火曜日にボーラが復活したのが嬉しかったので、水曜日の練習はうぐいすラインの九十九折での往復練習。
4分登りって2分下るインターバル。1往復6分を10回やると1時間。
僕はあまりロングライドをしませんし、長い距離を走る練習が必要だとも思っていません。年間でも4時間を超えるような長時間の練習はほんの数回です。暇な日も、わざわざ2回に分けて行います。主な理由は集中力です。
先週末のチャレンジロードレースは修善寺の日本CSCで行なわれ、僕自身、修善寺を走ったのもあれが初めてだったのですが、同時に落車以外で先頭集団から遅れてしまったのも初めてでした。後になって悔しさや情けなさにさいなまされ、ダンシングが出来ても出来なくても関係なかった、文字通り完敗だった、という思いがはっきりしました。
これからの練習は、まさにあんな感じを想定していこうと思います。登りにおいては、40分の山を1回登るより、4分の坂を10回登る方が、はるかにレースシーンで必要な能力だと感じました。
悔しさがモチベーションに繋がってくれたのがなによりの救いです。
さて、2週間前の落車で壊れたボーラが復活しました。壊れた手首も、ニップルを回せる程度には回復しました。
僕はボーラを使い始めて、2年ほどが経ちます。それ以前はジップやデュラエースなどを所有し、あるいは市場にあるメインメーカーほぼ全般を使用し、この2週間はコスミックアルティメイトを使っていました。そういった中で、やっぱりボーラは良かった。それは使い慣れているかどうかではありません。
ではいったいボーラの何が良いかといえば、それはリムの重さ。
たとえばマビックの最新作であるCC4Oシリーズの宣伝文句は、「カタログスペック上の単純な重量は重いけれど、実はリムはマビックが一番軽い。CC40の何が重いかと言うとスポークとハブ。でもホイールで大事なのはリム重量。マビックは重いけど丈夫なスポークで、軽いリムを回している。理にかなっているのはマビックの方だ」というものです。
軽くて固いホイールというのは、ホイールメーカーが目指すホイールのお手本のようなものです。自分の脚力と言うのを素直に反映し、ごまかさず、ごまかされず。中国や台湾の新興メーカーが、こぞってそれを目指しているのは自然です。その中でトップクラスの実力を持つCC40Tは、僕が自分の機材としてレースで使用するのも良いんじゃないかとさえ思うことができます。これは僕の中で最高の褒め言葉です。
しかし、軽くて固いのが良いというのはマビックにかかわらず、ホイールの一般通念であるにもかかわらず、僕がボーラの良いと思う部分と相反しています。
ボーラのリムは、ライバルホイールの中でも重たい部類です。スポークもそれほど太くありませんし、スポークテンションも高くありません。マビックの主張からすればダメなホイール、簡単に言うとフレームの下でリムが暴れちゃうんです。
でも僕はその暴れ方が良いと思っているわけです。あるいはリムが重いところが良い、と。
この暴れ方の言い方を少し変えたものが、しなりと呼ばれるものです。
フレームやホイールのインプレでよく使われる言葉ですが、具体的にどの程度のパワーをかけた時に、どの程度しなり、どの程度の反発力があるのかが書かれていませんから、インプレの際にこれほど曖昧になる言葉もありません。
では僕なりに感じる、具体的なボーラのしなり具合はどれくらいかというと、320w程度がもっとも大きくしなるポイントだと思います。320wというのは、平地単独無風で44km/h程度を出すのに必要なパワーであり、おそらくプロが普段巡航しているパワー値と同じなんだと思います。
それ以上になるとスポークがたわめる限界量を超えて、絶対的な剛性が顔を出します。絶対的な剛性の限界はどのメーカーもほとんど変わらず、メーカーごとの特色は出てきません。僕がその剛性の最大値を超えて踏む力を持ち合わせていないからかもしれませんが、そもそもトッププロが使用することも踏まえ、人間の力では決して不十分にならない剛性を、どれも持ち合わせているのだと仮定できます。結論だけ言えば、ホイールの絶対的な剛性は形式的に考えなくてよいと言えます。
脚を止めている時は、スポークはほとんど関係ありません。ですからホイールの特性を考える上では、スポークがどの程度でたわみ始め、どの程度で収まるか、この1点のみを考えればよくなります。
ボーラで例えてみましょう。
ボーラは250w程度からしなりはじめ、320wくらいでもっともしなりが大きくなり、500wを超えればほとんどしならなくなる、といった具合です。
私自身の脚力は、チョビット踏みはじめると230W、巡航の時は300W、ダンシングを始めると800~960 W程度なので、500 W以上(結構低い値)ですぐにたわまなくなるボーラの持つ特性とは、大きく重なっています。僕とボーラは相性が良いと言えます。
しかし僕とボーラの相性の良さは僕だけが特別なのではなく、実はけっこうな人が当てはまります。というのもダンシングしたときに500Wも出ないという人は、ほとんどいないからです。
サイスポの2014年4月号のホイールインプレで、吉本さんが「カンパは気持ちよさの勘所をつかんじゃってる」というような言い方をされていましたが、まさに上記の通りです。人間の出力にはムラがあり、そのムラに合わせた剛性づくりをしている。あるいは、そのムラを無視したいならばマビックのようなホイールになる、といったところでしょうか。
そうとなるとボーラを買うか買わないかの焦点は、巡航時に250W以上での巡航、できれば320W以上を出せるか出せないか、この1点にのみ合わせてしまえばよいのです。平地無風単独の時に、44km/h以上で巡航するのかしないのか、です。
逆にボーラのしなりが発揮され始める最低限の速度である44km/hがサクッと出せないようなら、他のホイールを使った方が良いと考えられます。それこそ固くて軽いCC40Tは、筆頭候補の1つだと思います。
今回はホイールの剛性面からホイールのことを書いてみましたが、条件を整理していくと、剛性面でのホイール選びというのは、そう難しくないということです。
- 商品名
- ボーラウルトラ2とCC40T
- 登録日時
- 2014/04/15(火) 14:17
- メーカー名
- ホイール