その通りに締めつければ良いというわけではありません。

これらのボルトを締める時に気を付けることはもちろん使用時に緩ませない事ですが、逆に緩まないのであればMAXトルクまで締める必要が無いともいえます。そもそもMAXトルクと固定するために必要なトルクは違います。


これはモトGPのオートバイクなどで良く見られるテクニックですが、使用に差し支えない程度にわざと緩めておくことで、落車時のダメージを吸収してもらうように仕向けるわけです。

たとえばレバーの取り付けボルトを硬く締めると落車時にハンドルが曲がったり折れたりしますし、ステムのボルトを締めつけるとコラムチューブ(フォーク)にダメージが移ります。

各部位が、鉄なのかステンレスなのかチタンなのか、アルミなのかカーボンなのかを考慮しながら、落車があった時に、より安いパーツや交換しやすいパーツに対してダメージが行くように組み立てておくことが実践的です。




お店のインフォメーションボードをヨネックスバージョンにしました。フレーム価格は40万円、完成車価格はASKです。


「ASK」ってかっこいいですよね。

私はスーパーカーが好きで、スーパーカーの雑誌をよく読みますし、スーパーカー屋さんにも良く行きますが、スーパーカーの値札には必ずと言っていいほどASKと書かれています。

個人的に「ASK」って書いてあれば全部スーパーカーなんですよ!!


…というのは謎理論で、スーパーカー市場はセカンドマーケットで時価だからですが、フレーム×××円、完成車ASK円、というのは自転車に置いて非常に理にかなった表示法だと思います。

現在のお店に鎮座しているヨネックスも完成車で60万円~160万円と差が大きく、自転車はフレームとその他の各パーツが違うメーカー同士の組み合わせなので、フレーム価格と完成車にした時の価格も別枠として捉える必要があります。



ですからこのインフォメーションボードはハイエンドフレームよりもむしろ、始めて買う人に対して役に立っています。

お店には通常はアンカーの完成車が置いてありますが、始めて買う人に対しては、

アンカーとはフレーム会社だよー、
ホイールはホイールメーカーでハンドルはハンドルメーカーだよー、

という事をまずは覚えてもらわないといけません。

カタログ完成車はメーカーが勝手にアッセンブルしたもので、ここにある展示車は私が勝手にアッセンブルしたもの。本当はそれらを1つひとつ自分で選ぶ必要があるし、いろいろなメーカーを集めて来て最終的に1つの自転車にまとめるのが、“こういうお店”の仕事なんですよー、

などという説明を、1時間くらいかけてしています。

もちろんほとんどの場合がカタログ完成車かオマカセになるのですが、最初にこの話をした人としなかった人で、のちのちの上達スピードに格段の差が出てきます。



このインフォメーションボードを使うと店内の展示台数が減るのですが、高級感も出るし、フリーダムで気に入っている部分の1つです。

それにしてもヨネックスのロゴって、伊藤園(お茶)みたいですよね。


2015/11/19(Thu)
ヨネックスの展示車が来て、お店がヨネックスのショールームみたいになりました。

たまにはこういう画一的なコンセプトもいいですね。



今回の試乗会はヨネックスの方から案を受け、二つ返事でOKしました。販促的にはナルシマフレンドやシルベストサイクルでやる方が効果は高いはずですから、こんな小さな店でやってくれるのは、非常にありがたい事ですね。


ただ、一言に試乗会といっても、コストは安くはありません。

自転車5台分の送料は少なくありませんし、それが納入時と返却時の2回分となれば、バカになりません。仮にヨネックス1台分の利益が10万円だとして、その半分くらいが送料で消えてしまいます。

また、ダンボールから取り出して自転車を組み、残ったダンボールを倉庫に保管するのも大変。5台まるっと洗車するのも1時間くらいかかりますし、返却時にはもう一度同じことをします。試乗会では私も付きっきりになるので、全体的な労力でいえばヨネックス1台分の利益くらい軽く超えてしまいます。

“小さな店”というのは売上的な面もそうですが、労働力的な面からも言えます。直接的な現金ではないので一概には比較できませんが、アルバイトに「コレやっといてー」では済まないのも確かです。



例えば今回の試乗会をしたとして、1台売れたとします。

昨年はフリーダムでヨネックスが2台売れたのですが、それが今年3台になったとしても、お店の売上が20万円から30万円に増えただけです。新規のお客さんが1台買ってくれたとしても、1年間の全体の売上高から見ればほとんど変わりません。

既存のお客さんがフレームに40万円用意したとしたら、たとえそれがヨネックスじゃなくても40万円をフリーダムで使ってくれるのだと思います。私が乗るわけではないので、お店でヨネックスが売れようがルックが売れようが、私には大して重要ではありません。

そもそもフリーダム自体が、自転車を売って生計を立てている店ではないという事も前提にあります。



そこまでケチョンケチョンに言う試乗会で、ではいったい何が大事なのか。

それは、ヨネックスが売れることです。

フリーダムで売れようが、余所の店で売れようが、そこに大きな差はありません。数か月前にヨネックスの人から「フリーダムから直近の店にヨネックス卸してもいい?」と電話が来た時、私は即答でOKしました。だから今回の試乗会で、他の店の人がフリーダムに試乗しに来て他の店で買ったとしても、私は一向に構いません。

今回の試乗会では、ヨネックスが人目に触れる事そのものが大事なんです。



ヨネックスは唯一のmade in Japanなフレームです。日本のロードバイクの中でも飛びっ切り特別なフレームだと思っています。

そして発売直後からいきなり世界トップクラスの性能を持って生まれたカーボネックスが、世界の一線級を走る姿を見てみたい。バドミントンしかり、スノーボードしかり、きっとヨネックスならツールを走ってくれる。

少なくともそれを応援できない店にはしたくないと思っています。



いずれフリーダムなんか歯牙にもかからない規模になってくれるヨネックスも、今はまだアマチュアがアマチュアのために作っているメーカーです。

ジオメトリーの整合性や開発方向には疑問点もあり、そこに協力できるうちは協力したい。アマチュアがどんな使い方をしているか、プロレーサーとアマチュアレーサーとホビーサイクリストの求めている事の違いなど、小売店として還元できる情報や、ヨネックスがこれから先覚えていかないといけない部分はまだまだありそうです。


しかしその前に、大した脚力を持たない私が出来る最大の協力が、小売店としてヨネックスの販促活動を手伝うことだと思います。



2015/11/19(Thu)
久々にフィルタークリーナーを使って洗車をしました。

フィルタークリーナーは非常に強力な洗浄剤ですが、後始末が大変なので恒常的には使っていません。使う対象はクロスバイクであることがほとんどです。


ロードバイクを買った人は、その先行投資の大きさから、購入後もちゃんと手入れをしようとしてくれますが、日常の脚として使われることの多いクロスバイクでは、あまり維持管理に手間やお金を使ってくれません。

実際にフリーダムにくるクロスバイクの整備は4、5年ほったらかしなんて当たり前で、「いったいどこの沼から拾ってきたんだ」という個体がほとんどです。

また、4年も5年も使っているとBBやハブからグリスが“ひり出し”してきて、それがフレームやチェーン周り蔓延していきます。フレームには油膜が張り、チェーンリングの中やカセットスプロケット(ボスフリー)の中に油のダマが詰まっていきます。これを通常のパーツクリーナーやディグリーザーで落とすのはどんなにお金や時間をかけても難しく、フィルタークリーナーに頼ることになります。




今回のクロスバイクの整備も、依頼はリアハンガーとリアディレイラーの交換なのに、自転車を洗っている時間の方が長いという状況でした。あまりに見てられなくて、一度右クランクも外しました...

洗浄は依頼されている整備ではないので、いくら頑張って洗ってもお金は取れません。フリーダムでは滅多にクロスバイクの整備が来ないからこそこういう対応が出来るだけであり、間違いなくオーバーサービスです。正直に言って、クロスバイクや一般車を売上の主力にしているショップでは難しい作業量だったと思います。



しかしお客さんから見れば、何の因果かフリーダムに預けたことで、汚かった自転車がピカピカになって帰ってきたことだけが残ります。その時、お客さんがそれに気付いてくれる事がなにより重要です。

油団子だったものがピカピカになっているという事は、ピカピカにする方法があるという事で、それを習得すれば自分でも愛車をきれいに出来る。自分の自転車が汚くていいなんて人はいないと思うので、自分の自転車を省みるきっかけになってほしいと思っています。



また、このクロスバイクの依頼主は、私の日記は見ていないと思います。しかし私がこういう対応を取った時、今日この作業中にお店にいた人達には、洗車の意識を持ってもらえたはずです。

【自転車の洗車はお金も時間も大してかからず、作業も単純で難しくない】

それが広まっていって欲しいと思います。




2015/11/17(Tue)
「クランク長ってどうやって決めればいいですか?」と質問を受けました。



たとえば「身長の10分の1を目安に…」という説があります。

しかし私は身長185cmであるにもかかわらず、175 ㎜のクランクを使っている、あるいは177.5㎜のクランクが使えなかった、という過去があります。私がそうなのだから、似たような人もいるでしょう。あるいはシマノもカンパもクランクは165㎜までしか用意されていませんが、女の子で身長が165㎝もある人は日本には多くいません。

“身長10分の1説” は、どうやら疑ってかかる必要がありそうです。なぜそういう風潮が生まれたのでしょう。





【自転車はポジションが大事だ】という情報を、自転車を買う前に見つけるのは難しくありません。

“自転車はポジションが大事です。だからポジションを見られるプロショップで買いましょう”などと、ほとんどのお店のHPに書いてありますし、実際に自転車をやっている友人などに聞いてみても、ポジションが大事じゃないなんて言わないと思います。

また、仮に自転車を買った後であったとしても、好奇心のうちにポジションを試行錯誤してみると、力が入らないポジションと力が入りにくいポジションがあるという事が、購入後のかなり速い段階で気づくことになります。


そこでポジションを決めるにはどうすればいいのかを調べてみると、ものの数分でグーグル先生は教えてくれるわけです。自転車のポジションとはペダル、サドル、ハンドルの3点から成り立っているのだぞ、と。




さて。

これを、自転車屋の視点から解説してみようと思います。



まず、新規購入者に完成車を売ったとします。この時、ほとんどのショップが、サドルくらいしか動かしていません。理由は主に3つ。

1つは、ペダルセクションにおいて、クランクを差し替えるにしても単純にコストがかかるため。

これから高い自転車を買って始めようとする人に対して、さらにクランク代を請求できることは考えにくく、仮に店側がクランクの差し替えコストを請け負ったとしても、それがサードパーティー製のクランクにまで及ぶショップは極々少数。小売店窓口においてシマノ以外のメーカーでクランクの差し替え対応をしてくれる店は非常に少なく、これは割引販売が前提で工賃もとりにくい完成車販売における特徴の1つになっています。

もう1つは、ポジションは乗ってみないとわからないため。

ポジションとフォームとでは基本的にフォームの方が先に必要になるので、そもそもフォームが確立されていない人に対してポジションに関するコストをかけても有意がない、という理由が2つ目。いずれにせよ、完成車を買った時にペダルセクションをいじる店は、非常に少ないと言えます。


同様の事がハンドルセクションにも言えます。ステムやハンドルの差し替えコストを店側が請け負ったとしても、フォームの確立の問題などはペダルセクションと同様に残ります。総合すると、完成車販売の時にはサドルポジションだけを合わせおき、あとは漸次乗りながら、という対応が合理的なわけです。



その後完成車を買った人が、ペダルとハンドルとサドルの3つの位置を試行錯誤していくとして、サドルは最初に合わせた時からあまり動かないのが通例です。

現在のポジショニング理論において、身長対股下比係数は約0.86~0.88に集約されており、実数に直すとざっと±5㎜程度に収まります。それを、お客さん自身が自力で試行錯誤をしてみても、最終的に元の位置に戻ってくる傾向にあります。日々の調子に±3㎜程度の差があるとして、結果として最初に渡されたサドルの位置からまったく動かさなくても、ほとんど問題は無いわけです。



サドルのポジションが確定した後に、あるいは試しながら、次にハンドルとペダルのどちらを動かそうとするかと言えば、ハンドルです。ここではポジション変更に必要なコストが関係しているように思います。

最廉価ステムは約3000円で手に入るのに対して、クランクはかなり高価です。クランクは走力と変速性能のどちらにも直結しますから、サイズを試すにしても心情的にグレードを落としにくいし、逆にステムを貸し出しているプロショップは少なくありませんから、ポジションをいじるうえで、単純に取り掛かり易いんですね。

ですから、自転車を始めた人はほとんどの場合で、まずはサドルポジションをいじり、次にハンドルをいじった後で、最後にクランクをいじっています。



本当は、ポジションの根幹にかかわっているのはクランク長(厳密にはクリート位置→ペダル位置→クランク長の順)なので、クランクが変わるとサドルやハンドルの位置までごっそり変更されてしまうことが多くありますから、仮にクランク長の最適サイズが変わってしまったらフォームの作成からやり直しになるかもしれません。

ポジションにおいては、最適なクランク長を見つけ出すことから始めるのが、一番上達スピードが速いんです。やっていればみんな上達はしますが、問題はそのスピードですね。

しかし現実問題、心理的にも財布事情的にも難しいものがあります。

ほとんどの人が、【サドル→ハンドル→クランク長】、そしてもう一度【サドル→ハンドル】と、ポジショニングの追求に2重の工程を踏んでいるんじゃないでしょうか。自転車を始めてからポジションに一通り手が入るのは、およそ4年後くらいが平均であると感じます。


ここまでくると、もはやいじらない、クランク長は見て見ぬフリをするという選択肢が出てきます。


SサイズやMサイズの完成車には170㎜のクランクが、Lサイズ以上の完成車には172.5mmが、XSサイズの女性用であれば165㎜が付いてくることが多いですが、初めての自転車を買ってから4年もするとコンポがグレードアップしている確立が非常に高く、しかし失敗すると2個3個と買うハメになるクランクに対して、無難に今までのサイズで…と消極的になるのも自然です。

ですから大勢の自転車乗りにとって、クランク長の試行錯誤は、やるかどうかも分からないし、やったとしても上手くいくかどうかわからない、というのが現状です。



そして話が収束します。

自転車乗りがポジションに悩んだ時、今の時代はインターネットでググります。しかしクランクの長さに言及している記事は非常に少ないですね。

その理由は、グーグル先生がクランクを考察するところまで辿りついていないことが多いから、です。




今日のフリーダムの日記には、求めていたトピックスが取り挙げられていた!!と思った人もいるかもしれません。

クランク長ってどうやって決めればいいのか、と。


しかし答えは書いてありませんでした。

なぜなら今日のお題は、「クランク長をどう決めればよいか」ではなく、「なぜクランク長の決め方は身長の10分の1だなんてテキトーな説が生まれたか」だったからです。





2015/11/12(Thu)
沖縄から帰ってきてから、初めて店内の掃除をしました。

掃除はおよそ1週間ぶりですが、その1週間でフレームや完成車にはかなり埃がかぶってしまいます。高いお金を出して用意した商品ですし、商品に対しても失礼ですね。さらにはメーカーに対する敬意も欠いているといえるでしょう。



フリーダムの現在の展示状況は、天井から吊っているフレームが21本、床に置いてある完成車が4台です。

私の店は、たとえ完成車であっても、基本的にバラしてフレームだけで吊るようにしています。その理由としては、①手入れや管理がしやすい。②店全体に高級感が出る、の2つです。



フレームであれ完成車であれ、飾っている以上は一定の頻度で洗う必要がありますが、当然フレーム単品よりも完成車で飾っている方が洗浄が大変です。

ホイールを外して整備台に乗せ、金属部品に溶剤を使って洗い流し、エアーコンプレッサ―で水気を飛ばしてウェスでふき取り、最終的にお店の中でワックスで拭き上げる、という工程を踏まないといけない水洗いは、展示品の管理としては非常に時間のかかる作業であり、とても贅沢な手入れです。

独りでお店を維持するという点から見て、商品の管理コストはなるべく抑えたい。とはいえ、はたきで叩いてウェスで拭くだけでは、のちのち洗車傷になるため、長期在庫になるリスクを考えると最初から控えておきたいところ。やはり維持管理は水洗いが基本です。


一方、フレーム単体で飾ることにより、金属パーツが少なく油の管理がほぼ不要で、水洗い洗車も大幅に楽になります。

また、私は一店舗内でのメーカーの品ぞろえを手広くやりがたる傾向があるので、1つひとつの仕入れ値掛率があまり下がってきません。フレームメーカーから完成車をまるごと買うより、すべてのパーツをバラバラで集めた方が安く済んでしまうケースが少なくないため、粗利率を上げる対策とも重なります。



さらに完成車を抱えすぎると、在庫資産的に非常に重荷になってしまいます。

1台目の自転車を買う人にとって、納期を妥協するのが非常に難しい事がありますし、かといって翌年度モデルの発表が間近に迫った時期であっても常に全てのカラーやサイズを店頭に用意するのは難しいところがあります。

私もお店をやっているので、お店の都合は良くわかります。しかし、なんとなくイメージが付いてしまう人もいるかもしれません。お店がホントにその人に合うと思って薦めているのか、お店の都合で売らざるを得ないのか、判別が難しい時があるでしょう。




在庫リスクや管理コストを総合すると、完成車はどんどん少なくなってきました。カタログ完成車なんて、都度オーダーすればいいんです。現在の展示方法が確立されたのは1年半ほど前になります。

その一方で、高級なフレームばかりに見られてしまうことが、デメリットとして浮き彫りになってきました。


「高級感」はいつしか「高級」になり、フリーダムは高級そうだというイメージが、フリーダムは高級なフレームしか扱わないと捉えられるようになってしまいました。

高級感を出しすぎた展示が、初めてお店の敷居を跨ぐ人に対しての“魔除け”になってしまっている。

実際には在庫品の3分の2がエントリーモデルであるにもかかわらず、お店の内側にいる人とインターネットでしかフリーダムを見ない人の間の認識のギャップは、どんどん大きくなっているように感じます。




初心者から上級者までを幅広く満足させるラインナップと、一見さんから常連さんまで対応する展示方法を同一店舗内で両立させるのは、非常に難易度の高い課題だと思います。

だったらお店にモノを飾らなければいいじゃない…という考えもあり、実際にそういうお店が出始めています。商品は置かず、メンテナンスやフィッティング講習会でお金を集めようとする商売です。

たしかに初期投資も在庫リスクも非常に高いスポーツサイクル販売業において、有力な新規参入の形態かもしれません。

しかし、自転車のコンディションは日々悪化する、フィッティングは実力に応じて変化し続けていく、と考えている私にとって、恒久的に付きまとってくる問題に対して常に金銭を要求するのは生理的に無理です。むしろ日々のメンテナンスとフィッティングこそ低コストであるべきだと、感情的に判断しています。感情が前面に来てしまっている事が会社として甘いところですが、逆にフリーダムのもっとも良い部分に繋がっています。フリーダムが存続できる程度になら、多少甘くてもいいかなと思っています。


そしてなにより私は、店とは商品を飾ってナンボだと思っています。あるいは、現物が見られない店はつまらない店だと考えています。取扱商品を広げようとする努力こそが、楽しい店にするための王道だと思っています。



整備士としてはミスを減らすこと。選手としてはレースで結果を出すこと。どちらも非常に明確なものです。社長としての満足度はもちろん利益や従業員の幸福度の追求だと思います。では店長としての満足度はいったいどこにあるのか?

それは今書いた、商品構成と展示方法のバランス感覚を成熟させることなのではないかと感じています。社長、店長、整備士、選手、この中で一番あいまいな立場なのは、間違いなく店長です。

「店長として」求めるべき満足度は何なのか。

それをはっきりさせることを課題として、フリーダムの7年目がスタートです。


2015/11/10(Tue)
ツールド沖縄 市民210km

脱水症状にてリタイア。



先頭から切れたら終わりの沖縄で、切れて終わり。

根性ではどうにもならない距離が残っていたので、路肩でいったん座って休み、途中からジャージをひっくり返して帰ってきた。



弱いから脱水症状になるんだよね。

今の私では箸にも棒にも引っかからない事がよくわかった。


2015/11/5(Thu)
自転車のメーカーの流行や、実際の小売店レベルでの売上が高くなるかどうかは、『ツールドフランスで活躍しているかどうか』にあります。

昨年のラピエールや数年前のBMCなどが顕著な例であり、逆に、ツールに出ているチームに供給出来なくなると、小売店レベルでは問い合わせやオーダーが一気に減ってしまいます。


現在のツールはビジネス面が非常に大きくなってきて、フレームメーカーはチームに対して、フレームのみならず現金供給までしなければいけなくなりました。

トップチームにはスポーツバイクから一般車までを製造している巨大メーカーしか (現金)供給できなくなり、逆にルックやコルナゴなどの“小規模メーカー”は一気に下位カテゴリーチームに追いやられてしまいました。



しかし、フレームは所詮フレームであり、自転車の性能の大部分を担っているのはホイールです。ホイールはメーカー数が少ない分、フレームほど供給戦争が激しくありません。


さて、各メーカーのホイールのモデルチェンジの周期が約3年だとして、過去3年の主要大会で勝ったホイールを抜き出だしてみると…

【2015年】世界:個人:ロヴァール
【2015年】世界:TTT:シマノ
【2015年】世界:ITT:シマノ
【2015年】西:総合:コリマ
【2015年】西:TTT:シマノ
【2015年】仏:総合:シマノ
【2015年】伊:総合:ロヴァール
【2015年】伊:TTT:シマノ

【2014年】世界:個人:ジップ
【2014年】世界:TTT:シマノ
【2014年】世界:ITT:シマノ
【2014年】西:総合:ロヴァール
【2014年】西:TTT:カンパニョーロ
【2014年】仏:総合:コリマ
【2014年】伊:総合:カンパニョーロ
【2014年】伊:TTT:シマノ

【2013年】世界:個人:フルクラム
【2013年】世界:TTT:ジップ
【2013年】世界:ITT:ジップ
【2013年】西:総合:ボントレガー
【2013年】西:TTT:コリマ
【2013年】仏:総合:シマノ
【2013年】仏:TTT:シマノ
【2013年】伊:総合:コリマ
【2013年】伊:TTT:シマノ


となります。
※クラシック系は個人能力の影響力が大きいので参考にしませんでした


“マシンが速くたって、どうせ使う人によって変わるんでしょ”という意見はよく聞きますが、こうして結果だけ抜き出してみると、かなり偏っている印象を受けます。

強いて言ってもロヴァール(S-WORKS)が、ロヴァールが勝ったのかコンタドールが勝ったのかわからない程度であり、残りは、シマノ、コリマ、ジップ、カンパニョーロ(含フルクラム)の4メーカーしか、まとまった成績を残せていないと言えます。

ちなみに直前の五輪(2012年)ではコリマが勝っています。



写真はコリマのホイール。左が旧型のSハブ仕様、右が新型のs+ハブ仕様になり、リムは共通しています。

新型の投入は2015年から。2014年のツール総合優勝は旧型で獲っていて、日本の小売店へのデリバリーは今年の夏からです。


各メーカーの日本の販売価格(税込)を並べてみると、

シマノ 27.2~35.6万円、(国産~外国産)
ジップ 34.7万円、
カンパニョーロ 42.6万円、
コリマ(新型) 28.6万円、

そして1年前のツールを獲ったコリマ(旧型)は21.2万円です。

2015年でモデルチェンジした主なメーカーはジップとコリマとFFWDのみ。20万円に届きそうなアルミクリンチャーがある中で、コリマの存在は他のメーカーにとって目の上のタンコブではないでしょうか。

※ちなみに10万円前後のアルミクリンチャーと、ツールレベルで使われているカーボンチューブラーでは、速度差は+3.5km/hくらいあります。かなりざっくりとした意見ですが、そう間違っていないと思います。3.5km/hの差を脚力でひっくり返すのはかなり大変ですね。(無風・平坦・単独の場合)





当たり前かもしれませんが、製品は『価格=性能』ではありません。

コリマが安いのは代理店であるトライスポーツがあまり宣伝をしてこなかっただけであり、カンパニョーロが高いのは、カンパニョーロは安くてはいけないメーカーだからです。

この2つのメーカーはどちらも世界で1、2を争うブランドパワーを誇るだけに、宣伝広告や販売戦略でこれほどの金額差が出てしまうのはたいへん忍びなく思います。私の立場で公にメーカー同士を比べるのは控えるべきかもしれませんが、ここは反骨精神を持ってコリマを応援したくなってしまいます。


ちなみに私が個人的に速いと思っているホイールはカンパとジップです。遅いと思っているのは書けません。

また、TTバイクではシマノの新型3本バトンに興味があります。




2015/11/4(Wed)
久々の休息日。

ごく近場の茂木すら徹夜で臨まざるを得なかった決算前後の私としては、待ちに待った休日。

まぁ、オマエ店休んでレース出てるだろと言われてしまうとグゥの音も出ないのですが。



茂木エンデューロの写真をいただきました。ありがとうございます。

上の写真は、3時間50分過ぎの上り坂で30秒前を走っている風間をまさに追いかけ始める瞬間の写真。

茂木の時は、膝の打撲が痛くてパワーが出せず、1時間も走ると痛みが出て来てしまっていたため、写真のダンシングもほとんど体重でごまかしている感じ。ちゃんとパワーが出せるなら、もう少し腹筋が立っているはずだ。

走行中はずっと沖縄の心配をしていた。茂木では何とかなっても沖縄ではどうにもならない。茂木から沖縄までは1週間しかない。2時間を過ぎたあたりで、試しに下りでトップチューブに寝てみたが、痛くてなかなかサドルに戻ることが出来なかった。



しかし茂木から3日たってた今、なんとなく大丈夫そうに感じている。きっと茂木が山場だったのだろう。打撲内出血の完治は2週間が基準であるし。

今は屈伸も出来るし、その時の痛みもかなり少ない。なんとか沖縄に間に合ったのではないだろうか。ジャパンカップでの対戦相手との登坂力の関係と、茂木の自分の動き方を振りかえって、沖縄では多少マシな走りができないだろうか…と淡く期待している。




店長選手権のあと、佐藤店長に「スピード練をしまくりなさい」とアドバイスを受けてからというもの、ひたすらスプリントの事を考え続けてきた。

それから2か月が経って見えてきたことは、50km/hも技術で出せるんじゃないか?というもの。2年くらい前のサイクルスポーツの特集記事を書いた際に、40km/hは技術で出せるよー、という内容を記したが、実は50km/hであっても技術的な領域に過ぎないのではないか、と考えるようになった。もちろん肉体レベルによって物理的に出来る出来ないの差はあるかもしれないが、50km/hというのは壁を感じなくてもよいのでは?思いはじめた。


というのも、今回の茂木では30秒差の単独ブリッジを2回慣行したわけだが、それぞれ前を行く相手を捉えに行った時の速度は、約58km/hで加速した後に55km/hで巡航している。どちらも400m差を2~3分で捕まえている。

この時の私は、やっぱり膝は痛くてパワーが出せない状態なわけだから、つまり58km/hのスプリントは、パワーじゃなくて技術で出したと推測できる。それにブリッジをかける時のスプリントがフルパワーなわけではない。


今までの私にとって、58km/hというのは単独で出すにはかなり労力の要る速度域であって、仮に出したとしたら回復するまでにそれなりの時間が必要な速度域だった。それが今回の茂木では、ブリッジ直後の疲労がやけに少なかったと感じる。この事からも、58km/hを出すメインソースはパワーではないと推測できる。


実際にスプリント練というのはほとんどがフォームの修正であり、フォーム修正のほとんどはイメージトレーニングだから、ジャパンカップで落車をして肉体的に練習が出来なくなり、その間に頭の中でずっともやもやしていた推測が、今回の茂木で証明されたんじゃないかと考えている。

私はひょいひょいと山を登っていくタイプではなく、淡々とベース走でTTを走るタイプでもないから、せめてルーラーとしての能力だけでも強くありたい。




もちろんブリッジが成功したのは、風間が病み上がりだったという部分が大きいだろう。

茂木エンデューロで優勝を狙っていた4hソロ組の人達には悲報かもしれないが、今回の茂木の優勝者は、ケガする前の3割程度でしかない。

実際に3時間半を過ぎたあたりで風間のパワーはガクッと落ち、坂で踏んでも加速にキレがない。4時間レースのラスト10分で、400mも後方を走っている相手に、ものの数分で追い付かれるはずがない。

もし風間の脚力が本当に戻ったとしたら、それは中村龍太郎をも脅かすレベルになるだろう。この2人を近くで見てきて、この2人の力量を測れる程度の脚力は持っている(つもりの)私としては、この2人がどのくらいの力関係なのかもわかっている(つもりだ)。



お店の日記で特定の誰かに対するメッセージを書くのは控えておきたいが、他の誰でもない風間だから書いておこうと思う。

もし違うチームジャージを着ていたらどうだっただろう。まだまだまだまだ足りないよ。

でもリハビリはよく頑張ったね。


2015/11/1(Sun)
決算明けの茂木エンデューロ。

(株)サイクルフリーダム第6期を締めくくるレースは2位だった。うゎぁ…↓↓



朝2時過ぎに起床。3時にお店に集合し、4時に出発。6時過ぎ会場着。移動距離は120㎞しかなく、実業団遠征で鍛えられたドライバー力をもってして、楽々。



レース開始から1時間は、ものすっっっごく暇だった。

岩佐「つまんないねー。」
佐野「そーですねー。でもまだ始まったばかりだし、もう少し我慢しないと…。」
としゃべっていた次の坂で佐野君がアタックしていった。おぉ、アンタさっきなんて言ったよ(笑)。

レース開始から1時間で佐野(フリーダム)が出る。そして佐野の吸収に合わせて岩佐と風間(フリーダム)が出る。その岩佐と風間の吸収に合わせて、さらにもう一度佐野君が出て、これが決まる。レース開始から1時間で佐野君とリンク東北の2名の逃げが出来た。



そこから約30分が過ぎ、逃げ2名と集団との差が45秒に開く。前が速いのではなく集団が遅い。これにガマンが出来なかったのが同じフリーダムの風間博之。今大会の優勝者。この動きはフリーダムの逃げにフリーダムがブリッジしているわけだが、集団は消極的で見逃し。というかローテーションを回しているメンバーは誰が逃げているかわかってなかったんだろう。

現状は、佐野含む先頭2名。45秒差で風間含む2名の追走集団。さらに30秒差でメイン集団。



風間をメイン集団後方から眺めていると、風間が2名の先頭集団に追い付くと確信する。追走2名が先頭2名に追い付いた場合、計4名の逃げグループは、佐野&風間&実業団E1の上位陣の2名というメンツになる。この4名はキレイに協調するはずだから、メイン集団がそれに追い付くイメージは出来なかった。もし追い付くとすれば4名が勝手にタレて落ちてきた場合だろう。なので、私もあの逃げに乗らなければ…。


1周回走ってメイン集団と風間とのギャップは30秒ほどに。さすがに風間の姿はメイン集団から見えているので、中途半端に追いつこうとしたらメイン集団をごっそり引き連れて風間を潰してしまうだろう。だから岩佐がブリッジするからには、集団を力でチギってのガチアタックしかなかった。

フリーダム名物「俺も俺も、私も私も」

向かい風を使って30秒前の風間にジャンプ。2分ほど粘ってなんとか追い付き、集団は来ず、後方に2名が粘っているが速度がかなり高かったので届かなさそう。単独での追走グループへブリッジ成功。次は先頭2名を捉える。

先頭2名はさらに30秒前だが、差は徐々に詰まっている。この時に重要なのは先頭2名とのラップタイム差ではなく、メイン集団とのラップタイム差。メイン集団が追走グループ3名を捉えるより先に、追走3名が先頭2名を捉えられるかどうか。3名相手に追い付かないならば、5名相手には絶対追い付かないからだ。

幸い茂木サーキットは見晴しが良くタイム差を掴みやすい。数周走って追走3名が先頭2名にジャンクション。この時のメイン集団との差は1分ほど。もちろん毎周ちゃんと測ってる。


最初の2時間の大まかなレース展開は、佐野君含む2名がレース開始1時間で逃げ。その後に風間と私を含む3名が1時間半で逃げ。それが合流してそのままレース終了まで逃げ切ることになった。ほぅらね。




レース終盤。状況は逃げ4名がメイン集団に2分以上の差をつけて逃げ切りが確定し、そろそろ牽制が始まる頃。4名は佐野・岩佐・風間のフリーダム3名に他1名。

ラスト3周で風間がチョイッと踏む。1名がピクッと嫌がって数m空く。これで勝負あり。あとは岩佐と佐野が後ろについて、1対1の展開に。さすがにこれは相手にちょっと同情したかな...笑


次の周、相手は体力的にも精神的にも諦めモード。あまりにペースが落ちすぎて、後方に迫っているメイン集団に吸収される恐れすら出てきた。ここで、岩佐の風間へのブリッジを見逃してくれたら3位をあげるよ、と話を持ちかけた。岩佐がいなくなれば佐野との協調が見込めるし、そのまま走り続けても3位は獲れない。相手にとっても悪い話ではなく、すぐに承諾された。あとは岩佐が風間へのブリッジを成功させるのみ。本日2度目の30秒差の単独ブリッジ…。



3分ほど粘って、ちょうどラスト1周の地点で風間に合流。そしてブリッジ直後の岩佐に対して風間が登りで攻撃を仕掛けて、以後2人で真っ向勝負。サポートライダーからは、「チーム内競争あるんですね」と失笑されたが、もちろんだよね。周りからはフリーダムが組織立って動いているように見えたかもしれないが、風間も佐野も私も、実はなんとなくの流れとその場の気分で動いているだけなんだから。



最後の4㎞。今の風間の後ろに着くのが癪だったのと、ブリッジを理由に休ませてもらってる間にゴールスプリントを迎える展開にはしたくなかったとので、岩佐がアタックする側で風間が反応する側に。4発ほどアタックしたが風間をチギることは出来ず。後方にメイン集団が迫っていてウェービングが満足にできなかったこともあり、ゴール手前でキレイに刺されて2位。

レース後の風間曰く、アレは30秒以上踏まないとダメだったらしい。それは...ブリッジ直後では無理だな。せめて合流した時点であと2周あればな、とタラレバ。それでも風間と維持を張り合っている時間はすごく楽しかった。




2位。負けの1位。

でもいいよ、今回は久々に楽しかったから。



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