コルナゴのプーリーを変えました。
BBBのアルボーイという新製品です。
6月のライトウェイの展示会で触って、非常にベアリングの回転が滑らかだったのが第一印象、センターのベアリングのキャップが赤いプーリーは市場に無いので、それだけを理由に自分用に購入しましたが、このプーリー、よくよく見ると変速性能がすごく悪そうです。
ディレイラーというのは、皆さん知っての通り、脱線させるという意味であって、回っているチェーンを横に引っ張ったり押したりして、となりのギアに移してやっています。だから、フロント変速もリア変速も、変速機本体よりも、チェーンやギア板の方が重要だったりします。
リアの変速でいえば、チェーンを引っ張っているのはディレイラーでもプーリーガイドでもなく、プーリー本体であるので、プーリーが変速性能をかなり左右してきますが、そこで大事になるのがプーリーのギアの溝の深さです。
※正確にはギアではありません。あしからず、
ギアの溝の深さのことを歯丈(はたけ)といい、根本の部分を歯元、先っちょの部分を歯末、といいます。この歯末の丈が小さいと、チェーンが引っ張りきれず、ギアから脱線させきれません。
スプロケット自体は、チェーンプレートをひっかけ、持ち上げるような切削をしてあるので、スプロケットはチェーンを持ち上げようとしますが、プーリーがスプロケットの変速ライン下まで引っ張りきれないので、チェーンはあっち行ったりこっち行ったりして、ガチャガチャと音鳴りしてしまいます。
プーリーが変速するところまでチェーンを引っ張りきれなくても、機械式であればちょっと多めにワイヤーを引っ張ってやったりすればいいんですが、電動変速機ではそうはいきません。
電動変速機は、一回のボタンの押しでリアメカが動く幅が決まっていますから、ボタンを押して脱線しきらなければ、変速しません。それを補うため、電動変速機のメカはオーバーストロークと言って、ちょっと余分に動きすぎてから適正な位置に戻るようにプログラムされていますが、そのオーバーストロークをもってしても足りない、変速性能の悪すぎるプーリーがいくつか存在します。
そのひとつが、おそらくBBBのアルボーイだということです。
同様の例として、僕はSレコードのEPSにも似たような形のプーリーを試して、変速性能に多大な支障をきたし、非常にストレスを感じていたことがあります。
先日、9000系デュラエースが発売されたことを受け、デュラエースのプーリーをEPSに入れ変えてみたところ見事に解決し、1人でものすごく感動しました。カンパのリアメカもちゃんと動いてるんじゃないか、と。
プーリーは自転車でもっとも回転するパーツなので変えると効果が高いよ、と紹介されることが多く、実際にその通りなのですが、ベアリング自体の回転性にはそれほど差がありませんし、大きな負荷がかかる部分でもありません。
ではいったいどんなものに変えればよいかと迷った時はひとつ、“歯丈”に注目してみてください。
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2013年7月23日、HP日記より
- 商品名
- プーリーの話。
- 登録日時
- 2013/10/19(土) 12:49
- メーカー名
- その他