実業団4戦目、E1ではデビュー戦となる、タイムトライアルチャンピオンシップ(渡良瀬TT)に参加してきました。
チームとしては、E1では風間君が10位。ほとんど準備期間もなく、自分が使う機材もギリギリまで決まらず、心情的に穏やかでない中、十分すぎるほど良くやっていたと思います。
風間ブログ:http://hiro804123.blog.fc2.com/
E2では、佐藤さんが優勝。勝って昇格ということは意義あること。それがタイムトライアルであればなおさらです。友人の結婚式があるということで表彰式の真ん中には立てず。バタバタと別れてしまいましたが、今度ちゃんと祝勝会しましょう!
佐藤ブログ:http://fishsword.hateblo.jp/
E3では金久保君と醍醐君が出場。金久保君は不本意な結果。学生である醍醐君は、夏休み中である本戦がデビュー戦になったけど、自己の目標に及ばず。それぞれ、自分がどのくらいの位置にいるのかが把握できたと思う。これからしっかり練習をして、がんばっていってほしい。
そんで…僕は…僕はですね...。簡単に言うと、スタート時刻に間に合わず、遅延タイムが加算されてしまった、といった感じです。
~~~~~~~~~~~~~
使用機材はもちろんいつものTTバイクですが、今回からホイールはジップに代わってマビックになりました。それぞれバトンホイールのイオとディスクホイールのコメット。コメットは直前の練習でディスクが割れてしまっため、アメアスポーツジャパンに急きょ代替品を手配してもらいました。ありがとうございました。
新しいコメットは軽量化されたが、かえって剛性が落ちてしまったようだ。割れた箇所を覗いてみるとディスクのパネルがかなり薄い。最近のグランツールでは個人TTで山岳が含まれることが増えたから、おそらくそれを受けてなのだろうが、日本の平坦TTでは旧コメットの方がよい感触を得た。
タイヤはヴェロフレックスのエクストリーム。前日に新品を貼った。空気圧は前後ともに12.5bar。仕様したギアはフロントが56×44Tで、リアが11×23T。シマノの中では最大となる組み合わせは、半年以上変えていない。今回も55Tや54Tは使わないだろうと思い、持っていかなかった。
でも、予備ギアは持っていかなかったけど、壊れた新コメットは持っていった(笑)。勝った時の撮影用にね。けっきょく使わなかったけど、僕は僕が優勝候補だと思っていた。
当日は、もっともはやく現地入りしたチームの1つだった。出場しないチームメイトやサイクリングチームがサポートしてくれて、選手達が自分のことだけに集中できる環境を作ってくれた。サイクリングチームとレーシングチームが笑いながら交流する中で、僕はチームメイトのバイクに乗ったり、マッサージを受けたりと、リラックスして過ごすことが出来た。
レース開始4時間前のコースの下見はウォーミングアップではないので、初見と再確認で2周のみ。もっとも路面抵抗の少なくなる白線の上...つまり本番で走るルート上のゴミや石の状況だったり、見通しの悪いところでの最短ルートの把握だったり。白線の上は小石が多いが、目視で避けられないことはなさそうだ...。折れて横たわっていた木の枝は、一度止まってコース外に払っておいた。
レースの開始2時間前に1度車検を受けに行った。車検は1度合格しても一定の場所から離れると再度受けなくてはいけないが、レース直前に失格を受けずに済むよう、あらかじめ合格をもらいに行った。
400人以上が検車しなくちゃいけないのに、測定器具が1つしかないし、測定する人も2人しかいない。UCIレースで使われている最新型のマシンなのに使用不可と言われる人がいる中で、UCIでは禁止されているハンドルやホイールを使って走った人がいる。UCIルールに則り、それ厳守するように呼びかけた大会役員は、本戦はUCIではなくJBCFであると主張する。車検は混乱した。
そして1時間10分前からウォーミングアップ開始した。ゼッケンも、計測チップも、すべてチームメイトに任せた。僕はただ、リザルト50km/hで走りきることだけを考えていた。
調子はいい。気温も高くない。雨も弱い。風も速度を出すのを邪魔するほどではない。風向も望ましい。今大会の過去最高記録は47.5km/hだが、それを大きく上回る、何か確信めいたものを感じることが出来ていた。
個人タイムトライアルでは、おのおののスタート時間が明確に決まっている。僕のスタートは12時8分00秒からであり、そこから逆算していく。スタートの25分前にウォーミングアップを終える。着替えて、移動して、10分前にはスタート前のベンチで集中して、5分前にはスタート地点にいた。十分すぎるほど余裕をもって行動していた…はずだった。
スタート台では314番(僕)を呼んでいる。なのに車検が進まない。車検をする係は、それをわかっていないようだ。検車場に立っている役員に催促をしても知らんぷり。僕が314番です。スタート係が呼んでいますから、はやく自転車を通してください。ねぇ…ねぇ!……ねぇっ!!
もう(車検が)間に合わないから行っていいよ。君のこと車検したのは覚えてるから!あとでもう一回来て!…そう言われてスタート台についた時にはもう、僕のスタート時刻は過ぎていた。順番的に僕の後ろの人も先に出てしまった。
君おそいよ!はやく行って!もう行って!はやく出て!そうスタート係の人に急かされ、ペダルもはまらないまま、ケンケン乗りのような格好でスタートした。ダンシングの時に、かろうじてペダルを踏み外さなかったのは、クリートに張ってあったゴムのおかげ。
メーターも動いていない。ペダルもはまってない。ちゃんと計測されているのかもわからない。頭がごちゃごちゃの中で、スタートしてから300m位のところでペダルを嵌め直し、ヘルメットをかぶり直す。スタート1.5㎞あたりで前の人を抜き、そしてのどが渇いてしまった。
TTにおいて、のどを乾かすのは厳禁。息が吸えなくなってチアノーゼになってしまうから。僕も例にもれず、残り600m程度で完全に酸欠になって体が動かなくなってしまった。最終的なリザルトは5.3㎞を7分58秒、アベレージスピードは39.90km/h。店に帰ってきたのちに、チームメイトらがUストリームの放送を見返してくれて、だいたい45秒~50秒くらいの遅延じゃないかと教えてくれた。
スタート前に、ゴール後に車検に来てくれと言われたので検車場に行くと、係の人がいない。違う人が来て測定をし、ハイ、もう帰っていいですよ、と言われる。
なんだ。いったいなんなんだ、これは…。
~~~~~~~~~~~~~
こういうことは僕だけではなかったようだ。30秒ごとにスタートするタイムトライアルにおいて、車検する場所が1つしかない上に、1台あたりの車検に30秒以上かかっているのだから起きるべくして起こったこと。
失敗したならそれはそれで仕方ない。そういう時もあろう。ただ、それならそれで、次につながる何かが欲しかった。ちゃんとペダルを嵌めて、気持ちを切り替えて、何分の遅延でもいいから、それなりにちゃんとスタートしたかった。自分が何分で走ったのか。何km/hで走っていたのか。あとから見返せるようでいたかった。時間をかけて、お金をかけて、労力と気力をかけて、何か1つでも持って帰らないと、応援してくれている人に顔向けができない。
……気持ちを切り替えよう。
こういう時もあるのだ。教訓にすべきだ。高校の部活から大学の部活を経てプロになる...というエリート街道を通らなかった人間は、こういう環境の中で這い上がっていかなくちゃいけない。新参者が受ける扱いはどれも似たようなものじゃないか。プロツアーは神様で、エリートツアーはおまけ。僕はまだ、おまけが捨てるべきプライドを持っているのだ。これからこういう思いをたくさんするだろうが、出るべき杭はちゃんと出られるはずだ。
僕の今期のJBCFは、ちょっと早いけどこれで終わり。たぶん。まだ4回しか出てないけど、今年の目標はとりあえずE1に上がることだったから、目標は達成したし。
今期E1に上がったのは、風間君が一番乗りで、次に僕。そして今回の佐藤さんで3人目。HPのチームのところに全成績が載っているけれど、現時点ではかなり優秀なんじゃないかな?
来年からはチーム戦ができる。人数は少ないけど、来年からのエリートツアーは...フリーダムが最強になろう。
- 商品名
- 【E1:JBCF第21戦 タイムトライアルチャンピオンシップ 2013年9月8日】
- 登録日時
- 2013/09/11(水) 21:21
- メーカー名
- JCF/JBCF レースレポート