【カンパニョーロ・シロッコ(178文字)】
今回試乗したホイールの中ではダントツで安いので、正直全く期待していなかったが、乗ってみると思いのほか良かった。先入観は持つモノじゃないな。入門ホイールということで剛性は横縦ねじれですべてダメ、練習用ホイールの域からは抜け出せていないが、レーサー向けの練習用ホイールとしてはよいかも。登坂力がないのでロングライド用として買うと、思ったより距離は伸びないかも。
【ボントレガー・Xライト(180文字)】
そもそもボントレガーをトレック以外に合わせる人がいるのかという疑問はある。タイムやデローザについているボントレガーを見て、誰かカッコよく思ってくれるのだろうか。それはさておき、すこし横剛性不足が目立ち、踏み方が制限される。軽さだけでは山は登れない。たとえば後に出てくるアイオロス3のライバルがボーラだとして、このXライトはシャマルではなくゾンダに相当する感じ。
【マビック・RシスSLR(180文字)】
リアのトルク伝達力を考えればこの固さもまま許せるが、フロントの固さは許容範囲外だ。路面が少し荒れれば平地でさえ厳しい。ただこの評価は専用タイヤのイクシオンを付けたときの評価なんだけど、コルサCXに変えると、問題ないと思えるくらいには改善されたんだ。そもそもキシリウムとRシスで全然違うのにタイヤが同じってこと自体、マビックのWTSってシステムに説得力がないんだよね。
【マヴィック・キシリウムSLS(180文字)】
まろやかになった。今までのものとは完全に別物と思っていい。タイヤとチューブが付いているから実質値下げだけど初期投資としては高くなる。タイヤは一番好みが分かれるパーツだから、僕は別売が望ましかった。たとえこの組み合わせが一番速くなるのだとしても、それだけじゃダメなんだよね。実はすべての項目に60点をつけた。今回のホイールの基準として他と相対的に見比べてほしい。
【DA・C24-CL(180文字)】
C24-CLが存在する以上、他のすべてのホイールは、それを選ぶために性能以外のなんらかの理由が必要になるだろう。それだけアルミクリンチャーの中では突出している。C24-CLは過小評価されがちで雑誌などではよく1本目のホイールとして最適と書かれるが、むしろこれ1本あればよいとさえ言えるレベル。またフルカーボンモデルを売ってほしい。もしこれがチューブラーなら僕は絶対に買ってしまう。
【エドコ・アルミホイール(179文字)】
見たこともなければ聞いたこともなかったけれども、リムもかたいしスッゲーまとも。DA・WH-7900-C35-CLがもっとよく回るようになった感じで、今回のホイールの中でも速い方。まさかこんな結果になるとは思わなかった!フリーの位置が他と大幅に違うから、そこには注意が必要。ディレイラーの移動幅から直さなくちゃいけないレベルだから、複数本ホイールを持っている人は毎回めんどくさいだろうね。
【DA・C50-TU(180文字)】
パワーが路面に伝わっているのがよくわかる。今回試乗した場所には、4.2㎞で獲得標高250mの峠があるんだけど、C50-TUでは無駄に2回も登っちゃった。うひゃひゃひゃ。たのしー!すごく軽くて、後ろから押されるようにぐいぐい登っていく。まぁ…僕は山が嫌いなんだけどね。とても扱いやすくてダウンヒルも素晴らしい。右へ左へ思うがまま。とても数回使っただけのホイールだとは思えない。 満点。
【リッチー(179文字)】
リム自体はそれなりに軽そうだけど、残念ながら速さにはつながっていない。乗り心地も悪いから残念。山も特に速いわけじゃないし、加速が得意なわけでもない。速度を上げるのも維持するのも楽じゃない。これと言って弱点は無いけど、全体的にレーダーチャートが小さい。リム面は悪くないけど、設計やバランスが古臭い。ハンドルやステムがリッチーでないと選びにくそうなのもマイナス。
【ボントレガー・アイオロス3(180文字)】
点数通り、評価高し。C50-TUと評価を2分したホイールで、軽くて固くてわかりやすい。デュラエースみたいに伸びのあるホイールではないけど、決して乗り手に踏み負けることはない。速度域、勾配、どんなパワーでもそのまま速度となって返ってくる。自分の実力をごまかしてくれないから、買うときは覚悟して使うといい。絶対的なストッピングパワーが弱い感じがしたけど、なんだったんだろう。
【ライトウェイト・マイルンシュタインオーバーマイヤー(16文字)】
これは400g軽いキシリウムなんだよ。
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今回最高得点のホイール。スーパーディープの巡航力を除いたほぼ全ての項目で最高位にあり、総合得点ではダントツで1位だった。なかでも特筆すべきは制動性能。僕は制動力の高いRシスと制動力が低かったボントレガーに同じ60点を付けた。ブレーキで大事なのは絶対的な制動力ではなくコントロール性であり、その正確さこそがライトウェイトのもっとも秀でた部分の1つだからだ。
【FFWD・F4R(180文字)】
コストパフォーマンスが良いといえば聞こえはいいが、アイオロスD3やデュラエース相手には分が悪い。何を基準にするかは難しいが、メーカーのハイエンドモデル同士で比べると、他のモデルに後れを取るだろう。ジップ、レイノルズ、カンパニョーロ、イーストン、そしてデュラエース。これより速いホイールは多い。コストパフォーマンスがよい、という形容詞からはどうしても逃げられない。
【ロルフ・TDF6(179文字)】
僕はフレームよりホイールの方が固くあってほしいから、感覚的には嫌いなんだけど、速いことは速い。感覚は数値に表せないから難しいけど、速度は正義だ。絶対的な基準は速度なんだよね。淡々と踏む分には嫌いな部分も出てこないし、ヒルクライムはむしろ速い方だと思う。見た目に反してとても真っ当なホイールで総合点も高い。見た目がキワモノなヤツってのは、中身は案外正当なんだな。
【マッドファイバー(179文字)】
韓国海苔を貼り重ねたような見た目は、キワモノを通り越してもはやゲテモノの域に。接着剤もメッチャだってはみ出てるし。でも中身がまともでギャップ萌え。あと、あらかじめ下りがヤバイと聞いていたから、どうヤバイか知るべくちょっと頑張ってみた。シュー面が波打っているから制動力が安定しないし、リムの逃げがハンパないから曲がっていてうわーってなる。うん、これはヤバいわ。
【ゼンティス・マーク2(177文字)】
まさかバトンホイールで山登りをする日が来ようとは。初速はズシッとくるし、乗って一言目は重っ!!だったけど、回りだしてしまえばあまり関係のない話。峠でもモリモリ登っていくし、ロードに入れてもおかしくないような扱いやすさで、自分でもちょっとビックリ。でもシルエットはやっぱりおかしいよね。それに加減速を何時間も繰り返さなきゃいけないレースではご遠慮願いたいや。
【コリマ・エアロプラスMCC(179文字)】
絶対的な制動力が弱いこと以外は、特に目立つ部分もない。これと言って武器が無いようにも思えるけど、逆に弱点も見当たらない。剛性不足を感じさせることもないし、単純な軽さもあるから、ロングライドで使用してもしっかりと距離を稼いでくれると思う。加減速に苦労させられることも少ないし、とても扱いやすくいから脚も残しやすい。こういうホイールこそ、良いホイールだとおもう。
【ライトウェイト・フェーンウィグ(179文字)】
モンドリアンのルックにスーパーディープのライトウェイト。漂うブルジョア感がヤな感じだ。スーパーディープは3日目に海岸線で乗る予定だったけど、無理言って山で使わせてもらった。普通に登れちゃう。乗ったのは2日目の最後の方、峠も8本目くらいなのに、タイムを計れば速い方。それに下りも速いし安定する。こんなに下れるスーパーディープは初めて。これはちょっとズルいなぁ。
【エドコ フルカーボン(176文字)】
アルミクリンチャーが良く走ったので期待をしていたが、こちらはハブとの一体感が薄く重さが目立つ。重いホイールは回り始めるまでが苦労する。リムの軽さや加減速の鋭さを好む僕には苦手なホイールだ。また、雨の日のブレーキに強みがあるということで後日雨の日に乗ってみたが、制動力は確かに高い。あとはシュー面の精度が出て、コントロール性が向上すれば武器になるだろう。
【ボーマ・ナントカ(177文字)】
ゲテモノ2号。スポークがイソギンチャクみたいだ。今回乗ったホイールの中では最もやわらかい。それは乗り心地がいいと言えば聞こえは良いんだけど、それはあくまで剛性あってこその話。しなりも推進力となって返ってくればいいけど、このホイールは粘るだけ粘って返ってこない。乗り心地が良いだけではロングライドは出来ないし、距離も伸びてこない。今回最低点だったホイール。
【ジップ・808(178文字)】
高速巡航と登坂能力がいい。登坂能力はフェーンウィグにも匹敵する。何回も何回も、繰り返し乗るたびに、高速巡航ではいつもジップが一番上に来た。スーパーディープはそもそも高速巡航のためのホイールだから、高速巡航能力がぶっちぎりでいいジップは、それだけで買う決め手になる。まして登りも強いとなればなおのことだ。
【レイノルズ・エアロ92(177文字)】
レイノルズを使用しているロードチームはタイムトライアルでは66TやRZRを使っているから、エアロ92は純粋にトライアスロン用として考えるべきなのかな?どの項目でもだいたい上位に位置づけた。加速もいいし山もけっこう登る。真正面からの向かい風はエアロ92が一番空気抵抗が無いように感じた。それでも総合的にはジップ相手に分が悪いと思う。もっとも大きな違いはクリンチャーである事。
【カンパニョーロ・ボーラウルトラ80(176文字)】
ボーラは加速性能に良い評価が集まった。しかしそれはあくまでスーパーディープというくくりの中の話。ほとんどのシチュエーションでボーラ80は“ボーラ50”に負けるだろう。僕はスーパーディープというのは平地・単独・巡航を突き詰めるためにあると考えているから、どうしてもカンパニョーロじゃなきゃダメだという人以外は、ジップを止めてボーラを薦める理由が見つからない。
【マビック・コスミックカーボンCXR80(179文字)】
ロードレースにも標準を合わせて作ったかのようなスーパーディープ。各項目がものの見事にジップとカンパの中間で、これをバランスがいいと取るか、メインとなる武器が弱いと取るかは難しい。価格度外視で話せば、フェーンウィグの完全下位互換に感じてしまう。CX01ブレードは何度もつけ外し走ってみたけど違いは判らなかった。理論上は良いのだろうけど、重箱の隅での話なんだろうね。
【エンヴェ・6.7(84文字)】
間違っても808やフェーンウィグらと比べるべきものじゃない。完全にロードレース用のホイールであり、登りや加減速に強みを感じさせるホイールだった。60㎜ディープとしてはかなり使いやすい部類で、剛性も軽さも申し分ない。リム単体ではもっとも戦闘力のあるリムかもしれない。個人的にはパワータップではなく、レコードやデュラエースなどの超高性能ハブと組んで、レースでガンガン使いたい。
- 商品名
- 2013.3号ホイールインプレ【原文】
- 登録日時
- 2013/01/20(日) 16:29
- メーカー名
- サイクルスポーツ関連