2016/7/7(Thu)
先週に引き続き、今週の水曜日も展示会。今週はヨネックスとフェルト。

ヨネックス会場である品川からフェルトの会場である浅草まで銀座横断。その途中の上野にあるオードビーというサングラス専門店で、私のサングラスの面倒を見てくれている方に会ってきた。


私は現在、オークリーの女性用のレイダーを使っている。レイダーの前身だったMフレームを長年愛用していたが廃盤となり、最も近しいものがそれだった。最近新たに復刻版であるM2フレームが出たので、それの度入りレンズが作れないかと尋ねたかった。

もちろん質問するだけならメールや電話でも済ませられるけれど、面と向かって会話をすることが大事だと思っている。

「やぁ岩佐君久しぶり!元気?」「ご無沙汰してます。元気です。」「どう最近?頑張ってる?」「いやぁ、ボコボコです。」的な会話が大事。




私のサングラスはメガネも兼ねている。

5年前にひとつ、3年前にもうひとつ作って、計2つ持っている。

最初に作ったのは遮光率40%の青。ベースが明るいと目が見えてしまうので割と暗いものにし、私服での運転中などでも使えるようにと青を選択した。


しばらくはそれで自転車生活も過ごしていたが、実業団レースに出るようになってから公道レースが増えてきて、結果トンネル対策をしなくてはいけなくなったことから、調光レンズで作りなおした。

トンネルだけでなくゲリラ豪雨や夜錬でも対応するよう、遮光度はもっとも低い5%程度を選択し、ほとんどクリアレンズに近いものになった。サングラスというよりでゴーグルでしかない。

ベースの色がとても薄いので目が透けて見えてしまうため、なるべく目が目立ちにくい金のミラーをかなり強めにかけてもらったが、やっぱり少し目が透けてしまう。それでもトンネルで見えなくなるよりマシだと思って我慢している。



VCfukuoka・サイクルフリーダムのチームメートはみな白っぽいサングラスのメンバーが多いので、せっかくだから私も白いフレームにしようかなー、なんて考えていたのだが、どうやらノーマルのレイダーは廃盤になってしまうらしい。白いM2フレームで度入り調光レンズを作りなおしたいなーって思っていたのだが、うまくいかないもんだ。



余談だがイヤーソックは外している。

走りながらサングラスを洗う時に、ゴムが汗でヌルヌル滑ってイヤだからだ。万が一にも落とすわけにはいかない。

そうやってイヤーソックを外している選手は少なくなくて、私もそのうちの1人。だってどう考えても滑るものね!

またゴムが無いことで、アゴ紐やもみあげに引っかかることなく抜き差したり、位置を修正したりするのが容易になる。もともとイヤーソックのないサングラスもあるのだから、外してしまうのも変ではないと思う。



2016/7/4(Mon)
【西日本ロードクラシックin広島】



【~前日】

木祖村ロードを終えて始めたダイエットは72kg→70kgで終了させる予定であり、実際にうまくいっていのだと思う。しかし全日本ロードの2日前にかかった血管の病気は、その後月曜日から火曜日までが山場となり、体重は67kg台まで落ちてしまった。

3週間で2kg痩せるのは普通でも、1週間で2kg痩せるのは異常である。単なるガス欠であって、日常生活ですら体に力が入らないのが感じられる。


それでも水曜日にもなると腫れも引き、ロキソニンも飲まずに済むようになり、なんだか体の調子が戻って来た気がする。ショッピングモールの血圧計で遊んでみると脈拍は54bps。普通に生活してテクテク歩いたりしている中でこの脈拍数なら、それほど調子は悪くないはず。

全日本を終えた時点では、広島には自転車も持たずに観光旅行と思っていたが、この日を境に西日本ロードクラシックに自転車を持っていくことを決意する。行けば結局乗りたくなるのだし。





【DAY-1】広島CSC 12km×6周。

リザルト/DNF 


目標は完走だった。まだプロツアーで完走していない。出来るだけ前で走ることを意識し、少しでも長く集団にとどまること。



私は上り坂が遅いから、広島CSCで肝となる三段坂では、可能な限り集団前方から侵入しつつ最後尾に引っかかるようなイメージでクリアしたい。広島の下りは一列棒状になってまったく抜けないので、ホームストレートに戻ってきてからダウンヒルが始まるまでに、落としたポジションをどれだけ回復できるかがポイントになるだろう。

集団の中ほどやや後方でスタートを迎え、そこから最初のコーナーまでダッシュ。クライマー相手に平坦でポジションを上げられなければ、やがて登坂区間で死が待っている。とくに外人などは空間に割り込んでいくのが上手なので、そういった人たちをうまく使うことと、ポジションが上がるラインに乗っていけるかどうかがポイント。

ダウンヒルの中にあるところどころのアップダウンで、多少無理してでもポジションを上げていく。ダウンヒルを終えるまでには先頭付近に行きたい!ひとつでも高いポジションで坂に侵入したい!ほぼほぼ先頭まで出るとチームメイトの桐野さんがいる。同じジャージを見るととても安心する。1周目の三段坂は、恐れていたほど何もなくクリアした。



2周目のダウンヒルが始まる手前の勾配の緩いところでダッシュして、ほぼほぼ先頭付近。周りは有名選手ばかりで私の場違い間が半端なく、しかしふてぶてしく居座り続ける。三段坂の2段目に侵入した直後に、目の前でブリッツェンの増田選手がアタックした。私にとってはうまく反応出来るポジションであったし、ケイデンスやギアポジションも完璧だった。脚もフルパワー。たしかに私の今の目標は完走だが、チャレンジできるときにしておかないと、のちのち成長できないと思う。今の自分に出来ることと出来ないことを把握するためには、高くない勉強代だと思う。そういうことを考えることなく体が動いたのは良かった。


三段坂2段目を上り終わりでさらに出力が上がっていく。キツイ。でも自分の判断でアタックに反応したのだから、ここで終わるつもりで着いていく。果てしなく上がっていくペースと出力に耐えきれない。フルパワーが出せる状態で臨んだ先頭集団のアタックに付いていけた時間は、たった3分だった。



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飛びそうな意識のなかで感じていたのは、コンチネンタルチームのプロ選手らは、持っている最高速度が別格に違うということ。“あんな速度”は私は出せない。

国内の有力アマチュア選手たちに、各々の練習会での走行速度を聞いてみてまわると、ほぼ100%と言っていいほど「50km/hくらい」と回答される。フリーダムの朝練の平坦区間もやっぱり50km/hだし、実業団選手らの合同練習などでもたいてい50km/hで頭打ちだから、まぁ、つまり、それがアマチュアの速度域なのだと思う。

そして、これを55km/hくらいに引きあげなくちゃいけないと感じた。

メーター表示が50km/hを超えていると、なんだか安心するというか、とりあえずそれで良しとしてしまうというか、50km/hを超えていれば速いと認識している節がある。でも実際には55km/hまで必要であって50km/hでは足りないのだ。ハードルの基準を改める必要がある。それを強く感じた。


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踏み切った脚で集団に抜かれていく。いくつかの中切れをはさみながら、しばらくしてチームメートの佐藤さんと加納さんがいる6人くらいのグループに抜かれる。佐藤さんからお尻をトントンされ、加納さんの声も聞こえる。しかし無理。ついていけない。首を横に振るのが精いっぱいの合図だった。

さらにしばらくしてウォームライドの小室さんがまとめている10名ほどの大きなグルペットに抜かれる。お尻をトントンされるが、やっぱり無理。このグルペットに抜かれるころには脚はもう死んでいて、まっすぐ走ることすらままならない。

最終的にこのパックまでが完走。佐藤さんと加納さんも完走。素晴らしい。私はDNF。レース後からホテルに戻るまでのことは、なんだかよく覚えていない。



ホテルは男4人でダブル2部屋。予約を間違えたみたい。4800円のアップチャージでスーパースイートルーム(ツイン)にチェンジ。朝起きたら男に抱き着いているという事は避けられた。風呂場でジャージをひととおり洗濯した後、エロトークで盛り上がって就寝。





【DAY-2】広島CSC 12km×12周

リザルト/DNF


目標はもちろん完走。しかし内心自信なし。

それでも社会人ライダーの常として、土曜日よりも日曜日の方が調子がいい。金曜日の仕事のダルさに土曜日のレースで刺激が入る。深山ロードも木祖村ロードも、いままでの土日両日開催のレースでは、ほぼすべてのレースにおいて日曜日の方が体が良い。それだけが、ほんのちょびっとの希望である。



実際にレース開始直後のスタートダッシュでは、土曜日よりも踏み込みがよかった。ブレーキタッチの感触もいいし、シフトチェンジのマネージメントもスムーズだ。土曜日は苦労したダウンヒル中のアップダウンでのポジション上げも、日曜日は苦労しなかった。


1週目の三段坂を超えて落車が発生する。何十人が巻き込まれただろうか。これほど大きな落車は初めて経験する。三段坂の1段目のアタック合戦を皮切りに3名の逃げができて、集団は上り終わりの踏み込みからの下りで一列棒状。その後の上り返しで大きく牽制が起きたところで横に膨らんで減速し、後ろから来た人が突っ込んだ。

落車の発生パターンとしてはかなり自然であるが、カテゴリーが高いだけあって速度はゆうに60km/h超え。ヴィクトワールのオレンジジャージが宙を舞い、落車が起こった瞬間に止まり切れないことを悟る。



落車を認識してから実際に転ぶまでスローモーションがかかる。落車発生時にスローモーション状態になることも普通になり、そのうち意図的にコントロールできるんじゃないかと勘違いしそうである。

春の群馬での落車は運よくジャンプで避けることができたが、今回は転んだ選手の奥に普通に走っている選手がいる。ブレーキをかけてタイヤグリップが抜けている状態でのジャンプも危ない。右にも左にも選手がいるため、進路変更もできない。幸い手は上ハンドルにあり、タイヤロックもしていない。減速は最大限に出来そうだ。

とはいえ決して止まりきることはない。あとはどこに突っ込むべきか。



こういう時、絶対に人間本体に突っ込んではいけない。相手選手が大ケガするだけではなく、自分のバイクへのダメージが飛躍的に大きくなる。人間の質量約60kgは自転車7kgに比べてかなり大きいから、追突するとホイールだけでなくフォークやフレームまで被害が及ぶ可能性がものすごく高い。また、スポークで皮膚を切るからホイールは避けたい。チェーンリングもタイヤがパンクして走り出せなくなるからクランク付近も避けたい。

落車事故に突っ込まなければいけない時には、フレームとホイールの間のダウンチューブに自転車を差し込むのがベストだと私は思っている。衝突と同時にハンドルから荷重を抜き、上空へダイブする。今回の落車は膝をちょびっと膝を擦りむいただけで済んだ。自分がどこに突っ込むかを選べる状況だったのは、不幸中の幸いだといえる。



結局この後、ニュートラルが入り、停止し、ピットに戻って、再スタートになった。選手たちには30分が与えられて、その間に救護やバイクメンテナンスを済ませるよう指示が入った。曲がったディレイらーハンガーは、サイクルフレンドタカタの田方店長(通称タカティ-)が直してくれた。レース中断時は集中力を欠きがちだから、“レースに集中し続けること”に集中できた。

レースは5周回で行われることになった。私はラッキーと思った。正直に言って、今の自分の体内には、単純に4時間を走るだけのエネルギーは蓄えられていない。2kgもやつれた体で三段坂を12回もこなせない。ましてこれは、自分のペースで走れないレースなのだから。




レースが再開して、ダッシュはいつものこと。ダウンヒルから三段坂を過ぎて、2周回って次のダウンヒルをこなしているとき、隣にいたエルドラード2名が、「ここ最後尾だ!」って話している。マジで!?後ろにはまだ何十人もいるはず…なんて聞き耳を立てながら振り向くと、すぐ後ろに審判車が。ビックリ。そしてヤバイ。このまま突っ込んだら絶対に坂でチギれてしまう。しかしダウンヒルを半分以上過ぎてしまった状態で回復させられたポジションはせいぜい10。案の定2回目の三段坂でチギれる。

そしてまた一人旅になってしまった。

広島CSCは独りになると、ダウンヒル中にあるアップダウンが勢いでこなせなくなり、ジェットコースターなはずのコースがとたんにヒルクライムに変わってしまう。完走のために絶対に一人になってはいけなかったのに、またもや独りになってしまった。




もう独りで20分以上走っている…。もはや止まりそうなくらい遅く走っている。何度も後ろを振り向くが、一向にグルペットが追い付いてくる気配がない。

そして、ようやくきたグルペットは、私を救うには遅すぎた。私はもう死んだ。チームメートの佐藤さんがいる。ナルシマの櫻井さんに、アソコ(次の起伏を超える)まで踏んで!と言われて頑張ったが、残念ながら下りでついていけなかった。登りで近づき下りで離され、何回か繰り返したあと消えた。

このグルペット…佐藤さんは完走してくれた。私はまたもDNF。グルペットを見つける能力が足りない、ツールド沖縄病だ。先頭からチギれて孤独になったとき、ダウンヒルが始まる手前で止まって待っていた方が良いかもしれないとの考えが頭をよぎったが、実際に本当にそうした方がよかったかもしれない。



周回が進み、すでに50分以上独りで走っている。誰にも抜かれない。きっと私の後ろにはもう誰もいないのだろう。本来ならば足を止めて補給を取っているであろう平坦区間をインナーローで走る。道端には帰れなくなった選手が座っている。私も止まりたい。

それでも応援してくれると少しだけ足が回る。気温は暑いが汗も出ている。なんとかホームストレートまで帰らねば…その一心で帰ってきた。ゴール地点で旗を振られて脚切りされて、ピットに戻ってしばらくの間、ペダルからクリートが外せなかった。




【帰り】

会場でお昼ご飯が食べられず、空港でカツカレーを食べる。佐藤秀さんに「カツカレー食べましょう」と言われたとき、妙に心にピタッとはまった。私も食べたい!

何か月かぶりに食べたカツは、カレーが辛くてよくわからなかった。



千葉市のフリーダムから広島CSCは近い。羽田まで約30分。飛行機で約1時間。群馬や栃木よりもはるかに近くて、もしかすると最も近いレースのひとつかもしれない。

帰りの飛行機は窓際に座らせてもらい、瀬戸内海を一望しながら離陸し、ANAのコンソメスープを飲んでいるとすぐに関東に着く。着陸の旋回時には夕焼けに透き通り、印旛沼やロッテマリンスタジアムがよく見える。フリーダムは見つけられなかったが、いつも練習してる道路はわかった。江戸川、葛西臨海公園、荒川、東京スカイツリー…東京湾ゲートブリッジの真上を通過したときはなんだか感動した。

DNFは情けないが、やる気は回復した。体もそのうち回復する。広島遠征は行って良かった。


2016/6/28(Tue)
ダメになっていたフロアポンプのホースを取り換えた。

私は自転車に乗るとき、自分のポンプで、自分で空気を入れないとイヤなタイプだ。......共感してくれる人がどのくらいいるだろうか。

練習などであれば他人に任せてしまう時もあるが、少なくともレースの時は自分自身で入れないと気持ちが落ち着かない。もちろんその時は使い慣れた自分のポンプがいい。マイポンプが持っていけない、飛行機で遠征するようなときは、かなりもどかしくある。



そういうわけで、このポンプを10年近く使い続けてきた。

使っているのはゼファールのハスキーというモデル。

ポンプヘッドは横カム式のヒラメに差し替えて、ホースにマグネットをつけてシリンダーに引っ付くようにし、本体にはアナログのエアーゲージが括り付けてある。



私物だがお店で貸し出しているものなので、1年に一度OHしながら、ダメになったパーツはその都度補修パーツで直してきた。オリジナルで残されているのはもはやシリンダーの部分だけ。


自転車はいろいろ買い替えてきたが、フロアポンプはコイツだけだ。

自転車を始めた最初期のころだけ3000円のアルミのポンプを使っていたが、このポンプに買い替えてからは新しいポンプは買っていない。私の自転車関連の持ち物でもっとも古いものがこのフロアポンプであり、補修パーツが続く限り、10年後もこのポンプを使い続けていると思う。


自転車は定期的に新しいものが欲しくなるが、フロアポンプは新しいものにしたいと思わない。

愛着というのだろうか、とても大事にしている。




2016/6/27(Mon)
【全日本ロード】

リザルト/DNF 開始1分で千切れた。



プロカテゴリーで走っていると、私はいつも3分の2あたりでチギれてしまう。


今のカテゴリーになって周囲に言われる続けているのは、Pでは力で押し切ってはダメということ。力の抜き方とスペースの作り方、判断力が大事だ、と。

今までのカテゴリーなら力でなんとかなってしまっていても、これから先はそうはいかない。力の抜き方を会得しない限り、上には対応できない。


それはレースの内側から見ていても自分で感じることであり、自分に絶対的な速度や出力が足りていないと思うことは少ない。自分よりパワーのない人が自分より前で走っていることはいくらでもあって、だからこそ今の私の課題はとにかくソレを見つけることにある。 


DNFばかりで精神的につらいが、とにかくPレースにたくさん出て、たくさんチギられて、その中で見えたことをひとつずつ反芻していくしかないと思っている。

諸先輩方も苦労したというのだから、私が苦労しないはずもないし、パワーが足りていませんと言われるよりはるかにマシなスタートラインである。しばらくら苦労するだろうが、実際に出れば出たなりに気づくことが毎回あるから、出場しないという選択肢はない。DNFはかっこ悪いが、出ないより何倍もマシなのだ。



......そんな考えのもとでスタートラインに立ったが、スタート1分から千切れた。いや、およそパレードランにすらついていけなった。

出ないよりも出た方がマシかと思っていたが、無理して出たときの満足度は出ないときと変わらない、ということが分かった。レースに出て特に言えることがないということは、レースに出た意味そのものが無かったということだ。


2016/6/26(Sun)

【大島異動日】



木曜日に起こった痛みは薬で治った。

1日寝れば治るかな?と思ったが、朝起きて収まることはなく。痛みは増えてはいないが減ってもいない。もう一度寝ても治らないだろうと思い、DNSの覚悟をし始める。

病院に行く時は、ワンチャン痛みが引いてくれれば...くらいに身構えていたが、数分の診察といくつかの錠剤で痛みはピタッと無くなった。

これなら走れる!という歓喜とともに、15kgの内臓と30kgの筋肉に受ける痛みが、たった数グラムでおさまってしまう薬というものに対して、すこしの恐怖を覚えた。命をかけたドーピングっていうのはどれほどの効果があるのだろう。



全日本ロードが行われる大島は、東京竹芝港からのフェリーでの移動。私は船というものはおよそ初めて乗る。

久しぶりに自分のバイクを輪行バッグで包みつつ、観戦&応援にきてくれるお客さんたちと一緒にワクワクしながら乗る。

辺りがひととおり寝付いたあと、人知れず真夜中に上部デッキに上がってみると、黒い景色が素晴らしい。

23歳で業界最年少で店を始めた私も、あと3日で30歳になろうとしている。自分の事、店の事、業界のこと。明るい世界が暗くなるより、黒い世界に光を灯してく方がポジティブだ。



私はレースに行く時、たいてい独りで行く事が多い。

平均して4時間から6時間をドライブシートに座ったまま、寝ないで運転し続ける。レーススタート前、前日の営業から完全徹夜の割合は6割、仮眠2時間未満の半徹夜は3割ほどだろうか。

一回の遠征費は、少なくとも3万円は覚悟している。高速片道1万円とガソリン代1万円。補給食にしても安くはないし、余裕を持った買い物にはロスも多い。泊まれば宿泊費だってかかる。

だから今回の大島でのレースのように、片道4000円のフェリーで、運転もせず、多少なり横になって、あまつさえ寝ることが出来るのなら、間違いなくいつもよりコンディション良く臨める。

そして何より帰りの体力を考えなくていい。これがどれほど幸せなことか、筆舌に尽くしがたいものがある。



少々間に合わせに近い減量と、直前の体のトラブルがあったが、今の私の環境で出来る、最大限の準備が出来たと思っている。

チャンスには偶然があるが、負けには偶然はない。

あとは行くのみ。


2016/6/24(Fri)
病気になったっぽい。病気?炎症?

血管にばい菌?が入っちゃったのどーので、木曜日の夜から痛み出して、ただいま絶賛痛い。

さきほどお店を一時閉めて病院に言ってきたが、抗生物質?抗菌剤?を飲まないといけないらしい。

薬を飲みつつ1週間もすれば治るそうだが、内臓には影響があるだろうし、なにより単純に痛い。



なぜ今週なのかと思う。

激しい運動をしてもそれほど影響はないらしいから、せめて痛みが引いてくれることを願う。


2016/6/23(Thu)
木曜日、お昼ごはんを食べた後に体重を計ったら、70.2㎏だった。

木祖村を終えた時点では、何も食べていない状態で72kgあったから、3週間で2.5kgほど痩せたことになるだろうか。



ダイエットと言っても、食事は脂質と糖質を抜いて、飲み物は水or麦茶のみにするだけ。糖質も、炭水化物や果物は普通に食べて、ショ糖のみカット。

飲み物に関しては、ブラックコーヒーならヘルシーだけど、こちらも無し。なぜならコーヒーはケーキ欲を誘発するから。ビール飲むと揚げ物が...みたいな感じだろうか。いきなり甘いものを断つとかなり甘いものが食べたくなるが、厳しいのは初めてから3~5日目までなので、最初の1週間さえ乗り切ればOKだ。


練習量に関しては、朝練やったときは夜錬に15~30分のローラー追加。夜錬をやるときは朝にローラーを15~30分追加。

追加練習ではガツンと踏むことはなく、野球の素振り感覚でフォームやぺダリング効率のことを考えなら、ゆっくりじっくり回す。じわーっと汗をかき始めてから10分続けてオシマイ。

これを3週間やれば、通常約1.5kgほど痩せるのだが、2.0kg以上痩せたということは、予想以上に太っていたのかな?




昨期の冬トレは筋力アップメインでプロテインもやったから、プロテイン太りを起こしていて体重への反動も大きかったのだが、加えて春以降の仕事があまりに多すぎて練習時間の確保すらままならなかった。これはかなり誤算だった。

例年なら3月あたりに仕事がいったん落ち着き、そこで痩せてからシーズンイン出来るのだが、今年は11月から5月までずーっと忙しく、太ったまま過ぎてしまった。

それでも、いつもの練習の坂でタイムを計れば、タイムだけなら昨年夏と同タイムではあった。これで痩せれば…などと思いながらシーズン序盤を過ごしていた。




仕事と練習を抱えてさらに減量までするのは不可能だ。

5月末の美山ロードと木祖村ロードの2週間連続土日休みで仕事が落ち着いたので、6月頭からようやくダイエット期間に入ることができた。GWの時に1週間だけ仕事量が収まったときがあったが、減量には3週間が必要だ。

本当は痩せた後に慣らし期間が欲しいし、無理やり間に合わせた感が酷いのだが、何もやれなかったより何倍も良かった。体の皮をつねってみると、そんなに悪くない。



全日本ロードは日曜日の朝から。今の食生活は木曜日まで続けて、金曜日の夜から土曜日の朝にかけてしっかりごはんを食べ、土曜日の昼以降はまたいつも通り過ごすそうと思う。

あとは無事、船が運航されることを祈るのみ。



2016/6/20(Mon)
昨日発売されたチクリッシモNo.51の記事で、洗車アラカルトという特集があり、その中から一般のユーザーにも当てはまる文章をいくつか抜き出してみた。



①【洗車がうまくできなければ、整備もできない】

自転車における洗車というのは、駆動部についたオイルと、そこに付着したゴミやホコリを落とすことである。ゴミとホコリによって駆動部の抵抗が増して自転車の性能が低下しているわけだから、洗車は汚れによって低下した自転車の性能を取り戻すということである。

洗車によってきれいになった状態というのは、パーツの消耗などを除いて、対象の自転車が最もパフォーマンス発揮できる状態になっている。メカニックは、もっとも良い状態で出せるパフォーマンスからどの程度劣化しているか、という引き算で診ているから、自転車が汚れている状態で整備をするというのは論外である。



②【汚れたままでは、例えば亀裂や細かなねじのゆるみ見つけることができない。】

お店で洗車を教えているときにもっとも受ける質問のひとつが、どのくらいの頻度で洗車をすればよいですか?というもの。

その時に私は、「ベストは乗るたび毎回です。しかしなかなかそれは難しいでしょうから、気が向いたときにやればいいと思います。でも、なるべく意識的に気を向けるようにしてください」と回答している。

マシンのチェック頻度というのは、自転車の性能を保つうえで重要項目の筆頭である。



③【洗車は見た目だけのためではなく、選手の安全とマシンの性能パフォーマンスに直接かかわる重要な作業】

①と②にリンクする内容と併せて、洗車はパーツの寿命を延ばす、という話も加えておきたい。

油がホコリを集めてきて、そのホコリがパーツの研磨剤になっていく。チェーンリングやカセットスプロケットなどは5万kmほども使えるようにできているが、一般ユーザーの中には、それを1年でダメにする人もいる。使用頻度も、使用強度も、走行距離も、アマチュアよりプロの方がはるかに厳しいのに、摩耗が激しいのはアマチュアの自転車。

また、アマチュアがもっとも重要視しているであろうフレームの綺麗さに限っても、ウエスで拭いただけのものとシャンプームースで洗い流すのとでは、どちらが塗装に優しいかは明らかである。

フレームの塗装が性能のひとつであるとしたら、塗装を長持ちさせるような洗い方は、パーツの寿命を延ばすことと同義になるだろう。フレームを拭いて終わる人に対して「埃=研磨剤」という認識を広めていく必要がある。



私が多くコミュニケーションを取っている和光ケミカルによれば、水洗い洗車ができる環境を持つショップは、関東では栃木県に1つと、千葉県のフリーダムの、計2店舗しか無いそうだ。

可能ならすべてのショップが望むであろう水洗い洗車ができる環境として、フリーダムの運が良かったのは、店の軒先に水洗車が可能になる十分なスペースがあったこと。後付けではあるが、井戸を掘るスペースがあったのもよかった。

店の軒先がいきなり歩道では、確かに水洗い洗車は難しいだろうから、本当に運が良かったとしか言いようがない。運良く水洗い洗車が出来たお店は関東に2店舗しかありません、では本当は話にならないのだが、今はまだ我慢が必要な時代なのだろう。


もし新店舗を出すなら、水洗い洗車が出来るテナントであることが最優先項目である、

そういう考えのショップオーナーが増えてきて、今月のチクリッシモのような記事も増えてくれば、今の時代にあるユーザーらの、水洗い洗車へ抵抗感は払拭されていくだろう。




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フリーダムが行っているセルフ洗車料500円の内訳では、


駆動部用洗剤:約30000円/20ℓ・2か月で消費
フレーム用洗剤:約15000円/10ℓ・1か月で消費

スポンジ:1個約80円、1週間に1~3個消費
自転車用ブラシ:1本800円・2か月で交換
100均のブラシ:1本100円・3種類併用で6か月交換

ホースのノズル: 1個900円・約1か月に1個
エアーコンプレッサーのノズル:1個2000円・4か月に1度交換

洗車台:1脚3万円で2脚所持。3年に1度2台買い替え
洗車台用洗剤:業務用シンナーで3週間に1度洗って、約3000円/年

コンプレッサーのホース:16000円で2年に1度交換
バケツ:8年以上同じものを使っている

といったところ。1か月に洗う台数は100台から200台ほどだ。


洗車環境の貸し出しというサービスを始めてからというもの、スポンジ代とフレーム用洗剤の割合が大きいのと、回転式洗車台の手入れが思ったよりめんどくさいことが分かった。



また、実はパーツクリーナーはほとんど使っていない。

フリーダムの年間のパーツクリーナーの消費量は15本程度。すべて和光ケミカルのスーパージャンボであり、BC-8、BC-9は完全にゼロ。

洗車は手軽なだけでなく安価でなくてはいけないという考えに対して、パーツクリーナーのコストの高さは意にそぐわない。

※手軽で安価なフィルタークリーナーも使っていない。



2016/6/14(Tue)
今、自転車業界では自転車が売れなさすぎてヤバイという話が絶えない。次はドコドコの店が潰れそうだ...そんな噂が飛び交っている。



私たち小売店は、代理店から厳しい販売ノルマを課せられてきた。

そのノルマは年々逓増し、ここ数年でさらに顕著になってきた。小売店は身の程をわきまえない仕入れに困窮し、口座の現金が枯渇した結果、新しい商品が買えなくなった。


代理店が小売店に課すノルマは独占市場による一方的な制約だから、代理店自身が、小売店が売りにくいシステムを作ってきたともいえる。

顧客である小売店から口座の現金を絞りあげた結果、契約を全うできなくなった小売店が相次ぎ、次期契約更新に至らなくなった。代理店からみれば契約客数が減り、新たな顧客を探す必要が出てきた。フリーダムとして、創設時に契約を断られた代理店に今更迫られるのは、なんともムカつく話ではないか。

さておき小売店は、過剰な在庫をさばくために値引きをする。

代理店から新商品の販売条件が提示されると、小売店は「早期予約の方は○○%オフ!」などと集客セールをうたい、そうでなくても世界的な最新商品がいきなり値引きで売られている。各小売店に値引き商法が蔓延し始めてから10年ほどが経つだろうか。今やそれが生き残る唯一の手段になってしまった。




少し前に、核抑止論に関する文献をいくつか読んでいたのだが、核の特徴を値引き販売になぞらえることができる。

一度始めたら後戻りできないこと。やったらやり返されること。そして根本的なところで、値引きという戦略が他店への攻撃性を持っていることを忘れてはいけない。自分だけが生き残れば良いと思っているのか、あるいは自分が生き残るだけで精いっぱいなのかはわからないが、すくなくとも自転車市場を広げる動きではなく未来の売上を奪い合っているという点で、視野が狭い事には変わらない。


考えが進んでいくと、核抑止と値引き紛争とで違う点も見えてくる。

核も値引きも、それぞれ最も攻撃力のある戦略であるのは一緒だが、核爆発による放射性物質が長い間地上を汚染し続けるのと違い、値引きという劇薬の効果は効果が一時的でしかない。セールをした店はセールの時しか売れなくなる。一年をとおしてセールするようになったら末期症状だ。

もうひとつは、核は打たれた時に報復として打ち返せるかどうかが不確実なのに対して、小売店における値引き戦略は、値引きされたら値引きされ返すことが必至であることだ。報復の報復は、さらなる報復を生む。


しかし可能な値引き率は、仕入れ掛け率によってあらかじめ決まっていると言っていい。だから大量仕入れ大量販売の原則にのっとって、最終的には資本に比例した大型ショップが金という体力で生き残り、資金が少ない店から順番に潰れていく。

自転車業界に在る決定的な癌のひとつは、大型ショップほど値引き利率が高い、という部分にある。そこには秩序もモラルもない。金のない奴はやるなとでも言いたげに、大型店は小型店を潰そうとしている。生き残る自転車ショップの小規模販売店は、もとから金持ちであることが多い。

店が稼いでいるかどうかは、ある程度スタッフの機材に比例している。この手の業種として、知らないものを売るというのはご法度であり、新商品の情報はどこよりもはやく欲しいからだ。だからちゃんと儲けている店のスタッフは最新機材の導入がはやいし、儲かっていない店や薄給のスタッフはいまだに旧型の製品を使っていたりする。店員の機材事情を鑑みるに、自転車小売店界があまり儲かる業界ではない事が、ユーザーから見てもうすうす感じ取れるだろう。

そして儲ける必要も儲ける気もない、金持ちの道楽でしか成り立たない業界だとしたら、外部から見てなんと魅力のない世界だろうか。




私は、もし人生に2回目があったとしても、もう一度自転車業界に入る気が起きない。

そして、自転車業界においてサイクルフリーダムの店長がそう考えているなら、世の中の店に後継者不足の問題が増えているのは自然だと思う。

スポーツサイクル業界の年収は、超有名店の店長クラスで400万といわれている。一般スタッフとしてなら300万円あれば良い方だという。さらに年を重ねても年収が増える見込みはかなり薄い。嫌気がさして独立しても、起業リスクは他業界の倍以上も高い。店頭在庫への投資額が大きすぎて、一個人に求められる資金の壁がかなり高い。
※全業種小売店の3年間の企業存続率が17%に対して、自転車販売業は7%弱でしかない。

そんなリスクばかりが高い薄給の業界に、若い者が入ってくるはずがない。どれほど夢と情熱が強かろうと、それだけでは暮らしていけない。自転車はもとより趣味である。だから趣味だけに留めず仕事にまでしようとしても、自転車屋を営めば趣味としての自転車すら失われてしまうかもしれないのだ。




ほぼすべての店が、物を売る事よりもアフターサービスを大事にしたい、と願っているだろう。確かに現実的に店を始めようとしたら、そういった情熱がないと出来ないものだ。

しかし店を続けてきて、変わってしまってはいまいか。金が無い状態で出来るサービスなど、たかが知れている。客から見て大したサービスでない内容を当店の特大サービスだと自慢するチャリ屋の、どれほど多いことか。

物が売れずにセールを続けて利幅が取れず、金がないからサービスが低下し、サービスが悪いから物が売れない悪循環。サービスとは元来、儲けの余剰から生まれたオマケなのだ。自己犠牲の上には成り立つものはボランティアという。


問いただしてみればいい。最新技術を寄り集めて作り上げた新製品を軒並み値引きし、自身は代理店の販売ノルマに追われ、顧客に対して満足なアフターケアが提供出来るほど金がない。

本当にそんな店がやりたかったのか?と。




自転車の小売店業界では、値引き競争を避けるための、良い意味での談合や組合のようなものがない。全員バラバラで支離滅裂。私がどんな事を言っても、自転車業界に影響を及ぼすことはないだろう。

一度始めてしまった核戦争が滅ぶまで終わらないのと同じように、値引き合戦を始めた小売店らの相当たる数が無くなるだろう。そして打たれた核への報復を抑えることが難しいように、一度始めた値引き戦略を止めるのもまた難しい。自転車業界の値引き戦争は止まらないだろう。

ならば自転車業界は、いっそこのまま滅んでしまえばいいんじゃないかな?

別に趣味としての自転車が無くなっても、社会は誰も困らない。歩行者とママチャリと自動車の狭間で虐げられているロードバイクが、移動手段として歓迎されることもないだろう。私個人も自転車業界でしか生きていけないとは思っていない。自転車業界が無くなって一番困るのが自転車業界の人たちで、その人たちが自らを貶めるようなシステムを作っているとしたら、笑い話にもなりやしない。


今は、ママチャリ業界とスポーツサイクル業界が別れる、端境期だと思っている。自転車業界の新時代の幕開けに対して、古い風習やしきたりで多少の痛みを伴うのも、避けられないのかもしれない。

これから自転車業界が値引き戦争による集団自殺をしようとしているなら、私の役割はそれをしっかり見届けて、後世に伝えることなのかもしれない。




2016/6/6(Mon)
メイタンの続報をコピペしておきます。




お取引先様各位


日頃より、弊社製品の販売にご尽力頂き誠にありがとうございます。
また励ましをいただいた皆様には感謝の極みです。


4月に当該製品のスクリーニング検査の結果をご報告しましたが、その後、
含有について確定するための検査(確定検査)を実施してまいりました。
このほど英国の検査会社から結果の連絡があり、
きわめて微量ではありますがボルジオンが含有されていることが確認されました。


(製品名)         (推定含有量)
「古式梅肉エキス」    10~20ng/g
「トップコンディション」   1~3ng/g ※ 1ng = g/1,000,000,000(10億分の1グラム)


検査結果を得て、弊社では今後の方針が決まりましたのでご報告いたします。

(1)「古式梅肉エキス」「トップコンディション」の2商品につきましては、ドーピング検査を受ける
   可能性があるアスリートの皆様への供給を中止するとともに、
   注意喚起の文言をパッケージに記載し販売してまいります。

(2)スクリーニング検査でWADA禁止物質の含有が認められませんでしたが、
   原材料にWADA禁止物質の含有が確認された梅肉エキスを含む
   「梅丹スーパーエキストラゴールド」「梅丹エキストラゴールド」「梅丹」
   「サイクルチャージ(CC)」「サイクルチャージカフェインプラス(CCC)」 
   「サイクルチャージカフェイン200(CCC200)」の6商品につきましては、検査結果をもとに、 
   これまで通り販売してまいります(特に注意喚起文言は掲示しません)。

(3)さらに、エネルギー補給食「サイクルチャージ(CC)」「サイクルチャージカフェインプラス(CCC)」
   「サイクルチャージカフェイン200(CCC200)」につきましては、梅肉エキスを使用しないタイプの
   「クリアプロ」を新発売します。色目は透明に近く、以前から要望の多かった衣服
   の汚れが目立たないタイプに仕上がっています。

(4)「古式梅肉エキス」に関しましてはWADA禁止物質を含有しないタイプの開発を着手します。


なお、弊社では引き続きましてアンチドーピングの精神を尊重してまいる所存です。毎年、主力商品と
スーパーアスリート商品のWADA禁止物質の検査を受けて、結果を公表してまいります。




※※※※※※※※※




ドーピングは言い方を変えればサプリメントであり、本来はその境目として基準値が在る。

また、本当のトップカテゴリーであれば、先天的な肉体の個体値を公平にさせる意味合いもある。

少なくとも、対象でない人たちが大きく騒ぎ立てる話ではないように思う。



ちなみにドーピングという言葉の由来は、ドープというブドウ科の果物に興奮作用があったことから来ているという話が記憶にあるのだけど、出典元が上手く見つけられなかった。

ドーピングの語源は昔から説がたくさんあって、私も以前一度調べたことがあるのだけど、どれも「~らしい」とか、「~と言われている」などとあり、どれも情報が正確ではない。

上に挙げた説は、私は調べた説の中でもっとも年号的に古かったもので、たしか1600年代のハナシだったはずなのだけど、なんの文献だったか忘れてしまった。


詳しい人はどなたか教えてください。




2016/6/5(Sun)
ブレーキの片効き調整ボルト。これを緩めているバイクが定期的に見受けれられる。


このセッティングを始めて世に紹介したのは実はおそらく私で、5年ほど前のサイクルスポーツのワイヤー交換の特集記事において、この片効き調整ボルトを緩めることでレバーの引きを軽く出来る、という裏ワザを紹介したことがあった。

それは、片効き調整ボルトはCアームとYアームを反発させるアームバネに繋がっているので、このバネにテンションを与えているボルトを緩めることで、疑似的にレバーの反発力を軽くすることが出来るよ、という内容の話だった。



2台来て2台ともこのセッティングを採用していたので、

このバイクはどこで組んだの?

と尋ねてみると、××店です。○○店です。とそれぞれ別々店を紹介され、この調整は専門ショップがやったことだと判明した。実際にいくつかのショップで、このセッティングを採用しているショップがあることは、私も知っている。


その記事では、どの程度緩めるのが適正か、という点にも触れてあるのだが、今ではその部分が風化し、単純に“この”ボルトを緩めればレバーの引きが軽くなるというだけの話に変わってしまったように思う。

いや、むしろ当時から私の紹介よりはるかに緩めたバイクは多かった。過ぎたるは及ばざるがごとしというべきか、実際にブレーキの性能が落ちてしまうレベルまで緩めてしまったブレーキキャリパーの方が多く、ひどいものでは緩めすぎて走行中にボルトが無くなってしまっている個体もあった。

私の裏ワザ紹介は、私の意図から大きく外れ、紹介したことそのものを後悔した記憶がある。



ボルトは振動で緩むから、意図的に緩めればそのうち緩めすぎて無くなってしまうのは容易に想像できる。バネだって、反発力を落とせばコントロール性が悪くなる。

当然私もそういうことを踏まえた上で、コントロール性を落とさずに、ボルトも緩まずに、レバーを軽く出来る限界を試行錯誤した。そしてその結果を雑誌で公表した。良かれと思って。

しかし現実は“程度”が伝わることが無かった。



雑誌で紹介した情報などがインターネットを介して蔓延した時、程度について触れられることが少ないように思う。

書き手は要約や結論だけを太字で強調したり、画像を増やして文章や注釈から目線を逸らせたりする。読み手は、行間を読みとる努力や習慣が薄れているのではないか。


自転車の調整に限らず、ほとんどの事象で大事なのはバランスであろうが、結論だけにフォーカスしていると、本当に大事なバランス感覚が損なわれてしまう。




2016/6/4(Sat)
7月23日の和光ケミカル洗車講習会に対する問い合わせメールの返信が、まったく出来ていません。

さらにそれを日記で一括して返答するようで申し訳ないのですが、今回の和光ケミカルの洗車講習会に対して、講習料、参加表明、参加条件はありません。ご自身で用意してもらう物も特にありません。

洗車会は一日中やっていますので、都合が良い時間帯にフラッと来てもらえれば大丈夫です。


また、今回の洗車講習会は、イベント会場で見るような、和光ケミカルに自分の自転車を洗ってもらうものではなく、和光ケミカルに洗い方を見てもらいながら、自分で自分の自転車を洗ってもらう予定でいます。お手本を見ながら実習するといったイメージです。

ブラシの使い方1つとっても、実習を伴ってこそ身に付くものだと私は思っています。今回の洗車講習会の目的は、ユーザーが自分自身で洗車が出来るようになってもらう事であり、誰かに一時的に綺麗にしてもらうためのものではありません。

ですから、フリーダムの通常の洗車料500円はかかります。
※スポンジやその他溶剤等は通常通り貸し出します。

和光ケミカルの洗車を見てから自分で洗車をし、その後もう一回見ておさらいをする、といった流れでしょうか。重ねがさね、洗車講習会に対する講習料、参加表明、参加条件などはありませんので、気軽に来ていただければと思います。




※※※※※※ANYWEY※※※※※※※




私の795ライトのクランクにおいて、付属のZED3ではなくデュラエースを使用している理由を問われることが多い。

たいていは、「理由は変速性能ですか?」という推測を伴って。

答えは、否。

むしろ変速性能だけにフォーカスすれば、デュラエース純正で揃えるよりもZED3&メーカー指定チェーンリングの方が、良くなるようにさえ感じる。

メーカー純正で揃えるより良い、なんて意見に信憑性は無いかもしれないが、実際にルックはカンパやスラムを見限っている所があって、ほぼシマノ専用として開発・進展してきた帰来がある。2011年の695デビュー以来、ZED系用チェーンリングはすでに6回のマイナーチェンジを経て、少なくとも純正と同等以上だと評価してよい。



2011年当時、695のZED2チェーンリングを交換するショップが多かった。

最初期ロットでいえばたしかに、クランクは重く、メンテ性も悪かったように思う。

実際には、クランクは漕げば軽いし、メンテが悪いのもメカニックが慣れていない面が強かったと思い返すが、当時は圧入式BBへの拒絶反応が強かった時代背景もあってか、交換するショップが後を絶たなかった。



シマノ・デュラエースのクランク剛性は、右側のみで測定すると世界で一番高いものの、スピンドルと左クランクアームの結合部が弱いせいで、結果的にハースカップリング型のカンパニョーロ・スーパーレコードの方が剛性が高くなる、という実験データがある。この話を突き詰めていくと、左クランク~スピンドル~右クランクまでをワンピース構造で作りきってしまう設計が、もっともクランクの性能を上げることになる。

また、ボトムブラケットのベアリングは、なるべく大きく、なるべく外側にあることで性能が上がっていく。イメージとしては、一般のスクエアテーパーBB → シマノ・ホローテックⅡ → BB30 だ。


だから、最新型ルックのBB65とZED2クランクという2つの特徴は、フレーム形状のUCI制約に則ったうえで可能な限り大きくしたベアリングを、位置的にも可能な限り外側に配置し、左クランクアームから右クランクアームまで一体成型したクランクを、どうにか組み付けられるように設計した規格である。自転車全体を理論で逆算した結果が、あんなカタチになってしまったわけだ。


それは実際に漕げば、誰でもZED系クランクの優位性が感じられるくらいに良いものだ。
2016年にZED3クランクになってからは、ネックだったメンテ性が大幅に改善し、特殊な工具なく整備が出来るようになった。

発売から7年間で、もっとも性能が高いクランクとチェーンリングに進化したにもかかわらず、アダプターを介して他のクランクに交換されてしまうことが多いZED系クランクは、いまだに昔のイメージに引きずられている証拠である。

ルックに限らず、こういうケースは多くて、試していないのにイメージで語られていることが多い。コンポは全てメーカー純正で揃えるのが良いという意見が根強いのも、その最たる例だと思う。


冒頭でルックはカンパを見限った、という話を書いたが、ルックに限らず数年前からサードパーティーはかなりシマノ寄りに作られ始めている。

795のZED3クランクを懸念している人は、安心して純正クランクを使用して良い。





2016/5/30(Mon)
木祖村2DAYS

【ステージ2:ロードレース】

DNF。脱水症状にてリタイア。補給で受け取ったボトルの中身が水だった時に半分くらい悟った。この日にドラマはない。



木祖村ロード2日目は9km×14周の計126㎞のレース。


1周目。昨日先頭集団で完走できなかった人が前に陣取り、ややカオス。1周でも長く集団に留まり続けるために、少しでも高い位置で坂に突入しようという事だろう。

スタートの号砲が鳴ってから、まだローリングも明けないうちにダッシュして先頭へ。P1ではとにかくスタートのダッシュが速い。そして望む位置に陣取ったら横も前も絶対に空けない。E3~E1では考えもしなかったことが、P1ではけっこうある。

木祖村はE3からP1まで混走するため、P1で走るようになってから初めての出た木祖村ロードでは、スタートにおける意識の差がものすごく大きく見えていた。エリートカテゴリーの人達は並ぶ順番は速いけどその後がモタモタしている。プロカテゴリーの人はスタートの位置こそあまり気にしていない風に見えるが、スタートすると目いっぱい前に上がろうとする。特に外人などは。

ヨーイ、バンッ! → クリートバチッ! → ダンシングダッシュ! → 前の人のお尻グイッ! → 車列が開いたらハンドルズドーン!

町の草レースでは自重するけど、なんだかこういうことも当たり前なんだと思うようになってきた。




100人くらいで始まった2日目のレースは、登り坂でローリングスタートが開けて、ブワァァァ~~~っと集団が伸びていく。

昨日のメイン集団でゴール出来なかった人が集団上位の中に何人か間に挟まり、開始5分で中切れの嵐。リーダージャージとそれらを抱えたチームを除いて25番手ほどを走っていた私から見て、前に2つの中切れ。後ろは見てないが、「前埋めてから切れろや!」という怒号が聞こえてくる。

中切れは作った人自身が責任をもって埋める。こういう時は誰かが埋めてくれることはない。その場で燃え尽きるぐらいのダッシュをしてでも埋めないといけない。言葉では怒りながらでも、後ろから尻を押してくれる人はとても優しい人。もちろん自分で直接埋めるより前の選手のお尻を押した方が結果的に楽なんだけど、それでもその人は優しいと思う。

まかり間違って仮に誰かに中切れを埋めさせた場合、パンチの1つや2つは当たり前。でもクライマーにとって、平坦で中切れして尻にパンチを食らうのは日常茶飯事で慣れてるんだそう。へぇ~。



それでも結局は2回繋ぐことになる。自分の身を守るために。パンチしながら(笑)。3周回が過ぎるころには、そういうのがあらかた後ろに下がって集団が落ち着く。そして逃げが出来たのは4回目の登りのあと。各チームの狙いが明確だったこの日は、逃げがビシッっと一発で決まった。

この後はもう、ステージ&総合優勝争いの逃げ集団と、メイン集団のアンダー23&オーバー40争いの2つに分かれる。フリーダムからは吉田君のアンダー23(2位)と佐藤秀さん(4位)のオーバー40が絡んでくる。



8名ほどの逃げ集団から1分差でメイン集団が推移しつつ、メイン集団は40名くらいに減らして7-9周目の補給に入る。あまりモラルがあるとは言えない補給中のアタックなどが発生しつつ(実際にこの1周で差が1分10秒→30秒にまで縮まった)、補給を取る。補給を取った後はダッシュだ。

私は7周目に補給ボトルを取りつつ2周の間に飲み干して、9周目にもう一度ボトルを...と思っていたのだが、手が滑って落としてしまう。イージーミスで反省する。


次にもらったボトルの中身が水で、これはかなりマズイと思った。補給ポイントはもう無いにもかかわらず、まだ1時間以上走らなくてはいけない。パワーを出せばナトリウムを失う。心拍を上げれば水分を失う。レースの折り返しを過ぎて、すぐに切り替えて完走を目指すべく、可能な限り省エネで走る。吉田君と佐藤さんには頭の中でゴメンナサイする。

まだあと45km走る。気温は29度。補給はもう無い…。

幸いなことに、メイン集団にはすでに20人ほどしか残っていない。つまり先頭を走っていても最後尾を走っていてもほとんど落車リスクが変わらない。前が小さい選手であれば、私にとって車間を空けていてもほとんど関係ないし、むしろ前の選手との体重的なギャップがあると、ブレーキングポイントもカーブのラインも変わりすぎてストレスだ。集団後方に下がりつつ、とにかく踏まないように心がける…。

しかし13回目の坂でチギれてしまう。やっぱりというべきだろうか。12周目までは登りでポジションを挙げつつ下りでポジジョンを落として周回をクリアしていたが、突如としてパタッと踏めなくなる。ハンガーノックや脱水症状とは確かにいきなり来るもので、それは突然現れて、その後は平坦や下りですら付いていくのがキツイ。

その後は無理せずDNF。脚きりは7分で残り10㎞だったから、そのまま走り続ければ完走は出来たかもしれないけど、帰りの運転に差し支えるのでオシマイ。結局この日は何もしてないにもかかわらず、翌日の今日にダメージが残ってしまった。




2日目のレースは何か言えることがあまり無いけど、やっぱり弱いから脱水症状にも陥るし、ヘタッピだから省エネ走行も出来ないんだと思う。

こういうアクシデントに対応できるだけの技術と脚力が無い。



2016/5/28(Sat)
木祖村2DAYS

【ステージ1:タイムトライアル】

29位

昨年は曲がりくねった下り勾配をストップ&ダッシュで突っ込んで、後半の登り坂はタレつつ我慢。

今年は前半は抑えて、後半の坂はタレないように。

結果はどちらも同タイム。

へぇー!そうなるんだぁー。


違いは喉に焼けるような痛みが出てない事。結果的に乳酸的にも余力を残したTTになってしまった。動画を見返すと、足が止まっている時間が長い。

同タイムなのに去年より順位が14個も低いのは、プロが参戦してるからだな。




【ステージ2】

24位。



TTから2時間後。車内で少し寝て、寝すぎて急いで準備。

サスペンデッドなロードレースは1周9kmを9周で81km。


作戦は逃げに乗る事。

ただし、プロを含めた追走集団に加われる実力はないので、第一便で抜け出して、あとからピョンピョンしてくるであろうプロをレースフロントで待つ。

メイン集団は脚力的にプロが先頭に集まって来てしまうので、プロチームを含んだ逃げを作れればよい。プロは練習に来ているから、逃げ集団に対して少人数でピョンピョンジャンプしてくる。そしてピョンピョン出来ない人はサイクリングになる

自分から逃げを誘いつつ、プロが乗ってきてくれるまで我慢。そういう目論見。



1周目の坂はまさかの先頭通過。いますぐKOMをくれ。

おそらく私は集団でもっとも体重がある選手の1人だから、先頭で坂を登り切れば、下りきるまで先頭が保証されている。

登りきりで踏み込んで速度をパパッと戻し、単独で下る。レースしょっぱなのオープニングアタックに釣れたのは学生2人とアンダーカテゴリのリーダーの、計3人。

しかしこれだと、メンツ的に弱い。学生2人とアンダー1人とどこぞのアマチュア1人。おそらく4人ともそう感じたようで半周で潰れる。


自分の逃げが捕まった直後のカウンターが決まってしまうと嫌なので、入れ違いのアタックにチェックに入り、そのままもう一度先頭付近で坂へ。その坂で踏み込むも、まだまだ集団は元気で、決まるようには見えない。

3周目の坂で10名弱が抜け出し、それを私を含めた4名で追走。下り切って捕まえて15名程度。メイン集団とは目測70m。決まったかと思ったけど決まらない。

4周目も3周目と同様。抜け出せるメンツはだいたい固定され始め、見ている人間も同じになってきた。後は集団が容認してくれるのを待つのみ。でもダメ。誰がそんなに追いかけてくるんだろう?などと思う。


この動きの入れ替わりが5周目の坂で抜け出して、それが決まり。

1周のうちに2回アタックポイントがあり、4周回計8回のチャンスに4回チャレンジしたけど、残念ながら逃げには入れなかった。そういう時もある。

リンク東北の半沢さんが入っていったのを見ていたので、ゴール後に聞いてみたら、完全に偶然だそう。えー。半沢さん1回目じゃん!



逃げが決まってしまったので、ポジションを15〜20番手に落として回復。周りには、ブラーゼンとベルマーレ、ニールプライド、ウォークライド。チーム山梨が1人と、イナーメから井上くんと高橋誠さん。逃げを追う必要がない人ばかりが前にいるので、ここで8割がた逃げ切りを確信。駒沢と京産大の学生2人、それと湾岸ユナイテッドの雑賀さんが孤軍奮闘しているけど無理だろう。私は前半で脚を使ったので、明日に備えて出来る限り回復走。

おそらく木祖村くらいが、今の私がギリギリ動けて、自分から逃げを作れるか作れないかの瀬戸際レベル。7回目の登り坂でリーダージャージのブルーノ(ニールプライド)とブラーゼンが麓からアタックして追走をかけたけど、無理。追う理由がないから練習がてらなのだろうけど、あんなの無理。


最終周回にフリーダムの吉田くんが、上手いタイミングで仕掛けていった。
先頭を引いているイナーメの2人が下り坂の登り返しで疲れていて、その直後に私がいる。あれは最後まで捕まらないな、と思いながら見送った。

最後の坂はあまり力を抜かずに踏んで、メイン集団でゴール。登坂力で後手を引くようではなくてよかった。



今回は逃げには乗れなかったものの、前半から積極的に動けたし、その後も集団後方まで下がりすぎるがなかったのもよかった。プロ相手にも少しずつチャレンジしていこう。

宿に向かう途中、身長1cmにつき体重1kgが目安だよ、みたいな話になった。私は今185cmで72kgくらいだけど、身長10cm下がって62kgになれるなら考えちゃうな。

登りでビシッと抜け出せるだけの登坂ダッシュ力をつけないとな。プロの追走についていけるようになると、戦略がかなり広がりそうだ。


2016/5/27(Fri)
スラムeTAP

スラムの電動が発売された。ワイヤレスとして。

その第一感は、少し厳しいものだった。



【直感的な操作が出来ない】

Di2やEPSと違って操作がまったく異なるため、直感的な動作が出来ない。操作に慣れるまでは、シマノやカンパの時よりもはるかに時間がかかるだろう。

慣れてしまえばデメリットにはならないだろうが、メリットになるわけでもない、というのも大事なところだ。





【フロントのシフトアップに難あり】

eTAPは前後同時の変速が出来ない。
正確に言えば、出来ることには出来るのだが、実践的ではない。

※※※eTAPの使い方は、右レバーでリアシフトアップ、左レバーでリアシフトダウン、両方同時押しでフロント変速、である※※※


フロントディレイラーを動かすとき、たいていはリアも同時に動かしているはずだ。
アウターに乗せる時にはリアシフトダウン、インナーに乗せる時はリアシフトアップ。それぞれパワーやケイデンスに負担をかけないために。

さらに厳密に言えば、アウターに乗せる時はフロントの変速をしてアウターチェーンリングにひっかけながらのリアシフトダウンであり、インナーに落とす時は、先にリアのシフトアップをしてからフロントをインナーに落とす。

eTAPはリアを変速しながらフロントシフトをすることならできるから、フロントのシフトダウンはそれほど問題にはならない…はずだ。

しかしその逆の、フロントを変速をした後にリアの変速が出来るようになるまで、(フロント変速のボタンを押した後に間髪入れずにリアのシフトダウンのボタンを押す)…0.3秒くらいインターバルが存在する。

0.3秒というのは、ケイデンスでいえば3分の1回転ほどになり、変速が完了する時間である。つまりDi2勢やEPS勢は変速を終えているのに、eTAPを使っている人だけ変速が終わっていないという事になる。

つまり、フロントのシフトアップがすごく苦手ということなのだが、ここで問題なのは、シフトダウンよりシフトアップの方が優先順位として大切である、というところにある。追い打ちをかけるように。

海外の長いラインレースと違い、日本のレースは短い周回コースのアップダウンばかり。つまりフロント変速の回数が多いのだ。だからこの0.3秒の積み重ねは、必ず乳酸となって返ってくるだろう。





【認識に誤差】

また、左右同時にボタンを押すことで変速をするわけだが、人間の動作において厳密に同時に押すことは難しいだろう。0.0001秒違わずにカチッ!っと押せばよいかもしれないが、極限状態の中でカチカチッ!っとなってしまった場合はどうか。

実際に少し変化を付けながら、レースの時に出てしまいそうな誤差でカチカチッっとやってみたところ、フロントの変速なのかリアの変速なのか認識できずに動かない時があった。それは1回2回ではなく、カチカチッ!の許容範囲も認識することが出来たので、eTAPの中で明確に基準があるのだろう。具体的に動作が安定しそうなギャップは約…0.08秒以内くらい、たぶん。

仮にeTAP内の認識に基準があったとして、レース中などの極限状態でその基準が守れなかった時にどうなるか。

変速したつもりが変速せず、変速できているかどうかを確認して………約2秒。さらに再度変速をし直してプラス1秒。





【ボタンが硬い】

最初は良いと思った。しかししばらく押しているうちに、このボタンを何時間も押し続けるのは、結構負担になると感じ始めた。変速機すら押すのが厳しくなるくらい疲れたとき、この硬さはたぶんツラい。

最初良いと感じて後から厳しいと感じるのは、たいてい疲れてない時はいいけど疲れたらダメになるものである。


また、フロント変速にも右手が必要になるので、“右手の出動率”が高い。

カンパニョーロの変速の楽さは、他のメーカーがシフトアップもシフトダウンも両方“時計回り捻り”であるのに対して、カンパニョーロはシフトアップを反時計回り捻りにすることで、変速時に捻る運動回数が実質半分になっているところが大きい。

eTAPでは、右手の変速運動がフロント変速時にまで駆り出されることになる。どんなに控えめに評価しても、プラスの件ではない。





【バッテリーの運用問題】

フロント用とリア用でバッテリーは共通。どちらかのバッテリーが切れても、降りて移し替えて使えるという事で応用は効くだろう。ここまでがメリット…ささやかな。

バッテリーが4つあるという事は、管理しなくてはいけないバッテリーが4個もあるという事で、それだけですでにかなり煩わしくある。レバーのバッテリー交換周期はかなり長いみたいだが、仮に2個だけだとしても全力で嫌だ。

また未使用時のスリープモードは30秒でかかるが、物理的に移動しているとスリープに入らないという事で、クルマなどの移動時にも外しておく必要が出てくるらしい。

となると単純に荷物が増えることなるし、よもやバッグにポイ投げするわけにもいかないからバッテリーを管理する袋やポケットも必要になるだろうし、それを意識する脳も必要だ。すくなくともeTAP以外のコンポには無い問題であり、やはり煩わしい。





【混線の問題】

ワイヤレス通信による混線の心配があるかもしれないが、このご時世に混線状態に難ありという状態での製品化、一般販売はしないだろう。

だから私ははその心配はしていない。





【ワイヤレスになったメリットがどこにあるのか】

まず、見た目がいい、という点に関してだが、今やほとんどのフレームが電動コンポに対応していて、ワイヤーが露出している部分は非常に少ない。もしこの日記を見ているアナタが電動を持っている人がいたら、その配線を見て、その配線が無くなったときにどのくらいシンプルになったと感じるだろうか。また、配線が無くなったとして、結局フレームに穴やゴムが残るのではないだろうか。

だから真にワイヤレスがシンプルだとすれば、それはフレームもワイヤレスコンポ対応の場合だけだろう。


次に、断線の心配が無い、という点についてだが、Di2で断線した人がどのくらいいるだろうか。通常の走行時にワイヤーが抜けてしまったことがある人がどのくらいいるだろうか。その確率は何%だろうか。Di2やEPSの安定性に対して、バッテリー管理を4倍にしたワイヤレスのメリットはどのくらいになるのだろうか。

シマノは、ワイヤレスは技術的には出来るがあえてやらなかった。と言っている。

eTAPを見て、それが答えなように感じた。シマノの言い分がすべて正しいとは言わないが、正しいことが多いのはシマノとカンパだ。





【組む手間は一瞬】

確かにワイヤレスのコンポは付けやすいだろう。

例えばDi2のエレクトリックワイヤーをフレームに組み込むと平均して約4分ほど必要だ。EPSだと15分くらいだろうか。配線を各パーツにつなげて綺麗に処理し終えるまでさらにプラス15分ほどか。それがeTapなら、ボルト4本締めてボタンを数回押して、2分とかからず全て終わるだろう。

しかし、それはユーザーには関係ない。





【誰がターゲット??】

変速スピードでいえば機械式カンパが、変速の安定性でいえばシマノDi2が圧倒的だ。スラムは、シマノの変速スピードもカンパの安定性も、どちらも超えない。

eTAPは変速スピードに難ありだし、変速の安定性にも難ありだし、バッテリーの運用にも難がある。頼みの見た目もそれほど完璧に改善されるものではないし、たった一回の組み付けだけが軽減される程度。

スラムの米国内の評価は、「安っぽいけど安くて良い」というものである。それが海外に出回った時、「安っぽいのに高い」となる。それを乗り越えて、日本ではどんな人が購入するだろうか。


まず考えられるのは、Di2やEPS用の穴が開いていないタイプのフレームを使っている人が、スマートに電動を組み込みたい場合。

問題になる人が一定数いて、野放しにeTAPバンザイというわけにはいかなさそうだからこれだけのマイナスな内容も日記に書き起こしたけれど、eTAPは普通に普通の電動コンポである。

普通にサイクリングに使う分には、シマノDi2やカンパニョーロEPSとほとんど違わず、私が上記であげたマイナス評価は、レースや遠征をやらない限り、大きな問題にはならないだろう。電動は、電動であるだけで価値があるものだ。



2つ目は、シマノもカンパもみんな使っているから、あえてスラムを使う、という人の場合。

現在のスラムユーザーにかなり共通しているところではないだろうか。同じスラムで比べた場合、REDとeTAP REDでは、間違いなくeTAP REDに軍配が上がる。



3つ目は純正のパワーメーターを持っているという点だ。

スラム製クォークは良く出来ているし、アフターも良い。そして何より、コンポメーカー純正で用意できる唯一のパワーメーターであるのが他と違う。

シマノはシマノ製パワーメーターの発売が予想されているが、今のところはまだ正式な発表はなく、現時点ではスラムが唯一、同一メーカーでそろえることのできるパワーメーター込コンポーネンツである。




話をまとめると、レースはせず、クルマや輪行などの遠征も少なく、他人とは違うニッチな商品が欲しい人が、性能の高いコンポを使いたい場合にeTAPは当てはまる。

eTAPは3社のシェアを覆さないだろうが、上述の条件は自転車乗りの大部分が当てはまるだろう。






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